HiPa研究会の白樫です。

 いつもは、皆様に有益な情報をお送りする解剖学シリーズですが、今日は「Neurology」という雑誌から面白い文献を見つけたのでシェアいたします。

 

 アブストラクトだけですがURLを添付しておきますね。

英文なのでグーグル先生に翻訳してもらって下さい。

きっちり翻訳してい頂けるわけではありませんので、ニュアンスだけでも伝わればいいなと思います。

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30626649

 

テーマは「肥満は脳を壊す」です。

 

 肥満というだけで、灰白質の萎縮が見られたという文献。つまり、太っているだけで神経細胞がどんどん壊れるということ。特に脳の前頭葉での萎縮がみられるそうです。ちなみに、眼窩前頭皮質という部分(目のすぐ上にある脳の部位)が萎縮すると、あらゆる抑制が効かなくなります(我慢ができなくなる)。例えば、食欲を抑えられなくなったり、感情をコントロールすることができなくなったりします。代表的なのが認知症ですよね。

 

 

 肥満というだけで、生活習慣病だけでなく認知症発症のリスクにもなるということを教えてあげて下さい。そして、40代50代のうちから食習慣や生活習慣の見直しを提案することであなたの周りの大事な人の将来が変わるかもしれません。

 

 具体的にどんなことをすればいいかは、リクエストが多ければ書きたいと思います。セミナーでもリクエストがあればお話しますので、聞きに来て下さい。

HiPa研究会の白樫です。

皆様に有益な情報をお送りする解剖学シリーズです。

 

今回のテーマは「棘上筋・棘下筋リリースの前にする事とは?」です。

 

 

 

早速答えからです。

 

 

それは、、、「棘鎖角テクニック」です。

 

 ※棘鎖角とは、肩甲骨と鎖骨のなす角の事。

 

 

なぜか?

 

 

 

その理由のポイントは、「肩甲切痕」と「肩甲上神経」です。

 

 

 解剖を見てもらうとよく分かりますが、肩甲上神経は肩甲切痕という狭い隙間を通り、肩甲骨と棘上筋の間、棘下切痕、肩甲骨と棘下筋の間を通り、棘上筋と棘下筋を栄養します。

 

 

 

 肩甲切痕で圧迫を受けるとその先に影響を与えることはすぐに想像できると思います。さらに、この状態のまま肩甲骨が動くと肩甲上神経が伸長されさらに状況は悪化します。

 

 

 

 この状況を改善するためには、棘鎖角を広げて鎖骨遠位部の硬さを改善することで肩甲上神経の状態を改善することができます。

 

 

 棘上筋、棘下筋のアプローチをする前に、是非棘鎖角の調整をしてみてください。

 

8月11日(日)広島で膝関節セミナーを開催しました。

当日はお盆中ということもありいつもより少なめの人数ではありましたが

膝の疼痛というリハビリを行う上で頻繁に出会う疼痛について学びました。

 

前回の股関節に引き続き膝関節、次回の足関節で一通りの下肢へのアプローチは獲得できると思いますが

更に効果的なアプローチを行うには骨盤や脊柱の知識は欠かせません。

 

しかし、股関節・膝関節・足関節のつながりを学ぶだけでも十分に疼痛のアプローチの幅が広がります。

今回参加していただいた先生方も今まで行ってきていないアプローチの方法を学び

週明けからのリハビリの機会を楽しみにしていました。

 

 

HiPa協会は2018年5月から、日本作業療法士協会よりSIG認定セミナーとなりましたので

必要な方は基礎研修ポイント証明書を発行いたしますので、申し込み時にご連絡ください。

HiPa研究会の白樫です。

またまた解剖学シリーズです。

 

今回のテーマは前回の続きの「胸骨」です。

 

では早速、胸骨には胸骨柄と胸骨体というものがあります。

それぞれに付着する筋のご紹介です。

 

 

 

胸骨柄

前面:胸骨筋、胸鎖乳突筋、大胸筋(胸肋部)

後面:胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋 

   

 

 

胸骨体

前面:外腹斜筋

後面:胸横筋    が付着します。

 

 

剣状突起に付く筋は、前回のブログに掲載してますので、そちらを参照ください。

 

 

 

 

胸骨柄、胸骨体、剣状突起に付着する筋の特徴は、骨を挟み込むように筋が配置されています、しかも両側に。

このように前後左右に付いている筋は、左右差や前後差があると骨が捻れたり、歪んだりしそうじゃないですか?

胸骨が捻れたり歪んだりすると、肋骨にも影響し胸郭が歪みます。

胸郭の歪みは、呼吸器系や循環器系にも影響を及ぼしますし、もちろん胸椎の動きが悪くなりますから運動器にも影響します。また、「胸が締めつけられそう」「胸が張り裂けそう」という言葉があるように、精神的なものも胸骨周囲に硬結を作ります。

 

 

 

アプローチでは、このことをどのように考えていくかがポイントになります。

・例えば、腹部の筋緊張に左右差があったとすると、骨盤の歪みの影響があるかもしれないし、剣状突起の歪みかもしれないと予想できる。

・大胸筋や上肢の硬さに左右差があれば、胸骨だけでなく鎖骨にも影響します。

・肺は肋骨の内側に胸膜を介して連結し、肋骨、胸骨、横隔膜が動く事で肺が広がったり閉じたりします。つまり、歪みがあると骨の動きが悪くなり呼吸器系に影響します。

・他に、コアマッスルやディープフロントラインにも関係しますし、内臓や自律神経系にも関係しますので、興味のある方は調べてみて下さい。

 

 

 

治療では、胸肋関節、胸鎖関節に沿って硬結を探し、リリースしていきます。

注意ですが、女性にする場合は、厚めのバスタオルを置いてその上から触るか、患者様の手を調整部位に置いてその上から触るようにして下さい。

HiPa研究会の白樫です。

久しぶりの解剖学シリーズです。

 

今回のテーマは「剣状突起に何が付く??」です。

 

では早速、胸骨の先端にある剣状突起に何が付着するか

というと、

 

前面:腹直筋

後面:腹横筋、胸横筋、横隔膜    

 

が付着します。

これらの筋は、同じ深さの位置にありそれぞれが癒着を

起こしやすい環境にあります。

 

剣状突起に付着する筋の模式図(裏から見ている)

 

胸横筋

横隔膜

腹横筋

腹直筋

 

アプローチでは、このことを踏まえてどのように考えていくかがポイントになります。

 

・例えば、腹部の筋緊張に左右差があったとすると、骨盤の歪みの影響があるかもしれないし、剣状突起の歪みかもしれないと予想できる。

・剣状突起部周辺に硬さがあれば付着する筋に影響を与え、体幹部の捻れの原因にもなります。

・他にも、コアマッスルやディープフロントラインにも関係しますし、内臓や自律神経系にも関係しますので、興味のある方は調べてみて下さい。

 

治療では、みぞおち周囲の硬結を見つけ、この硬結を

リリースしていく事が重要になります。

 

HiPa研究会ではこんな使い方をしています。

例えば、この動画を見て下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=3DYJtP9KXg4

 

肩関節の痛みや可動制限に対するアプローチには、この4つの筋の解剖イメージはすごく大事です。

 

この動画のように、剣状突起や周辺組織をイメージしながら触ってみて下さい。

肩の状態が変化するかもしれません。

セミナーに来られた方には、体験していただけますよ。