#7
『……留守番電話サービスに接続します。ピーという発信音のあとにメッセージを…』
ピッ
「おっかしいなー。前田軍団のやつら、全然つながんねー。前田、大丈夫かなー?」
アンダーガールズ新宿本部ビル前のネズミは、再びケータイをコールし続けるのだった。
#7 『闘いの連鎖!迷宮の少女』 終
#7
「五分…経ったぜ」
アカネが、壁の時計を見やって言った。
モニターを凝視し続けるマサナ。
何かに気づいたようだ。
前田の身体が、ぴくりと動いた。
ゆっくりと立ち上がる前田。
「素晴らしい…」
マサナは、思わず、つぶやきをもらした。
「こんな短時間であの強力催眠を破るとはねー」
アカネも感嘆する。
「さて、これからが楽しみですね」
ふふふ、と妖しい笑みを、マサナは浮かべていた。
「まあな。前田の精神力が、果たして、もつかな」
二階ではー
暗闇の世界から抜け出した前田が、カナと対峙していた。カナはひとりになっていた。
(やっぱり、幻覚か…)
カナは、どこか悲しそうな瞳をたたえていた。
「あなた…本当は、こういうことしたくないんじゃ…?」
「……」
「あなたからは、敵意が感じられない。だから、早く扉を開けて」
「うるさーい!」
うるさいうるさい、と駄々をこねるカナ。
出口の扉が消えた。
「やるしか…ないか」
カナは、再び、二人になっていた。
さらに、また、ひとり。
「もきゅ」「もきゅ」「もきゅ」
カナが三人に。
「もきゅもきゅ、うるせーんだよ!」
目の前のテーブルを蹴り倒す前田。ティーカップが砕け散る。
前田の攻撃は、相変わらず、カナの身体をすりぬけるのみであった。
「はあ…はあ…」
足がもつれて、倒れ込む前田。
「さ、寒い…」
前田は、急に寒気を感じた。身体の周りに、吹雪が。
「これも…幻覚か…」
「寒い?」「寒い?」「寒い?」
極寒の寒さを体感する前田だった。
「寒そうだから、あったかくしてあげるね。もきゅ」「もきゅ」「もきゅ」
極寒の次は、灼熱地獄だった。
「ぐああああああ」
前田は、断末魔の叫びをあげた。
アカネが、壁の時計を見やって言った。
モニターを凝視し続けるマサナ。
何かに気づいたようだ。
前田の身体が、ぴくりと動いた。
ゆっくりと立ち上がる前田。
「素晴らしい…」
マサナは、思わず、つぶやきをもらした。
「こんな短時間であの強力催眠を破るとはねー」
アカネも感嘆する。
「さて、これからが楽しみですね」
ふふふ、と妖しい笑みを、マサナは浮かべていた。
「まあな。前田の精神力が、果たして、もつかな」
二階ではー
暗闇の世界から抜け出した前田が、カナと対峙していた。カナはひとりになっていた。
(やっぱり、幻覚か…)
カナは、どこか悲しそうな瞳をたたえていた。
「あなた…本当は、こういうことしたくないんじゃ…?」
「……」
「あなたからは、敵意が感じられない。だから、早く扉を開けて」
「うるさーい!」
うるさいうるさい、と駄々をこねるカナ。
出口の扉が消えた。
「やるしか…ないか」
カナは、再び、二人になっていた。
さらに、また、ひとり。
「もきゅ」「もきゅ」「もきゅ」
カナが三人に。
「もきゅもきゅ、うるせーんだよ!」
目の前のテーブルを蹴り倒す前田。ティーカップが砕け散る。
前田の攻撃は、相変わらず、カナの身体をすりぬけるのみであった。
「はあ…はあ…」
足がもつれて、倒れ込む前田。
「さ、寒い…」
前田は、急に寒気を感じた。身体の周りに、吹雪が。
「これも…幻覚か…」
「寒い?」「寒い?」「寒い?」
極寒の寒さを体感する前田だった。
「寒そうだから、あったかくしてあげるね。もきゅ」「もきゅ」「もきゅ」
極寒の次は、灼熱地獄だった。
「ぐああああああ」
前田は、断末魔の叫びをあげた。
#7
(ここは…どこなんだろう?)
前田の周囲に存在するものは、闇、闇、闇、闇だけだった。
どれだけ、歩いても、全く光のない世界。
(わたし…何してたんだっけ?)
とぼとぼと、行くあてもなく彷徨う前田。
かなり、歩いたところでー
(もういいや…疲れた…な)
ついには、腰を下ろし、しゃがみこんでしまった。
(眠くなってきた…)
そのとき、遠くのほうで、かすかに声が聞こえた。誰かを呼ぶ声。
(ん…?わたしのこと?)
その声は、ひとつではなかった。
そして、呼んでいるのは、間違いなくー
『あつ姐ー!』
『前田!』
『前田の姉貴ー!』
『敦子!』
聞き覚えのある声。
『あつねえええええ!』
(この声は、だるまか…何回も呼ぶんじゃねえよ。ふっ)
笑う感覚を取り戻した前田。
(みんな…)
ふと
闇の彼方に、かすかな光が見えた。
その光に向かって、前田は自然と歩き出していた。
ちから強く。
前田の周囲に存在するものは、闇、闇、闇、闇だけだった。
どれだけ、歩いても、全く光のない世界。
(わたし…何してたんだっけ?)
とぼとぼと、行くあてもなく彷徨う前田。
かなり、歩いたところでー
(もういいや…疲れた…な)
ついには、腰を下ろし、しゃがみこんでしまった。
(眠くなってきた…)
そのとき、遠くのほうで、かすかに声が聞こえた。誰かを呼ぶ声。
(ん…?わたしのこと?)
その声は、ひとつではなかった。
そして、呼んでいるのは、間違いなくー
『あつ姐ー!』
『前田!』
『前田の姉貴ー!』
『敦子!』
聞き覚えのある声。
『あつねえええええ!』
(この声は、だるまか…何回も呼ぶんじゃねえよ。ふっ)
笑う感覚を取り戻した前田。
(みんな…)
ふと
闇の彼方に、かすかな光が見えた。
その光に向かって、前田は自然と歩き出していた。
ちから強く。