2003年12月 ウィットサンデー諸島(オーストラリア)
ウィットサンディ諸島は、オーストラリア・クィーンズランド州の東海岸、ケアンズとブリスベーンの間に位置し、 1770年にあのキャプテン・クックによって発見された。唯一ジェット機が発着できるハミルトン島 をはじめ、リンデマン島、ヘイマン島、ディドリーム島、サウスモール島などの74の島からなる。 また、ホワイトヘブンビーチは美しいビーチの代名詞にもなっているほど有名である。 ウィットサンディ諸島は、オーストラリアの中でも屈指のクルージングゲレンデを擁し、 ヨットマンなら一度は行ってみたいところだ。操船クルー付きヨットもあるが、 ヨットの操船経験がある方ならヨットのみをレンタルするベアボートがお薦め。 2009年には、州観光公社がハミルトン島の”島の管理人”を世界に公募、なんと34,684人が応募したとのこと。 最終的にイギリス人に決定。7月から同島に半年間滞在し、ブログで現地の魅力をPRするのが仕事。 報酬はなんと15万豪州$(約1050万円)、世界で一番おいしい仕事とのことで人気があった。12月21日に成田を出発し、グレートバリアリーフ下側に位置するウィットサンディ諸島へ。 出発メンバーは家内含め4人。飛行機はケアンズ迄。後はレンタカーで650km南下。 途中はサトウキビ/バナナ/マンゴー農園などを見ながらヒタスラ走る。昼食はスーパーで。 やっと、ハミルトン島行きフェリー乗場のシュートハーバーへ到着。レンタカーは乗り捨てる。 15:45発のフェリーになんとかギリギリに間に合って乗船。ホッとし、デッキで乾杯。 海の色はコバルトブルー、左右にきれいな島々が二重、三重に。う~ん、最高!今回はシドニー在住の先輩と、2日遅れで合流する後輩の全員6人でのツアー。 30分でフェリーはハミルトンハーバーに到着。きれいな、ゆったりとしたハーバーだ。 既にシドニーから来ている先輩とまず合流。久しぶりの再開である。 早速、Moorings社に予約済みのベアボート(ベネトウ36.3フィート)を見に行く。 TORNADOに比べ居住性が数段に良く、TORNADOより5フィート(1.5m)長い。 バウとクォーターバースに2人×3ヶ所のバースとメインキャビン、6人でユッタリできるスペース。6日間のクルージングでチャーター料は3400AS㌦。ホテル代とほぼ同じぐらいかな。 ほかに、6日分の食料、飲料水などを事前に積み込んでおいてもらっている。 日本からも、米、カップメン、餅、海苔、おかか、梅などの和食材をはじめ、 しょう油などの調味料、さらには鍋などの調理器具まで持って来ている。 夕食後、コックピットでビールやジンを飲みながら夜遅くまで明日からのクルージング話。 星空がきれいだ。ときどき流れ星が見える。12月23日 Moorings社スタッフからクルージング海域、艤装方法などの諸注意を受ける。 軽い昼食を済ませ、いよいよクルージングに出発、ハーバーを出航。んんんん? あれ?港の出口にある緑ブイが左側にある!日本と反対だ!南半球だから? 静かだ!コバルト色の海がきれい!快適なクルージング! 少し風弱く、のんびり遠くの景色を見ながら機走したり、帆走したり。ハミルトン島を出て、330°~0°(ほぼ北進)で走っている。 時々、同じくらいのクルーザーに出会う。お互い手を振って挨拶。 5人でワインを飲みながら昔話。懐かしいインカレや、荒崎の合宿所のこと。 家内が生まれて初めて操縦、舵輪を握る。けっこう風をつかんでいる! 海図を見ながら約4時間ほどのクルージングで、NARA INRET(入江)に入る。 16:30に停泊場所を決めアンカリング。電動だから楽だ。今日はここで一泊。早速、Moorings社に無線を入れて(義務)、停泊地を連絡する。 今晩の夕食は、家内が食当(食事当番のこと)。 てんぷら/和風ピザ/その他あれこれ食べながら、飲みながら至福の時。 暗くなり、昨日にも増して星がたくさん見える。きれいだ! ハワイ島のマウナケア山頂から見る星と同じくらいきれいかなぁ。 南十字星が南東方向の低い角度に見える、天の川も。 真っ暗な海には夜光虫が光っている。12月24日9:00 NARA INRETからNorth Molleの北を回航し、ハミルトン島へ戻る。 