プレ介護アドバイザーはまじゅんのおしゃべりサロン

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社会保険労務士・行政書士・認知症ケア准専門士のはまじゅんが、介護や認知症についておしゃべり。介護にかかわるすべての人に笑顔を届けます。

健太は出勤するようになっても、なるべく

早く帰宅するようにした。

 

この年の1月には、大村課長達が受け持って

いたプロジェクトも完了して、富岡建設は

また、昔の大所帯になっていた。

 

しかし、富岡社長は以前のままの体制では、

健太がせっかく育てた若者たちの芽が

つぶされてしまうと考えて、社内の体制を

変えた。

 

言ってみれば、大村課長を中心とする

旧体制組と、健太や黒木を中心とする

新体制組だった。

 

そして、プロジェクトに参加していた社長の

息子の悟は、新体制組に組み入れた。

 

新体制組の若者たちには、どんどん新しい

システムを導入させて、伸び伸びと仕事を

して欲しい。

 

富岡社長の親心だった。

 

そんな訳で、4月に戻った健太は、大村課長

と同等の佐藤課長に昇進した。が、部下の数

は大村課長の方がダントツに多いし、自分の

部下はベテランばかりが揃っているので、

大村課長から特に不満は出なかった。

 

健太は、権限移譲をして仕事を覚えてもらう

という名目のもとに、係長になった黒木に

ほとんど仕事の采配を任せた。

 

父親の病気療養も一段落した黒木に、健太は

そっとみどりの事を耳打ちする。

 

「佐藤先輩、しばらくは残業しないで、

早く帰ってあげてください」

 

心優しい黒木の言葉に甘えて、健太は定時に

なるとさっさと帰宅した。

 

そんな健太に途中で気が付いた富岡社長は、

ある日健太を呼び止める。健太は仕方なく、

みどりの事を報告した。すると、社長は

ニヤニヤしながら健太に言った。

 

「健太、やっとお前にも春が巡って来たな」

 

4月は特に何もなく平和に過ぎていった。

 

月の半ばから、みどりは少しずつ起きている

時間が長くなって、最後の週には、職場復帰

に備えて1日中起きて過ごす。

 

渡辺さんが話し相手に来てくれて、二人で

洗濯や掃除をする日もあった。

 

5月に入って、連休のはざまの日、みどりは

久しぶりに職場に出かけた。

復帰後の打合せをするためだった。

 

年度の変わり目の一番忙しい時期に、

約2か月の休暇を取ったみどりだったが、

休暇の前にすべての段取りをしてあったので、

特に問題なく復帰できそうだった。

 

しばらくは、利用者の担当を持たずに、居宅

介護支援事業所の所長としての事務と、母体

の医療法人との連絡事務をすることになった。

 

明後日から職場復帰すると言う日、楓と哲也、

高橋さんと渡辺さんが健太の家に来て、

職場復帰のお祝い会を開いてくれた。

 

みどりは主治医からお許しが出たからと、

久しぶりのビールを美味しそうに飲んだ。

 

みどりが職場復帰してからも、健太は定時で

帰る。夕飯の支度は健太の仕事だった。この

1カ月で随分料理のレパートリーも増えた。

 

「退職したら、居酒屋ができるね」

 

みどりとそんな会話をしながら、5月も

過ぎていく。

 

連休の間に面会に行った君江も、健太や

みどりの事がわからなくなっているとは

言っても、車椅子にのせて庭に出れば、

楽しそうに微笑んでいた。

 

みどりとの二人暮らし、母親の穏やかな表情、

哲也と幸せそうな姉の楓、このままの暮らし

が永遠であって欲しいと、健太は思っていた。

 

ところが、5月の最後の週に、君江に異変が

起こった。

 

健太!  何があったの?

