AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -194ページ目

#14ー5☆

九階ー


「一発当てたくらいで、調子にのっちゃって。バッカじゃないの!」

手のひらで、特攻服のホコリを払いながら、立ち上がる須田。

「何発でも…、あなたが立ち上がれなくなるまで…、打つだけです!」


「面白いジョークだね」笑いとばしながら、須田は考えていた。
こちらの動きは、見切られてるのか?まぐれ当たりだったのか?

確かめるべく
再び姿を消し、攻撃を仕掛ける須田。


数回、交錯した音が聞こえた。動きは、常人の目では捉えられない。


「なるほどね」

結果ー
須田は、マナツのスピードの迅さを認めることになった。

「須田…、もういいでしょう…。わたしは…、前田たちとの闘いを通じて、自分に恥じることのない生き方というものを教わったような気がします…。マジにはマジで応えるのが…マジだということを…」


「なんか、よくわかんないけど」

おもむろにー


「これ、なーんだ?」

須田が、銀色の鍵を、右手にちらつかせた。そして、それを、無造作にマナツに向けて、高々と投げ上げた。

「十階の鍵…?」

マナツの目線が、鍵を追う。それが、一瞬の勝負の分かれ目だった。
須田が、マナツの背後にまわり込みー

あの奥義を放った。


“発勁”をー

「『飛べ!』」

無防備のマナツが、壁まで、一直線に吹き飛ぶ。至近距離からの
常軌を逸した一撃。

「マナ…」

前田が
最後まで言い終えることなくー

マナツは、全身を壁に激しく強打し、床を転がった。


前田と峯岸が、駆け寄る。

「ま…、前田…。鍵を…」
マナツの手には鍵があった。


「マナツ!」


しっかりと、鍵を受け取る前田。それを見て、安心したのかー。
マナツは
微笑みをたたえたまま、瞳を閉じた。

前田は、うつむいた顔を素早く上げて言った。

「生徒会長…。マナツを頼む。あいつは…、おれがやる!」
もうこれ以上、目の前で仲間が傷つくのは見たくない。

前田に、そう言われては、峯岸も否はなかった。目を合わせて、うなずく。

前田が、ゆっくりと立ち上がり、振り向いて、言う。


「須田!お前に…、マジの意味を教えてやるよ!」

ほんとうのー。






司令室ー


「どちらへ?」

大矢マサナが問う。

「ちょっと…な」

高柳アカネは、考えこんだ様子で、司令室を出ていった。

(感傷…ですか)


数瞬後、


「あんたらも、まだまだやねぇ」
京風のイントネーション。

司令室の入り口にいたマサナの側近たちが、呻き声を発して、室内に倒れ込む。

「まぁ、随分と大きなネズミが入り込んだものですね」

マサナが侵入者に気付く。最上階の司令室ー。いつの間に…。


キョウト、

そしてー

ピンクのフード付きパーカーを身につけたネズミが姿をみせた。


「勝手知ったる敵本部…。お初にお目にかかります。マジすか女学園のネズミと申します」


「よく、存じ上げておりますよ。ネズミさん」

特段、驚く様子もなく、面白そうに眺めやるマサナ。


「それは、話が早いっスねー。それでは、さっそく、本題にはいりましょうか…」

マサナは沈黙をもって、それに応えた。

#14ー4☆

二階

地鳴りのような怒号。喚声。

5人vs50人。
普通ならば、少数のほうが一気にやられてしまっても不思議ではない戦力差。しかし、チームホルモンは意外にも善戦していた。強敵との闘いを通じ、レベルが上がったのだろうか。



ウナギの場合ー

「シノブに比べれば、ひとりひとりは、大したことないな!」

大口をたたきながら、背後からの攻撃をかわしつつ、目の前の敵に、パンチを放つ。大人数相手の闘いは、初めてではなかった。伊達にマジ女の生徒ではない。
小太りで、キャップを逆さまにかぶった少女が木刀で襲いかかってくる。額からは、汗がしたたり落ちていた。
木刀と汗をかわしながら、ウナギが言う。
「お前に、あだ名つけてやるよ。お前は、今日から、キャップびちゃ子だ!」

