#7
「萌え萌えきゅんきゅん、おいしくなーれ」
ここは、池袋にあるメイド喫茶『どりーみん』
メイドさんが、
お約束のおいしくなる呪文を、オムライスに注入していた。
「オトちゃん、サイコー!」
と、上機嫌なのは、チームホルモンのリーダー、ヲタだった。
オトちゃん、とは、ヲタが推しているメイドさんの名前らしい。
ヲタは、よくここを訪れているようだ。
と、そこへ、
「おい!ヲタ、こんなとこにいたのかよ!探したぜ!」
バンジーが息を切らして駆け込んできた。
「これも一種の社会勉強だ。で、どうしたんだ?」
バンジーが、ヲタに耳打ちする。
「なにっ!マジかよ?」
ヲタが、勢いよく立ち上がる。
「みんな、待ってるぜ」バンジーが、促す。
ヲタは、オムライスに、一口も手をつけずに、飛び出した。
メイド喫茶の出口には、ウナギ、アキチャ、ムクチが待っていた。
五人が揃ったところで、
「お前ら、気合い入れていくぞ!黙って、ついてこいや!」
と、先頭を切って歩きはじめた者がいた。
ムクチだった。
残された四人は、驚いた様子で、顔を見合わせる。
それに、気づいたムクチは振り返って、微笑んだ。
ニッコリと。
ここは、池袋にあるメイド喫茶『どりーみん』
メイドさんが、
お約束のおいしくなる呪文を、オムライスに注入していた。
「オトちゃん、サイコー!」
と、上機嫌なのは、チームホルモンのリーダー、ヲタだった。
オトちゃん、とは、ヲタが推しているメイドさんの名前らしい。
ヲタは、よくここを訪れているようだ。
と、そこへ、
「おい!ヲタ、こんなとこにいたのかよ!探したぜ!」
バンジーが息を切らして駆け込んできた。
「これも一種の社会勉強だ。で、どうしたんだ?」
バンジーが、ヲタに耳打ちする。
「なにっ!マジかよ?」
ヲタが、勢いよく立ち上がる。
「みんな、待ってるぜ」バンジーが、促す。
ヲタは、オムライスに、一口も手をつけずに、飛び出した。
メイド喫茶の出口には、ウナギ、アキチャ、ムクチが待っていた。
五人が揃ったところで、
「お前ら、気合い入れていくぞ!黙って、ついてこいや!」
と、先頭を切って歩きはじめた者がいた。
ムクチだった。
残された四人は、驚いた様子で、顔を見合わせる。
それに、気づいたムクチは振り返って、微笑んだ。
ニッコリと。
#7
「おお、前田が勝ちやがった!これは、番狂わせだな」
鉄人ニシナカも不甲斐ねーなと、部下の失態を嘆きつつ、アカネは、モニターから、マサナに目を移すと
マサナは、意外にも微笑んでいた。
「なんか、嬉しそうだな」
アカネの皮肉とも取れる発言に、取り立てて、リアクションを示さないマサナだった。
何を考えているのか、読み取れない。
アカネは、モニターに目線を戻した。
二階の部屋の扉を、前田が開くところだった。
「二階は、見方によっちゃ、前田にとって、一番やっかいな相手かもな」
アカネは不吉な予言めいた言葉をもらした。
ガチャリ
室内は、一階とは、まるで違い、明るく華やかな内装であった。白とピンクでかわいらしく彩られた壁、床、調度品の数々。アロマオイルの香りがたちこめている。
円形のテーブルには、ハーブティーの入ったティーカップがふたつ。
席には、メイド服を身にまとった少女がひとり。
少女は
前田の存在に気づいて、こう言った。
「いらっしゃいませ。お嬢様。もきゅ」
鉄人ニシナカも不甲斐ねーなと、部下の失態を嘆きつつ、アカネは、モニターから、マサナに目を移すと
マサナは、意外にも微笑んでいた。
「なんか、嬉しそうだな」
アカネの皮肉とも取れる発言に、取り立てて、リアクションを示さないマサナだった。
何を考えているのか、読み取れない。