 

TO BE CONTINUED・・

 

 

 

 

特養に母親の君江の面会に行った健太は、

帰り際に仕事を終えて帰る高橋さんに会った。

 

健太は、みどりが入院していたこと、退院

して今、自分の家にいることなどを話した。

 

「それで、高橋さん、グリーフケアの会なん

ですが、今月の総会、お休みさせてもらい

たいんですが、大丈夫でしょうか」

 

「心配いりませんよ、健太さん。この一年で

随分と会員さんも増えて、世話人をして

くださる人も増えましたからね。

 

それよりも、みどりさんのこと、大事にして

あげてくださいね」

 

高橋さんは、認知症で亡くなった妻の俊子が、

50代の時に、みどりと同じように乳がんを

患ったことを健太に話す。

 

「みどりさんは、強い人ですから、ついつい

我慢してしまいます。健太さんがしっかり、

支えてあげてくださいね」

 

健太が自宅に戻っても、みどりはまだ眠って

いた。健太が着替えて、夕飯の支度を始め

ようと思った時、渡辺さんから電話が入った。

 

「健太君、今どこにいますか?」

 

「渡辺さん、お久しぶりです。今自宅に

帰ったところです」

 

「ちょうど良かった。天ぷらをたくさん

揚げたから、お夕飯に食べてもらえないかと

思って」

 

20分ほどして渡辺さんが現れた。

お皿に大盛りの天ぷらを持っていた。

 

「楓さんから聞いたんですよ。みどりさんが

こちらにいるって。

健太君、明日からお仕事なんでしょう」

 

姉貴の情報網は素早いと健太は思った。

 

「もし良かったら、お昼間私がお洗濯とか

やりに来ましょうか」

 

母親の君江をずっとお世話してくれていた

渡辺さんは、本当に心の優しい気の利く人だ。

 

「ありがとうございます。でも、しばらくは

僕一人でやってみます。

今までみどりには散々世話になって来たから、

恩返ししたいんです。

 

どうにも大変になったら、またヘルプを

出しますね」

 

渡辺さんは、大きくうなずきながら言った。

 

「それじゃあ時々、夕飯のおかずを差し入れ

させてもらうわね。

 

そうそう、うちの主人、3月いっぱいで仕事

を終わったから、今、我が家のリビングを

改装して、高齢者サロンの準備を始めてる

ところなの。

 

また開所する時は、お二人をご招待するわね」

 

渡辺さんの声を聞きつけたのか、奥から

みどりが出てきた。

 

「あら、みどりさん、寝てないとダメ

じゃない。

私の大きな声が起こしちゃったかしら」

 

健太が振り向くと、ガウンを着たみどりが

立っていた。

 

「大丈夫ですよ、渡辺さん。お昼からずっと

寝てましたから。

ああ、美味しそうな天ぷらですね」

 

みどりは、渡辺さんが持っているお皿に

目が行った。

 

「食欲あるなら大丈夫ね。

みどりさん、健太君にしっかり甘えるのよ」

 

みどりは、微笑むと大きくうなずく。

 

玄関に、天ぷらの香ばしい匂いが

立ち込めていた。

 

健太! みんな優しいね!

 

TO BE CONTINUED・・

 

 

 

 

 

翌日の月曜日、みどりは退院した。

 

健太は、カフェ ル ボワ シャルマンで

朝一番にケーキとフルーツサンドを買うと、

午前11時に病院に迎えに行く。

 

健太は、遠回りして川沿いの桜並木の下を

通った。今年の桜は少し遅かったので、まだ

まだ満開だった。

 

家に着くと、まずはみどりを応接間に通して、

健太は紅茶を入れる。

 

テーブルにケーキとフルーツサンドを

並べると、やっと久しぶりにみどりの明るい

声が聞けた。

 

「わーい、ケーキとフルーツサンドだ。

病院の食事ってやっぱりおいしくないのよね。

久しぶりに美味しいものの匂いがする」

 

みどりは、サンドイッチを手に取ると、

クンクンと匂いを嗅ぎながら言った。

 