ウナギに、あだ名をつけられ、屈辱感を味わったキャップびちゃ子は、汗を撒き散らしながら、大声で喚き、さらに木刀を振りまわしてきた。



アキチャの場合ー


「体が軽いぜ!」

休息のおかげか。

次々と、矢継ぎ早に襲い来るアンダーガールズに対しても、気負いはない。

「くそっ!キリがねーな!前田は大丈夫なのか…」

紫の特攻服をつかみ、引きつけては、殴る。
そして、投げ捨てた。

「もしもを考えずに、やるべきことをやるだけか」



ムクチの場合ー


「………」

黙々と、敵の攻撃を避け、応戦するムクチ。

斜め後ろから、鉄パイプが振り下ろされ、前に倒れ込んでしまう。
なにかが、ムクチの中で、はじけた。

「なめんじゃねーぞ!こらぁ!」

ムクチがー

キレた。


左の拳が炸裂する。吹っ飛ぶ紫の特攻服。


「マジだよ…」



ヲタ&バンジーの場合ー

背中合わせの二人。

背中越しに、バンジーに声をかけるヲタ。

「懐かしいな。この感じ…」

「その年で懐古趣味かよ。老けたな。ヲタ」

バンジーの前蹴りが、アンダーガールズ隊員のみぞおちに決まる。

「お前は、現実主義だよな…昔から」

ヲタが、向かってくる敵のパンチを肘で受け止め、パンチを返す。


「なぁ、ヲタ。お前、気づいてるか?」

「もしかして、向こうにいる、ヤバそうなやつのことか?」


二人の関心の先ー

アンダーガールズ隊員である紫の特攻服たちの向こうー

ひとり
悠然と佇む深紅の特攻服の少女。深い紅。獲物を狩るような獣の眼差し。


アンダーガールズ二番隊、
隊長ー古川アイリ

長身で、獅子の鬣(たてがみ)のように長い髪を、自らの特攻服のように、返り血で真っ赤に染めるまで、殴るのをやめないところからー
つけられた異名が〈狂える獅子〉


バンジーが、いち早く気づいた。
「あいつ…!?古川アイリじゃねーか!ゲキカラと何度も死闘を繰り返したっていう…。ゲキカラが別荘に行った直接の原因…」


「狂える獅子、古川アイリか…。相手にとって不足なしってやつだ!」


「言うじゃねーか。ヲタのくせに」


「どういう意味だよ!」
ヲタが憮然とする。


(お前ひとりでは、行かせねー。ヲタ、お前をフォローするのは、おれの役目だ。昔から…な)

#14ー3☆

八階ー


「ガハハハハ!一発で終わりか?前田は、何発くらっても、立ち上がってきたぜよ」

親衛隊十人衆
クワバラの一本背負いの信じられない衝撃。
ミナにとって、いまだかつて味わったことのないダメージ。

(こんなのを…何発も…か。マジ女のてっぺんは…どんだけ、修羅場くぐってんだよ…)

ただ、天井を見つめるミナ。


「ミナー!立てー!前田さんだったら、こんなやつとっくに倒してるぞー!」

スズランが叫んでいた。

「もうひとり、いたな。さっさと終わらせて、前田たちを追うぜよ」

クワバラが、今度はスズランに襲いかかる。掴まったらアウトだ。

しかし、スズランは、容易に掴まらなかった。頭脳だけでなく、避けるテクニックも超一流だった。攻撃力は、ほぼ皆無に等しいのだが。

「ちっ!ちょこまかと!」

「ミナ!お前、そんなんでいいのかよ!情けないぞ!正義の味方!」

スズランの言葉に反応し、ミナが動くのが、襲い来るクワバラの後ろのほうに見えた。


(そうか…、おれは情けないのか…このままじゃ…)

そして
なんとか、立ち上がるミナ。

うおおおおお!
雄叫びをあげる。

「よし!決めたぜ!これからは、前田のことを、さん付けで呼ぶことにする!」

「何宣言!?」

IQ180の頭脳をもってしても、ミナの理解に苦しむスズランだった。




九階ー


「なーんてね。前田と闘わせてあげようと思ったけど、やっぱ、やーめた!」

須田の雰囲気が元に戻った。いつもの軽い口調。ひとをくった態度。

「須田…、あなたは所詮、偽物。あなたがいくら…モノマネが得意だからと言って…前田の心まで、うつすことはできません!決して」

マナツが静かに闘志を燃やす。まだ、気迫は失っていない。


「ふーん」

カチンときたのか、無表情で、マナツを眺めやる須田。

瞬間移動の如く、その場から姿を消す。超スピード。

「ぐっ!がっ!」

マナツが、ひとりで、踊っているかのように、殴られ続ける。右から、左から、上から、下から。両腕のブロックに意味はなかった。


「マナツ!」

叫ぶ前田を左手で制する峯岸。表情は険しい。

「あいつは、マジだ…。邪魔は、できない」
もう少しだけ…
と、マナツに理解をしめしつつも、複雑な胸中の峯岸だった。


防戦一方だったが
マナツの目は、まだ死んではいなかった。何かを狙っているようなー。


刹那ー

バシ!という音と同時に、攻撃を加えていたはずの須田が、床に転がる。

「えっ?」
なんで…?

頬をおさえる須田。


「今度は…、見えなかったみたいですね…」

マナツは傷だらけの顔で、微笑んだ。