AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -212ページ目

#9

四階ー

鉄製の重々しい扉の前に並び立つ、前田とチームホルモン。

「さっきから、思ってたんだけど、なんか臭わないか?」

誰もが、思っていたことを、ヲタが口にした。

「ああ、なんか、腐った肉の匂いだ…」
バンジーが答えた。


「だれか、生肉持ってんのか?」
アキチャが、尋ねる。

「いや、焼いた肉だけだぜ。持ってるのは」
ウナギが言うと
うんうんと、チームホルモン全員が、さも当然という風にうなづく。

みんなが、焼いた肉を持ち歩いていることに、多少、前田は驚いた。だるまの手羽先みたいなものか。

ムクチは、笑顔でタッパーに入ったホルモン焼きを目の前に差し出していた。

「はは…あとで…ね」
と、前田は、丁重に断った。

「よし、行くぜ!」

ヲタが、リーダーらしく、リーダーっぽいしぐさで、扉を開けた。

ガチャリ


「うわっ!なんだ、この匂い!」
ヲタが、思わず、腕で鼻を覆う。
腐臭漂う室内は、照明がなく、薄暗い。
小さな天窓から差し込む星明かりだけが、頼りだ。「独房みてーだな、テレビで見た」とバンジーが言うように、コンクリートに囲まれた、味も素っ気もない部屋だった。

おそるおそる、室内に歩を進めるチームホルモンと、前田。

「ぎゃあ!」

突然、ウナギが、叫び声をあげる。何かを踏んだらしい。

「犬?」

足元には、犬の死骸のようなものが、転がっていた。血まみれで、骨が剥き出しの。暗さにまだ目が慣れないが、よく見ると、あちこちに、動物の死骸のようなものが見える。


ガチャガチャ、ガチャガチャ

部屋の奥のほうで、金属が擦れる音がする。

ガチャガチャ、ガチャガチャ


「ウガァ!ウガァァァァ!」

と、ほぼ同時に
獣の唸り声が重なり、
びくっとするチームホルモン。

部屋の隅、

暗闇に光る双眼。


ちょうど、そのとき、雲に隠れていた月が、顔を出し、室内を明るく照らし出した。


「ギャー!」


叫んだのは、ウナギだったが、心の中で思ったことは、皆、同じだった。





化け物…と。

#9

「おい!あそこに倒れてるのって、前田じゃないか?」

チームホルモンの五人は、危なげなく、入り口から、一階、二階、三階と突き進んだ。そして、四階に続く階段の踊場で力尽きて、倒れ込んでいる前田を、ヲタが真っ先に発見した。

「前田ー!」

全員が、駆け寄る。

「大丈夫か!前田?」

「水、水!あと、ホルモン食べさせるか?」

「バカか!おめーは!」
バンジー、ウナギ、アキチャが、オロオロしてる間に、ムクチが、脈を取り、水を飲ませ、全身の傷の様子を診ていた。

ムクチの意外な一面が、またひとつあらわれた。実は、医学にも精通しているのだ。応急手当てもお手のものだった。

「あ…」

前田が、ふと、目を覚ます。

「やったあ!」

小躍りして喜ぶチームホルモン。

「みんな…、どうして…?」

「細かいことはいいんだよ。入り口にいた見張りのやつぶっ飛ばして、いろいろ聞いたぜ。親衛隊十人衆って、おっそろしくヤバい奴ららしいな。よく、ひとりで三人も倒せたな」

「下っ端は、生徒会長たちがどこにいるかまでは、聞かされてないらしい。やっぱり、十人衆を倒していくしか手は、なさそうだ」

バンジーとヲタが状況を説明する。

その言葉に
前田が立ち上がる。

「みんな、ありがとう。ここからは、ひとりで行くから…」

親衛隊の恐ろしさを誰よりも、肌で感じている前田。誰も巻き込みたくはなかった。


「わたしも行く!」

ムクチが、前田のまえに立ちふさがる。

「おめえ一人に行かせるわけにはいかねえんだよ」
ヲタも、前田を心配していた。

「この先は、やっかいだぜ!」

アキチャが、階段の先を仰ぎ見る。

「道案内させてもらおうか…」

地獄の一丁目のな、とウナギ。

「つきあうぜ、チームホルモン!」

バンジーは、当たり前のように、頷いて、言った。

「みんな…」

前田の瞳には、涙があふれていた。

チームホルモンの五人は、前田のほうを見て、微笑んだ。

#9

入り口の見張りを突破し、チームホルモンの五人が、一階エントランスホールに、足を踏み入れた。

その様子は、もちろん、司令室のモニターに映し出されており、総参謀の大矢マサナの知るところとなった。
司令室には、だるま達の姿はなかった。すでに別室に移動させられていた。

「子猫が、五匹、迷い込んできたようです」

「正面の見張りは、やられたってことか。兵隊、追加しねーのか?」

現在、ビル内には、アンダーガールズ隊員100名ばかりが、待機している。不測の事態に備えて。

「そうですね…ゲームには、多少のサプライズがないと、面白味に欠けるというもの。前田も、すでに満身創痍ですし、このまま、合流するまで泳がせましょう。こういう事態は、会員様たちも織り込み済みですから」

「要は、殴り合いが見てーんだろ。お偉いさんは。乱闘より、親衛隊とのガチンコ(真剣勝負)がお好みらしい。たとえ、死人が出ても。揉み消すのなんて、簡単だろうしな」

吐き捨てるように、アカネは言う。


「次は四階ですか。四階は死階…まさに死のフロア。前田プラス五人、いやたとえ十人だとしても、突破することはできないでしょう…本当に死人が出るかもしれませんね…」

「シノブか…あいつだけは、だれにも制御(コントロール)できないからな…」





四階ー

薄暗い室内ー

ガチャガチャ、ガチャガチャ

「ウガァ!ガァ!」

ガチャガチャ、ガチャガチャ


謎の金属音と不気味な唸り声が、絶え間なく、響きわたっていた。