4月末の出社を最後に、10年間勤めたサイバーエージェントを卒業しました!

 

直接ご挨拶できていない方もたくさんいらっしゃいますが、このブログをもってご報告とさせてください。

 

まずはじめに、10年間苦楽を共にしてくれたサイバーエージェントの皆様、そして、どんな時も支えてくれた妻と子供たちに、心から感謝申し上げます。

 

みなさん一人一人の存在なくして、今の自分はありません。

本当に有難うございます。

 

10年間を振り返って

 

10年にも及ぶサイバーエージェント生活を振り返って、象徴するキーワードを挙げるとすれば、「挫折」「量」「特命係長」の3つに集約されると思います。

 

一つずつ振り返っていこうと思いますので、お時間ある方は読んでいただけたら嬉しいです!

(気づいたらめっちゃ長くなってしまいました)

 

理想と現実のギャップに「挫折」した新卒時代

 

10年前、地元茨城で大学生をしていた自分にとって、渋谷にオフィスを構えるサイバーエージェントは、まさにキラキラ輝く憧れの存在でした。

 

当時、TV番組の特集でその会社の存在を知った私は、気がつくと「この会社で働きたい」と思うようになっていたのです。

(ミーハー気質全開でした)

 

気になると行動せずにはいられないタイプなので、夏休みを利用してサマーインターンシップに参加しました。

 

そこで出会った社員の皆さんは本当に優秀でかっこよくて、何より楽しそうに仕事をしている姿に感動し、「自分もあの人たちのようにイケてるビジネスマンになりたい!」と強く感じたのを覚えています。

 

その後、選考を通過し、晴れてサイバーエージェントの一員になった私でしたが、即効で挫折します。笑

 

元々、インターネットにそんなに詳しいわけでもなく、人より抜きんでた強みや得意な領域があるわけでもない、どこにでもいる田舎のミーハー大学生だった自分にとっては、とにかく食らいつくだけで精一杯のハイレベルな環境だったのです。

 

周りを見渡せば、「学生時代に起業経験がある同期」や「最年少で子会社社長になった内定者」など錚々たる顔ぶれが並ぶ中で、「自分は勝てるわけがない」という、なんとも情けないメンタルになっていました。笑

 

何もかもうまくいかず、成果が出ない中でモチベーションも下がり、次第に元気をなくしていきます。

 

それを見かねた当時の上司から、面談でこんなことを言われました。

 

「お前は環境のせいにしてるだけだ。」

 

当時は正直ピンときてませんでしたが(笑)、今になって思うと本当にその通りだったと思うし、はっきり指摘していただいたことに感謝しかありません。

 

うまくいかないことがあると相手のせいにしたり、任された仕事の内容にケチをつけたり、それでは成果が出ることはないし、周りから信頼されるはずもない。

 

そのことが分かっていなかった自分にとって、社会人になって早々の挫折は、必然的な出来事でした。

 

「量」が質に転化した新米マネージャー時代

 

その後、逃げるようにして別の部署に異動した私は、「データ分析」との出会いをきっかけに、少しずつ自信を取り戻していきます。

 

振り返ってみると本当に恵まれた環境だったなと思いますが、その部署ではSQLをゼロから学べる仕組みがあり、高度な専門スキルを伝授してくれる親切な先輩方がたくさんいたのです。

 

そこで、初めて「仕事が楽しい」と感じた私は、水を得た魚のように仕事に没頭していきます。

 

国内有数の規模を誇るwebメディアから、新規立ち上げのECサイトまで、多岐にわたる事業を担当する中で、着実に成長していることを実感していました。

 

そんな中、一つの転機が訪れます。

 

当時の上司が退職することになり、自分がチームのマネージャーを任されることになったのです。

 

担当領域が拡がり、一気に仕事量が増えました。

 

正直「やばい」と思っていましたが、同時に「何があっても絶対に折れない」と心に誓いました。

 

新卒時代に挫折したことに対して後悔の念があったのと、自分にチームを任せてくれた上司の期待になんとか応えたいという思いがあったからです。

 

そんな思いを胸に、とにかくハードに働き、量をこなし、理屈ではなくカラダで質を高めていきました。

 

今のご時世だと、「長時間労働なんて流行らない」とか「もっと効率よくやるべき」とか言われそうですが、個人的には「とにかくがむしゃらに量をこなす時期」が必要なのではないかと思います。

 

ぶっちゃけた話、成果を出すなら「量」はマストだとさえ感じます。

 

(あくまで個人的な考えであり、他者に強制する意図は一切ございません。笑)

 

そんなこんなでがむしゃらに目の前の仕事に向き合う中で、いつからか自分が出すアウトプットの質が明確に上がったような感触を覚え、一気に仕事が楽しくなっていきました。

 

どんな仕事も引き受けた「特命係長」時代

 

サイバーエージェント生活の後半は、国内有数のwebメディアである「Ameba」を運営する事業部で、本当にかけがえのない、数々の貴重な経験をさせていただきました。

 

アメブロの新機能開発に始まり、広告事業の戦略立案、社運を賭けた年末キャンペーンの企画開発、商品企画のためのマーケティング調査、データ分析人材育成、経営ボードメンバー、社内イベントの司会や社内向けラジオのパーソナリティなどなど、数え出したらキリがありません。

 

あまりに多岐にわたる仕事を担当していたので、正式な肩書きとして「特命係長」を拝命したこともありました。笑

(ちなみに夜は至って大人しめでした)

 

当時、心掛けていたのは、「どんな仕事でも笑顔で引き受け、まずは全力でやってみる」ということです。

 

