HiPa研究会の白樫です。

またまた解剖学シリーズです。

 

今回のテーマは前回の続きの「胸骨」です。

 

では早速、胸骨には胸骨柄と胸骨体というものがあります。

それぞれに付着する筋のご紹介です。

 

 

 

胸骨柄

前面:胸骨筋、胸鎖乳突筋、大胸筋(胸肋部)

後面:胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋 

   

 

 

胸骨体

前面:外腹斜筋

後面:胸横筋    が付着します。

 

 

剣状突起に付く筋は、前回のブログに掲載してますので、そちらを参照ください。

 

 

 

 

胸骨柄、胸骨体、剣状突起に付着する筋の特徴は、骨を挟み込むように筋が配置されています、しかも両側に。

このように前後左右に付いている筋は、左右差や前後差があると骨が捻れたり、歪んだりしそうじゃないですか?

胸骨が捻れたり歪んだりすると、肋骨にも影響し胸郭が歪みます。

胸郭の歪みは、呼吸器系や循環器系にも影響を及ぼしますし、もちろん胸椎の動きが悪くなりますから運動器にも影響します。また、「胸が締めつけられそう」「胸が張り裂けそう」という言葉があるように、精神的なものも胸骨周囲に硬結を作ります。

 

 

 

アプローチでは、このことをどのように考えていくかがポイントになります。

・例えば、腹部の筋緊張に左右差があったとすると、骨盤の歪みの影響があるかもしれないし、剣状突起の歪みかもしれないと予想できる。

・大胸筋や上肢の硬さに左右差があれば、胸骨だけでなく鎖骨にも影響します。

・肺は肋骨の内側に胸膜を介して連結し、肋骨、胸骨、横隔膜が動く事で肺が広がったり閉じたりします。つまり、歪みがあると骨の動きが悪くなり呼吸器系に影響します。

・他に、コアマッスルやディープフロントラインにも関係しますし、内臓や自律神経系にも関係しますので、興味のある方は調べてみて下さい。

 

 

 

治療では、胸肋関節、胸鎖関節に沿って硬結を探し、リリースしていきます。

注意ですが、女性にする場合は、厚めのバスタオルを置いてその上から触るか、患者様の手を調整部位に置いてその上から触るようにして下さい。