「おいおい、みどり、犬じゃないんだからさ。

ガツガツ食べると、胃がもたれるぞ」

 

「おあいにく様、健太、私の胃袋はそんなに

ヤワにはできてません」

 

みどりは機嫌よくケーキまで平らげた。

しかし、さすがに疲れたのか、

ソファの上で少し横になった。

 

「みどり、ベッドで寝たほうが良いんじゃ

ないか。

おふくろの部屋だけど、準備してあるぞ」

 

みどりは健太の言う事を素直に聞いて、

君江の部屋に入って、パジャマに着替えると

横になった。

 

「おふくろの使ってたものばかりで、

すまないな」

 

健太が言うと、みどりは首を横に

振りながら言った。

 

「ううん、おばさんの部屋だから良いの。

おばさんの匂いがするから。

とっても懐かしい匂い」

 

「夕飯になったら起こしに来るから、

ゆっくり寝てろ」

 

「健太、ありがとう」

 

ニコっと微笑んだみどりの顔は、

少女のようだった。

 

それから3日間、健太は家事をしながら、

みどりと色々話す。

 

みどりが、おそらく話したかったのに遠慮

して話せなかったことを、健太はひとつ

ずつ丁寧に聞いた。

 

今後の治療は、抗がん剤治療をするけれど、

仕事と両立しながらできるので、職場には

ゴールデンウィーク明けから復帰したいと、

みどりは言った。

 

健太は、みどりのアパートよりも職場に遠く

なるけれど、ここから通えばいいよ、と言う。

復帰したらしたで、身体への負担は大きく

なるに違いない。

 

洗濯や食事作りなど、健太は自分がすること

でみどりの負担を減らしたいと思っていた。

 

「当分、俺はみどりの主夫になる。

いや、執事かな。どんなご要望にも

お応えしますよ。みどり様」

 

「健太、良きに計らえ」

 

そんな軽口も出るようになって、

健太は少し安心した。

 

水曜日の午後、みどりが眠っている間に、

健太は特養にいる母親の君江に面会に

行った。

 

2月の終わりにグループホームで会って

以来だから、1か月半振りだ。しかも、

その間に特養に転所して、誤嚥性肺炎にも

なっている。

 

どんなにか衰えているかと思ったが、

意外と君江は元気そうだった。

 

ちょうど庭に咲いている桜の花が散り始めた

ので、健太は君江の車椅子を押して庭に出た。

 

君江は手を伸ばして、桜の花びらを取ろうと

する。なかなか取れないのだが、それを

楽しんでいる様子だった。

 

「おふくろ、はい。桜の花びら」

 

健太が花びらを取って、君江の手の平に

のせた。

 

「ありがとう、強さん」

 

君江は亡くなった夫の名前を言う。

 

「何だよ、おふくろ。親父が亡くなって

37年だよ。

相変わらず親父の事が好きなんだな」

 

健太は、心の中に温かいものが流れ込んで

くるのを感じた。

 

健太!  優しい時間だね!

 

TO BE CONTINUED・・

 

 

 

「健太、みどりちゃん、今入院しているの」

 

姉の楓の言葉に、健太はビールのグラスを

持つ手が止まってしまった。

 

「入院?けがか?病気か?いつから?

大丈夫なのか?

何で俺に知らせてくれなかったんだ?」

 

健太の頭の中は、たくさんの?が駆け巡る。

 

健太が何か言いかけた瞬間、楓がそれを

さえぎった。

 

「健太、みどりちゃんから口止めされてたの。

健太の仕事が一番忙しい時期だから、

心配かけたくないって。

 

乳がんの手術をしたのよ、3月の半ばに。

去年の暮れの人間ドックで見つかってね。

でも仕事の段取りが付くまで、手術の日程を

入れなかったの。

 

もちろん、手術は無事成功したから大丈夫よ」

 

ここまで一気に話して、楓は一息ついた。

 

「健太の仕事のため」と言われたら、

二の句が告げない。

 

