AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -222ページ目

#6

「案の定か。ちょっとは期待したんだがな」

高柳アカネが、興醒めしたように言った。


アンダーガールズ総本部司令室にある一階を映し出すモニターには、親衛隊十人衆のニシナカが、監視カメラに向かって、両手を挙げ、ガッツポーズをしている。

コンクリートの床には、口から血を流し、うつ伏せに倒れている前田の姿があった。

「ゲームオーバーですね」

大矢マサナが冷たくつぶやいた。

#6

地面に、仰向けに倒れているアルファ。

傍らで、その姿を見下ろすブラック。


「はあ、はあ、なぜ…スピードでは、先輩を上回っていたのに…」

「速いだけでは、ケンカには勝てない。いかに、そのスピードをもってして、相手の死角に入ることができるかが重要なんだ。それに、お前の動きは直線的すぎた。まだまだだな」

「やっぱり…先輩には…かないません…ね」


二人の間に、もはや戦意などなかった。


「本当は…兄のことで、先輩を恨んだことはありませんでした。あれは、事故だったんですから…でも、先輩が、あの事故以来、ふさぎ込んでしまったのが…許せませんでした。また、二人で暴れまわったあの頃の先輩に、戻ってほしかったんです」

「阿部…」

「兄も、元気な先輩が好きだって言ってました。あの事故のあと、私たちは父の転勤で引っ越してしまいましたが、兄は、先輩に笑顔で会うために、必死でリハビリしてました。いまでは、もう、すっかり…。ですから、先輩!もう立ち止まらないでください!」

「そうか…すまない…」
ブラックの
目から、ひとすじの涙がこぼれ落ちた。

「先輩…」

「私は、四年間、お前にずっと赦しを求めていたのかもしれない…」

ブラックの懺悔の思いを聞き、
アルファは、流れ出る涙を拭いもせず、泣き続けた。

(阿部…お前のこと…ずっと、妹のように想っていたよ。そして、お前の名前が、好きだった…)

アルファを、見つめるブラックの慈愛に満ちた表情は、まるで聖母のようであった。

#6

アルファの鋭く速い攻撃は、続いていた。

その手刀攻撃を受けながら、ブラックは、後輩の成長ぶりを感じ、なぜか、嬉しそうだった。

「余裕のつもりか?」

ブラックの表情に苛立つアルファは、
さらに、スピードを上げた。

「消えた」
サドには、
完全に、その場からアルファの存在が消え失せたかのように思えた。

次の刹那ー

ブラックの背後に突如、アルファの手刀があらわれた。

(もらった!)

完全に、アルファの攻撃が決まったかに見えた。
しかし、ブラックは、首を左に傾け、右の手で、アルファの手刀を掴んでいた。

「な、なぜ?」

自分の攻撃は確実に決まっていたはずなのにー。
戸惑うアルファの手を、あっさりと離すブラック。

「ま、まぐれだ!」

「そう思うのなら、もう一度、来い!」

言うやいなや、アルファは、再度、姿を消した。

と、同時にブラックの姿も消えた。


空気を切り裂く音だけが響く。数合、いや数十合、目にもとまらぬ速さで、激しく撃ち合う二人。


そして、
両者が、再び、その場に姿をあらわしたとき、勝負はすでに決していた。