それまでのキャリアの中で感覚的に気づいていたのですが、自分の人生において、無駄な経験なんてひとつもありません。

 

スティーブ・ジョブズの「connecting the dots」の話にも通じるところがありますが、意図せず得た経験が、その後の人生の中で何かしらの形で役に立つものだと確信していたのです。

 

大事なことは、大変そうな仕事を任された時や、危機的な状況に陥った時に、自分がそれを「どう捉えるか」だと思います。

 

例えば、今まで経験したことのない緊急の仕事がいきなり降ってきた場合に、「なんでこんな直前になって、ふざけるな」と捉えるのと、「この状況を乗り越えられれば自分はまた少し成長する、かも」と捉えられるかどうかでは、雲泥の差があります。

 

私は、常に後者のスタンスで仕事に臨んでいました。

 

同じ人生のある時間を過ごすのであれば、常にポジティブに生きていたいからです。

 

「仕事の報酬は仕事」と言いますが、与えられた仕事に全力で取り組み、期待に応えることでまた次の仕事が与えられ、と繰り返すうちに、積み上がった経験が大きな財産になっていました。

 

特にAmebaは多岐にわたる事業と多様性に富んだ人材の宝庫だったので、どんどん色んなことに挑戦させてもらえる、最高に恵まれた環境だったと思います。

 

日々の仕事以外でも、達成旅行で沖縄に行ったり、キャンプに行ったり、大きな箱を貸し切って忘年会をしたりと、大切な思い出がいくつもあります。

 

信じられないくらい「素直でいいやつ」ばかりの仲間たちと、日々生まれる新しい仕事に向き合う中で、本当に大きく成長させてもらいました。

 

ありがとう、Ameba。

 

20代後半から30代前半の働き盛りの時期を、Amebaで最高の仲間たちと過ごせたことは、何よりの幸運でした。



 

サイバーエージェントが教えてくれた3つのこと

 
当時は気付けていませんでしたが、こうして振り返ってみると、私はサイバーエージェントで、仕事人として大切にすべき「3つの力」を授かったように感じます。
 
それは、「主体的に考える力」「挑戦する力」「やり抜く力」です。
 
「主体的に考える力」は、オーナーシップとも言い換えられますが、何事も自分ごと化して、全ての責任を背負う覚悟で向き合う力。
 
「挑戦する力」は、主体的に考えた上で自らやるべき仕事を創り、未知のことでも臆せず取り組む力。
 
「やり抜く力」は、どんな課題に直面しても前向きに解決策を考え、ゴールに向かって周囲を巻き込んで推進する力。
 
若いうちから大きな仕事を任せ、挑戦を奨励し、切磋琢磨する優秀な仲間がたくさんいる、そんなサイバーエージェントの環境だからこそ得られた力だと思います。
 
サイバーエージェントから授かったこの武器を手に、これからも真摯に仕事に向き合っていく所存です。
 

これからどこへ行くのか

 

振り返りはこのぐらいにして、これから自分がどこへ向かおうとしているのかについて、お話しします。

 

何を実現したいのか

 

私は、「自分の子供と孫の世代が誇れる日本の未来をつくる」ことに、残りの人生を捧げたいと考えています。

 

日本は言うまでもなく最高の国ですが、ここ30年、元気がありません。

 

ニュースを見れば、「少子高齢化」「労働力不足」「安い日本」など、耳を塞ぎたくなるような現実で溢れかえっています。

 

自分の子供や孫が大人になって日本という国を見た時に、果たして「この国に生まれてよかった」と思える状況になっているでしょうか?

 

高齢者比率は高まり、労働力は不足し、円安にも歯止めが効かず、どんなに頑張って働いても報われない、幸せになれない。

 

後世にそんな未来は残したくないし、これまでご先祖たちが頑張ってきてくれたように、自分たちも子や孫の幸福のために努力すべきだと思います。

 

そのためにどう動くのか

 

では、どうやって「誇れる日本の未来」をつくるのか?

 

詳しくはまた別の機会にお話しできればと思いますが、キーワードは「グローバル進出」と「教育改革」だと考えています。

 

兎にも角にも、まずは自分自身が海外に出て、多国籍メンバーを率いて世界で戦える人間になる必要がある(というかなりたい)と同時に、一人の父親としてグローバル水準の教育をこの目で確かめたいという思いがあり、今回の決断に至りました。

 

次の職場は、ユニクロやGUを海外展開しているファーストリテイリングです。

 

そこでキャリアを積んで、海外移住も視野に入れつつ、グローバルでの活躍機会をモノにしたいと考えています。

 

そして、ファーストリテイリングが手がけるユニクロは、今の日本において海外で十分に戦えるチャンスがある、数少ないブランドの一つだと思います。

 

まずは、ユニクロを世界一のアパレルブランドにすることが日本の未来につながると信じて、全力を尽くします。

 

 

というわけで長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

気が付けばサイバーエージェントに入社して丸10年、本日の誕生日をもって私は35歳になりました。

(時の流れを感じずにはいられません)

 

自分も歳を取ったなと思いますが、人生100年時代と考えると、まだまだ夏が到来して間もないような感覚でおります。

 

最初のキャリアとしてサイバーエージェントを選んだことは、私の人生において、間違いなく最良の選択でした。

 

戦う場所は違えど、日本の閉塞感を打破し、より良い国にできるように、これからも一緒に頑張りましょう。

 

ありがとう、サイバーエージェント!

 

(育児ブログも復活予定なので、乞うご期待お願い笑)