AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -213ページ目

#9

わたしは彷徨う

あのひとのいない世界をー


大都会東京。

眠らない街

新宿ー

夜になっても、昼と変わらない明るさ、そして、それ以上の華やかさを撒き散らす。

でも、わたしにとっては、あのひとのいない世界など、闇に等しい。


わたしは、今日も、彷徨う。回遊魚のように

あのひとをさがしてー

いるはずのない、あのひとをー


あのひとに、言いたかったことは、ただひとつー


『ねえ…怒ってる?』



連夜のように、新宿の街を、彷徨い歩くひとりの少女。


人混みのなか、センスの良いロック調のファッションと、眉目秀麗な顔立ちは、行き交う人々を振り向かせた。


ただ、表情は乏しく、圧倒的に近寄りがたいオーラも醸し出していた。


そんななか、大きめのサングラスをかけたスーパーモデルのようにスタイル抜群の女性が近づいてきた。ゆるふわカールのヘアスタイル、モノトーンのジャケットに、ミニスカート、赤いパンプスが印象的だった。

女性が、おもむろに
少女に声をかける。

素通りしようとする少女に、ふたたび、声をかけ、自分のケータイを手渡した。

少女が、ケータイを耳に当てる。


少女の表情が一変した。

#9

ガッシャーン

と、天井の照明に何かが激突した。
白煙とともに、パラパラと蛍光灯のガラスの破片が、降り注ぐ。

その真下ー
三階のフロアに存在するものは、前田敦子、ただひとりであった。左の拳が、真っ直ぐ、天に伸びていた。閉じられた双眸。

天井に激突したのは、親衛隊十人衆、木本カノンだった。重力を無視したかのように、天井にはりついたままである。


ほどなく、白衣をまとった救護班が到着した。
救護班というのは、アンダーガールズの隊員ではなく、組織の系列病院のれっきとした医療従事者である。デスゲームが行われる際は、緊急配備される。

前田に群がる救護班。

「わたしは…大丈夫…あの子を…お願い…」

そう言うと、前田は、部屋を出ようとした。

「ちょっと待ちなさい!そんな体でどこへ行くの!?」

白衣の女性が、強い口調で咎めた。


「仲間が…待ってるから…」

その言葉を残し、前田は重い体を引きずるように、部屋を後にした。





「…前田のほうが、カノンより、底が深かったってことか」

ビルの最上階の司令室では、アカネが、自分自身を納得させるように、ひとりごちた。

「いったい、何が起こったのか私にはわかりませんでした…あなたには、見えましたか?」

「いや、尋常じゃないスピードの上、インパクトの瞬間、カノンのからだがカメラの死角になって、はっきりとは見えなかったが、おそらく…左、だろうな…」

驚きを隠せないマサナの問いに、アカネが口惜しげに答えた。

「そうですか…まさしく起死回生の一撃…」


「幻の左…か」

#9

アンダーガールズ新宿本部ビル前ー

前田が、建物内に入って、すでに二時間が経過しようとしていた。
夜も深まってきた。

入り口には、見張り役であろう紫の特攻服のアンダーガールズ隊員が数人、目を光らせていた。

少し、離れた場所から、入り口を眺めるピンクのフードをかぶった少女。
「てか、あいつら、おっせーな!もう、前田、やられちまってるかなー。このネズミ様は、肉体労働は専門じゃねーから…」

と、そこへ


「待たせたな!」

「おお!待ってましたー!チームホルモンのみなさん」

颯爽と
ヲタを先頭に、バンジー、アキチャ、ウナギ、ムクチの面々が到着した。いつもの緑の上下のジャージが、新宿の街に、この上なく、そぐわない。

「すまねーな。ヲタのやつが、なかなかつかまらなくてな」

と、バンジー。

「至福の時間だったんだぜ。そんなことより、生徒会長を助けに、前田がひとりで、敵の本部に乗り込んだってのは、本当か?」

「本当っす!この目で見たんスから。あと、だるま達には、連絡とれなかったんで、もしかしたら…」

「なるほど。しっかり、見張りがいやがるな」

アキチャが、入り口を見やる。

「とは言っても、やるしかねーだろ」

そう言って、ウナギは全員の顔を見回した。


ひとり…足りない…


いつの間にか、ムクチが、単身、本部ビルの入り口に向かって歩いていた。


「おい!なんだ、てめえ!ジャージなんか着やがって」

さっそく
アンダーガールズの見張りのひとりに、因縁をつけられる。

ムクチは、ニコッと微笑んだかと思うと、見張りの隊員の顔に、右拳をめり込ませていた。
崩れ落ちる隊員。

「かかってこいやー!」
気合い入りまくりのムクチだった。


その光景を遠目から見ていたヲタたちは、唖然とするしかなかった。