アカネは、モニターに目線を戻した。
二階の部屋の扉を、前田が開くところだった。
「二階は、見方によっちゃ、前田にとって、一番やっかいな相手かもな」
アカネは不吉な予言めいた言葉をもらした。
ガチャリ
室内は、一階とは、まるで違い、明るく華やかな内装であった。白とピンクでかわいらしく彩られた壁、床、調度品の数々。アロマオイルの香りがたちこめている。
円形のテーブルには、ハーブティーの入ったティーカップがふたつ。
席には、メイド服を身にまとった少女がひとり。
少女は
前田の存在に気づいて、こう言った。
「いらっしゃいませ。お嬢様。もきゅ」
#7
「もう、遊びは終わりだ」
前田の猛攻を受けるだけ受けたニシナカは、今度は自分のターンと言わんばかりに、反撃に転じてきた。
太い腕を縦横無尽に振り回すニシナカ。
前田は、スレスレで、その腕をかわす。しかし、次第に、攻撃は、髪や制服をかすめはじめる。
(やられる)
前田の両腕のブロックの上から、棍棒のような腕が直撃し、前田は、コンクリートの壁まで、吹き飛ばされた。
「ぐはっ」
したたかに、背中を打ちつけられた前田。
壁を背にした前田に、容赦のない攻撃が、ブロックの上から、繰り返される。ブロックしている腕が折れてしまいそうだ。
そんななか、
前田は、サドとの対決を思い出していた。ラッパッパ部室、奥の間での決闘を。
(イチかバチか…)
ニシナカが、とどめとばかりに、太い腕を振りかぶる。
その瞬間を前田は、見のがさなかった。
前田は、ニシナカの打ち下ろしのパンチの勢いを利用して、パンチが届くより速く、右のパンチをニシナカの顔面に炸裂させた。
一瞬の交錯。
クロスカウンターだ。
ニシナカのパンチの衝撃が、前田のパンチの衝撃に加わり、ニシナカの顔面を貫いた。
ニシナカのパンチは、前田の頬をかすめていた。
お互いの動きが止まる。
ゆっくりと、巨木が倒れるように、ニシナカは後ろに傾き、ついに、崩れ落ちた。
そして、
そのまま、起き上がってくることはなかった。
「はあ…はあ…、サドさんのマジのほうが…すごかったぜ」
前田は、この階に生徒会長がいないのを確認し、二階へ急ぐのだった。
前田の猛攻を受けるだけ受けたニシナカは、今度は自分のターンと言わんばかりに、反撃に転じてきた。
太い腕を縦横無尽に振り回すニシナカ。
前田は、スレスレで、その腕をかわす。しかし、次第に、攻撃は、髪や制服をかすめはじめる。
(やられる)
前田の両腕のブロックの上から、棍棒のような腕が直撃し、前田は、コンクリートの壁まで、吹き飛ばされた。
「ぐはっ」
したたかに、背中を打ちつけられた前田。
壁を背にした前田に、容赦のない攻撃が、ブロックの上から、繰り返される。ブロックしている腕が折れてしまいそうだ。
そんななか、
前田は、サドとの対決を思い出していた。ラッパッパ部室、奥の間での決闘を。
(イチかバチか…)
ニシナカが、とどめとばかりに、太い腕を振りかぶる。
その瞬間を前田は、見のがさなかった。
前田は、ニシナカの打ち下ろしのパンチの勢いを利用して、パンチが届くより速く、右のパンチをニシナカの顔面に炸裂させた。
一瞬の交錯。
クロスカウンターだ。
ニシナカのパンチの衝撃が、前田のパンチの衝撃に加わり、ニシナカの顔面を貫いた。
ニシナカのパンチは、前田の頬をかすめていた。
お互いの動きが止まる。
ゆっくりと、巨木が倒れるように、ニシナカは後ろに傾き、ついに、崩れ落ちた。
そして、
そのまま、起き上がってくることはなかった。
「はあ…はあ…、サドさんのマジのほうが…すごかったぜ」
前田は、この階に生徒会長がいないのを確認し、二階へ急ぐのだった。