健太は、手にしたビールを飲み干すと、下を

向いて大きなため息をついた。

 

「健太、そこで相談があるんだ。

みどりちゃんの退院が来週の月曜日なんだが、

俺も楓さんも仕事が入っててさ。

 

健太に、迎えに行ってもらいたいんだ」

 

哲也が健太の肩を叩きながら言った。

 

健太は、富岡社長からお疲れ様の特別休暇を

もらって、来週は木曜日からの出勤だと、

さっき二人に告げたばかりだった。

 

「もちろん、俺で良ければ迎えに行くけど」

 

「それでね、もう一つ、お願いがあるの」

 

楓が顔の前で両手を合わせて、祈るような

ポーズをしながら言う。

 

「何だよ、姉貴。俺がいない間、姉貴には

色々迷惑かけたから、その分、何だって

聞くよ」

 

健太は、母親の君江の事を姉に任せっきり

だったので、ここは恩返しをしなければと

思っていた。

 

「健太、みどりちゃんをね、しばらく

この家で預かって欲しいの。

みどりちゃんね、退院しても1か月ぐらいは

自宅療養なの。

 

だけど一人暮らしでしょう。

絶対に無理すると思うのよね。

それに、一人にすると、仕事の事が気に

なって、絶対職場に連絡とかして、全然

療養にならないと思うの。

 

うちで引き取ることも考えたんだけど、

マンションで手狭でしょう。

みどりちゃんに逆に気を遣わせることに

なっちゃうし。

 

この家なら、部屋も空いてるし、健太は家事

全般何かと出来るから、みどりちゃんも

ゆっくりできると思うのよ」

 

健太は、楓の話を聞きながら、まんまと

二人の術中にはめられたな、と思った。

 

でも、考えてみれば楓の言う事は一理ある。

 

みどりが今どのような状態なのかは

分からないけれど、退院後にすぐに職場

復帰できるわけではないことは、健太に

もわかる。

 

しかも、あのみどりだ。

一人にすれば無理をすることも、仕事を

しそうなことも、目に見えるようだった。

 

今まで、健太が一番辛い時に、いつも側に

いてずっと支えてくれていたのは

みどりだった。

 

今度は、自分がみどりを支える番では

ないのか。健太は、何よりも早く、

みどりに会いたかった。

 

「姉貴、わかったよ。この家で良いなら、

みどりに来てもらうよ。俺がみどりを

ちゃんと監視して、無理をしないようにする。

 

でも、みどりが嫌がったらどうするんだよ」

 

哲也が健太の背中をドンと叩きながら言った。

 

「健太、本当に女心に鈍い奴だな」

 

翌日の土曜日、健太は楓の指示のもと、

みどりがゆっくり過ごせるようにと、

色々な物を買いに出かけた。

 

部屋は、君江の使っていた部屋にするとして、

ベッドパッドや寝具は新しいものに替えた。

 

ベッドサイドに置く引出し付きのテーブルや、

パジャマの上に羽織るガウンなど、楓の

心配りは本当に細かい。

 

タオル類も全部入れ替えて、風呂場で使う

シャンプーやリンスも、女性用の香りの

良いものを置く。

 

健太は、買い物よりも先にみどりに会いに

行きたいのに、楓に一日中振り回された。

 

翌日の日曜日、健太はやっとみどりの

見舞いに行くことが出来た。

 

「健太、ごめんね、ずっと黙ってて」

 

健太の顔を見るなり、みどりが言った。

ベッドの上に起き上がったみどりは、

少しやせて、顔に艶もない。

見るからに病人という顔をしている。

 

手術が無事終わったとは言っても、

いつものみどりの元気さを思えば、

10分の1もないと健太は感じた。

 

「みどり、俺こそごめんな。

仕事にかまけて、みどりの事、少しも気が

付かなかった。

本当は、もっと前からわかってたんだろう。

ずっと一人で、苦しい思いしてきたんだろう。

 

俺が、おふくろの事でいっぱいいっぱいに

なっていたから、誰にも相談できずに

いたんだろう。

 

一番辛い時に、側にいてやれなくて、

話聞いてやれなくて、ごめんな」

 

健太は、そっとみどりを抱きしめた。

 

健太!  優しいね!