今日の午後に6人目の後輩が合流するからだ。 彼は仕事の都合で今日、関西空港からブリスベーン経由で来るとのこと。 今日はクリスマス・イブなので町中はにぎやかだ。 短パン、Tシャツでクリスマスを迎えるというのもおもしろい。 レストラン、スーパーの店員もみんなサンタの服装をして、汗をかいている。 夕食後、ヨットクラブのバーラウンジで現地の?ヨットマンと大騒ぎをして飲む。昨晩の夕食はバーベキューだった。スターンのパルピットにセットが常設されている。 牛肉、エビなどを中心に、ピーマン、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンなどを焼く。 食当は後輩。一番若いから仕方がない。ヨット部のしきたりだもの。 11月25日、9:00出航。順風なので帆走。メインもジブもファーラーなのでいたって楽だ。 向かうはあこがれのホワイトヘブンビーチ。遠く右舷にリンデマン島が見える。 帆走中に海亀に出会う。1mぐらいか。すぐ潜ってしまった。ここで食事のことを紹介。 なにせボリュームがあるので、Moorings社には6人×2日分の食料を頼んでおいた。 肉類、パン、野菜、飲物(ジュース/牛乳/コーヒー)、お菓子、果物、クッキー、酒など。 日本からの食材も含め、充分過ぎるくらいの量だった。 今日の昼食は写真のとおり、サーモン、サラミ、クッキー、タマネギにおかか、野菜など。 食当は家内が50%担当。後輩が30%、あとは4人で暇な人が適当に。12月25日 12:00頃、ホワイトヘブンビーチに到着。 海側から見るホワイトヘブンは壮観である。約7マイルのビーチだという。 テンダーでほとんど人のいないビーチに上陸してみる。 砂糖のような真っ白な砂がズーッと続く。まさにホワイトヘブンだ。 シュノーケリングで海中を見ると小さい魚がたくさん泳いでいる。 我々のすぐ近くには超大型クルーザー(というより客船だ)が2ハイ停泊している。 70フィートもあろうか。40~50人も乗っている、ヨーロッパから来た大富豪かな?クルーザーには、オーストラリア、日本の国旗、一番下は理大ヨット部の部旗。 シュノーケル、足ヒレを使って、しばしの海中散歩。船にあがればビールを開け、乾杯。 15:30 去りがたい気持ちを抑え、今日の停泊予定のMACONA INRETに向かう。 亀が何度も顔を出す。イルカか鯨か、3~4mぐらいの魚影も船のすぐ近くに。 沖にはさっきのでっかいクルーザーがスピンランで併走している。イギリスに帰るのか。 くやしいかな、簡単に追い抜いていきやがった。17:30 MACONA INRETに入る。かなりのクルーザーが停泊している。 我々は入り江の一番奥まで進んでアンカリングをする。 かなり浅く、近くにはたくさんの珊瑚礁がクッキリと見える。 夜21:00頃、艇の右舷に5mぐらいの大きな魚影が夜光虫で光っている。 ザァー、ブシューッ!と潮を吹いた。たぶん鯨だろう。おおおぉっ! ゆっくりと泳いでいる。空には星雲(スバル星団)が。神秘的な世界だ。12月26日 出航する前に入り江を探索してみよう、とテンダーで岸に行ってみる。 マングローブや珊瑚の周りには、小魚がいっぱい泳いでいる。 あっ!50cmぐらいのエイがいる。1.5mぐらいのマンタも!すげぇ! 9:35 アンカーを揚げてハミルトン島へ向かう。そろそろ仕事モードになってきたのか 友達と家内は、日本と携帯でやりとりしはじめている。 14:30 ハミルトンハーバーに到着し、後片付け。 ハミルトン島の最後の夜なので、6人でシーフードレストランで豪華に打ち上げ。 艇に戻り、残っているビール、ワイン、焼酎、ジン、ウォッカなどを飲み交わす。12月27日 最終日の明け方30分ぐらい、スコールのお土産を貰った。 ハッチを開けっ放しだったので飛び起きて、みんながハッチを閉めていた。 帰国は、3人組(我々夫婦と先輩)が、ハミルトン空港→ケアンズ→成田へ。 2人組が、ハミルトン島からフェリーでシュートハーバー→ケアンズ(一泊)→成田へ。 シドニー在住の先輩は、午後の便で、ハミルトン空港→シドニーへ。 自分たちの行きたい所へ、気の向くままセーリングしたり、機走したり、 アンカリングして泳いだりの、気ままな素晴しいクルージング・ツアーでした。