本日の「”現存三重櫓”を色々な方向から顔・姿を見る」は、「熊本城(熊本県熊本市)に現存している三重櫓で重文の「宇土(うと)櫓」をお届けします。

 

第六弾「”現存三重櫓”を色々な方向から顔・姿を見る」の総編

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第六弾「弘前城 丑寅櫓・辰巳櫓・未申櫓」

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第六弾「江戸城富士見櫓」

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第六弾「名古屋城清洲櫓(西北隅櫓)」

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第六弾「彦根城西の丸三重櫓」

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第六弾「明石城巽櫓・坤櫓」

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第六弾「福山城伏見櫓」

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第六弾「高松城月見(着見)櫓」

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第六弾「高松城艮櫓」

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2016年4月の”熊本大地震”によって「熊本城」は大きな被害を受け、「天守」群は崩落を免れたものの損傷が激しかったり、多くの櫓や土塀等が倒壊したり、石垣の損傷などがあり、復興には20数年を要すると言われています。

 

その中で、本日お届けする三重櫓で重文の「宇土櫓」は、壁面の一部に剥がれがあるものの姿形は往時の様相を維持しているように見えます。ただ、櫓台の積み直しを検討されているという話も聞きますので、見えない部分の損傷があるのかもしれません。

 

さてこの「宇土櫓」は、三重(三層)ですが、内部は五階となっていますし、「宇土櫓」には「古外様多聞櫓」に続き「二階櫓」(いずれも震災で倒壊したので現在は撤去されています)が連結していて、まるで「連結式天守」のように見えますので、「熊本城」内では第三の「天守」と言われています。

 

「宇土」の名前の由来は、同県内の宇土市にある「宇土城」の「天守」を移築したとの謂れがあります。

 

当櫓の特徴は、最上階に”廻縁”を持つ”望楼型”で初層に二層の望楼が乗っかった形で、入母屋破風と千鳥破風ともに、反りがない”起(むくり)破風”が採用されている極めて珍しい屋根です。

 

壁面は、”下見板張り”、窓は壁面と破風内にも設けていますが、いずれも付上げ棒で開閉する”付上げ窓”という古い形式を採り入れています。

 

「熊本城」には、”三層五階”の櫓が全部で五基(※)あったことが絵図で確認されていますが、それからしても、「大坂城」「名古屋城」とともに、日本三名城に数えられるほどの大城郭であったことが解ります。因みに、「大坂城」の本丸周囲に林立していた「三重櫓」10基と「伏見櫓」の計11基は全て”三層三階”でした。

(※)宇土櫓、飯田丸五階櫓、竹の丸五階櫓、数寄屋丸五階櫓、裏五階櫓、本丸東五階櫓

 

・三層五階地下一階、望楼型、下見板張り、北東・北西隅に石落とし、最上階に廻縁付き

・入母屋破風と千鳥破風は直線的な”起(むくり)破風”

 

下記写真では、震災前と震災後の両方の「宇土櫓」を掲載しています。

 

震災前、「平左衛門丸」南東側から、左は「古外様多聞櫓」が連結

震災前、南面で望楼型が良くわかる、左は「古外様多聞櫓」が連結

震災前、南面を見上げる、直線の「起(むくり)破風」、最上階に「廻縁」

震災前、西側から「宇土櫓」とそれに繋がる「古外様多聞櫓」「二階櫓」

震災前、西側から「宇土櫓「古外様多聞櫓」「二階櫓」、奥には「大小天守群」

震災前、北西隅

震災前、大天守から東面と南面を見下ろす

震災後、北東隅、壁面に剥落が見える

震災後、西面

震災後、北東隅(右側の「古外様多聞櫓」等が撤去されている)

 

以上で、「現存三重櫓」は全てお届けしましたが、次回のブログでは番外編として、御殿併設の「御三階」と呼ばれる「御亭(おちん)」を紹介したいと思います。

 

 

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