 

TO BE CONTINUED・・

 

 

 

母親の君江の看取りについて、健太と

話し合った翌日、楓は特養の主治医と

面談した。

 

「それでは、佐藤君江さんに何か異常が発見

された場合、救急搬送はしないで、こちらの

ホームで最期を看取ってもらうという事で

よろしいんですね」

 

主治医は、もう一度確認した。

 

「はい、このノートに書いてある通り、母が

元気だったころに母の意思を聞き取って

書いたものですし、弟とも話し合いました」

 

「そうですか。弟さんとも話し合われたの

ですね。それなら良かったです。イザという

時に、ご家族で意見が合わずに、ホームの

スタッフが困惑することが時々あります

からね」

 

主治医の言葉に、同席していた看護師が

大きくうなずく。

 

「わかりました。それでは、本日の意思確認

については、こちらの書類にしっかり記録を

しておきます。

 

実際にそういう事態になった時には、ホーム

の担当者から、看取りプログラムについて、

詳しい説明がなされると思いますから」

 

楓は、主治医の話を聞きながら、健太と

話し合っておいて良かったと思った。

 

そして、そういう事態が、ずっと来ないで

欲しいと心の中で祈った。

 

3月の末日で、健太が参加していた

プロジェクトは無事に完了した。

 

最後の追い込みで疲れてはいたが、無事に

完成した建造物を見ると、関係者全員が

安堵と共に、誇らしさを感じていた。

 

翌日、健太は富岡建設を指名してくれた大手

ゼネコンの支社に、鳥居を連れて挨拶に行く。

 

支社長も同席する中、健太を指名した責任者

は、今回も無事に工期を守れたのは、健太の

お陰だと言った。

 

「いやいや、わが社のエースの鳥居を連れて

きて、本当に正解でした。今じゃあ、現場で

タブレットだのパソコンだのが自在にでき

ないと、工程監理もできない時代ですからね。

 

私なんて、突っ立ってるだけの時代遅れの

銅像ですよ」

 

健太は頭をかきながら、さりげなく鳥居を

支社長に紹介する。

 

「いやあ、富岡建設さんは、優秀な若手社員

をちゃんと育てていらして、さすがですね。

これからも、ご協力のほど、よろしく

お願いします」

 

大手ゼネコンへの挨拶を済ませると、健太は

鳥居に明日荷物を引き払って、自宅へ帰る

ように指示した。

 

健太は、それから2日間、下請けに入って

くれた業者さんや親方たちを回って、

一杯傾けながら労をねぎらった。

 

それから、自分の荷物を引き払って、4月の

最初の金曜日に自宅に戻った。

 

金曜日の夜、楓と哲也が来てくれて、

お疲れ様会を開いてくれた。でも、いつも

なら来るはずのみどりがいなかった。

 

年度初めの忙しい時期だからだろうと、

健太は思っていた。

 

そう言えば、3月は週末のLINEもあまり

していなかった。健太の仕事が忙しかった

こともあるが、途中からみどりが、自分も

忙しくてしばらく返事が出来ないからと、

送って来たからだった。

 

健太は、少し寂しさを感じながらも、週末も

仕事に追われていたので、特に気にも留め

なかった。

 

楓と哲也と3人でビールを傾けながら、

健太は何げなく聞く。

 

「ところで、みどりは余程仕事が忙しいのか?

3月中はほとんど連絡してこなかったよ」

 

すると、楓と哲也がお互いの顔を見合わせる。

 

「健太、みどりちゃん、今入院しているの」

 

健太! 寝耳に水だよ!

 

TO BE CONTINUED・・