AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -218ページ目

#7


『……留守番電話サービスに接続します。ピーという発信音のあとにメッセージを…』

ピッ

「おっかしいなー。前田軍団のやつら、全然つながんねー。前田、大丈夫かなー?」

アンダーガールズ新宿本部ビル前のネズミは、再びケータイをコールし続けるのだった。



#7 『闘いの連鎖!迷宮の少女』 終

#7

「五分…経ったぜ」

アカネが、壁の時計を見やって言った。

モニターを凝視し続けるマサナ。
何かに気づいたようだ。
前田の身体が、ぴくりと動いた。

ゆっくりと立ち上がる前田。

「素晴らしい…」

マサナは、思わず、つぶやきをもらした。

「こんな短時間であの強力催眠を破るとはねー」
アカネも感嘆する。

「さて、これからが楽しみですね」

ふふふ、と妖しい笑みを、マサナは浮かべていた。

「まあな。前田の精神力が、果たして、もつかな」



二階ではー

暗闇の世界から抜け出した前田が、カナと対峙していた。カナはひとりになっていた。

(やっぱり、幻覚か…)
カナは、どこか悲しそうな瞳をたたえていた。

「あなた…本当は、こういうことしたくないんじゃ…?」

「……」

「あなたからは、敵意が感じられない。だから、早く扉を開けて」

「うるさーい!」

うるさいうるさい、と駄々をこねるカナ。

出口の扉が消えた。

「やるしか…ないか」

カナは、再び、二人になっていた。
さらに、また、ひとり。
「もきゅ」「もきゅ」「もきゅ」


カナが三人に。

「もきゅもきゅ、うるせーんだよ!」

目の前のテーブルを蹴り倒す前田。ティーカップが砕け散る。

前田の攻撃は、相変わらず、カナの身体をすりぬけるのみであった。

「はあ…はあ…」

足がもつれて、倒れ込む前田。

「さ、寒い…」

前田は、急に寒気を感じた。身体の周りに、吹雪が。

「これも…幻覚か…」

「寒い?」「寒い?」「寒い?」


極寒の寒さを体感する前田だった。

「寒そうだから、あったかくしてあげるね。もきゅ」「もきゅ」「もきゅ」

極寒の次は、灼熱地獄だった。

「ぐああああああ」

前田は、断末魔の叫びをあげた。

#7

(ここは…どこなんだろう?)

前田の周囲に存在するものは、闇、闇、闇、闇だけだった。

どれだけ、歩いても、全く光のない世界。

(わたし…何してたんだっけ?)

とぼとぼと、行くあてもなく彷徨う前田。
かなり、歩いたところでー

(もういいや…疲れた…な)

ついには、腰を下ろし、しゃがみこんでしまった。

(眠くなってきた…)


そのとき、遠くのほうで、かすかに声が聞こえた。誰かを呼ぶ声。

(ん…?わたしのこと?)

その声は、ひとつではなかった。
そして、呼んでいるのは、間違いなくー


『あつ姐ー!』

『前田!』

『前田の姉貴ー!』

『敦子!』

聞き覚えのある声。

『あつねえええええ!』

(この声は、だるまか…何回も呼ぶんじゃねえよ。ふっ)

笑う感覚を取り戻した前田。

(みんな…)

ふと
闇の彼方に、かすかな光が見えた。

その光に向かって、前田は自然と歩き出していた。

ちから強く。