マジすか学園2☆ #8
「幻覚地獄にハマっちまってるな、こりゃ」
モニターで、前田が、のたうちまわる光景を眺めているアカネ。
「幻覚とはいえ、前田にとってみれば、まぎれもない現実。どこまで、耐えられるでしょうか。下手をすれば廃人…」
「たしか、こんな実験があったなー」
目隠しをされた被験者に、ただの棒きれを、熱した鉄棒だと思いこませ、肌に当てると、その箇所に火傷したような跡ができたとー
「ええ、まだまだ人間には解明されていない現象がいろいろあるようですね。十人衆もそうですが、前田も良い研究材料になりそうだったのですが」
「けっ!マッドサイエンティストが」
冷徹なマサナに対して、吐き捨てるように、アカネは言った。
「うあああああ!」
灼熱地獄を、のたうちまわる前田。
七転八倒を繰り返し、ついには、動きがなくなった。
この部屋は、カナが敵に対し、催眠をかけやすいように、視覚、嗅覚、聴覚、を惑わせるような仕掛けが施されていた。
そのため、相手に幻覚を見せるなど、最大限の能力を発揮することができていた。
カナの憂いを帯びた瞳が、動かなくなった前田を映している。
(きっと、また、このひとは、立ち上がってくる。何度でも)
カナは、自分の考えが予想ではなく、事実だと思えた。
ほどなく、それは、現実となった。
「マジ女を…マジ女をナメる…な……マジ女は、いつだってマジなんだよ!」
右の拳を握りしめ、雄々しく立ち上がる前田。右の拳から、鮮血が、したたっていた。
(このひとは、強い…勝てない…)
まっすぐ、前田が、カナの本体に向かって、歩み寄る。
そしてー
バシっ!
前田の左手の張り手。
カナは、壁まで吹き飛んだ。
震える手で、自分の頬を押さえる。
「マジに生きるってのはな、痛みを伴うものなんだ」
前田は、カナに諭すように言った。