ジャーナリスト 石川秀樹 -42ページ目

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

世間の注目が北朝鮮の核実験に集まっているときにピント外れの話題で恐縮だが、夕刊の小さな記事に興味をひかれた。

鳩山由紀夫元首相の母、安子さんが90歳で死去したというニュースである。
長男の由紀夫氏や二男で自民党衆議院議員の邦夫氏を物心両面で支え、一時期は「ゴッドマザー」と呼ばれた。
彼女を、私ども庶民にまで、有名にさせたのは2009年の「偽装献金」事件だろう。
献金額が半端でない。毎月1500万円を7、8年間にわたって提供していたというのだから、うなるしかない。
「毎年」ではなく「毎月」である。

hidekidos かく語り記


僕も娘はかわいいので、たまに東京で会うときには2、3万円もあげようと思うのだが、財布と相談して黙ってしまうことが多い。
資産家ともなると、我らの感覚とはだいぶ違う。


鳩山家の総資産はWikipediaなどによると400億円といわれる。
安子さんはブリヂストンの創業者故石橋正二郎の長女なので、そちらの遺産も引き継いでいるのだろう。
これ以上は下種(げす)の勘ぐりというべきで控えるが、小遣い、ポケットマネーの感覚で数千万円や億というカネを、大して痛みなく、かわいい息子たちに分け与えられるのであろう。


検察はこの2009年当時、鳩山民主党政権、ひいては小沢一郎後ろ盾政権に対して、組織を挙げて上げ足取りに狂奔していた。
それを僕は“異常な力学”と見ていたが、格好の標的にされたのが安子さんにまつわるカネだった。
検察のによれば安子さんの上申書にはこうあった。
「立場上、いろいろとお金がかかるだろう、いくらあっても足りないくらいだと思って用立てた」


政治というものは、かほどにカネのかかるものなのか。
数千万円をポンと用立ててあげるくらいでないと、一国の政治は切り回せないと。
出す方も出す方だが、ねだる方もねだる方である。
鳩山政権は、沖縄普天間基地の県外移設表明でアメリカの“地雷”を踏んだといわれている。
追い落としの材料探しに躍起になっていた連中にとって、こんなに甘い話はなかったであろう。


昔、「井戸塀政治家」という言葉があった。
国事に奔走して家産を失い,残るは井戸と塀ばかりというような政治家のことをいった。
半分は嘲けりであったかもしれないが、一方では「人間の本懐! 見事じゃあないか」という気持ちもこめられた言葉ではなかったか。
僕はいまだ青二才だから、「出でよ、井戸塀政治家!」などと、いつも念じている。
しかし鳩山さんの場合、それとは少しニュアンスが違ったようだ。


息子たちを一流の政治家たらんと欲し、私財を蕩尽(とうじん)して逝った母の心を思いつつ、謹んで哀悼の意を表します。




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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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2月18日号の週刊「AERA」が「NSN」の特集をしている。
「SNS」ではありません(念のため)。見出しはこうだ――


ソーシャルネット大流行の最前線で SNSしない「NSN派」


そして書き出しは
実は意外と多いんです。「私はノ―・ソーシャル・ネット派」って人たちが。個人情報の不安、表面的な人間関係への疑問、「自分自慢」への嫌悪感……。「情報はSNS頼り」という風潮への危機感もある。


週刊誌はうまいタイトルをつけるものだ。
「NSN」ねぇ、思いもよらない造語ですなぁ。
書いていることもすごい。
いきなりカバー写真の話だ。
知人が「スラリと見えるナイスなバディ」に写っていたそうだ。
「あまりの違いにドン引きしちゃいました」とフリーライターのサクラさん(45)の話を伝える。
よくある話でね。
この記者は「聞いた話では」と前置きして「写真を盛るのは当たり前」とダメ押しの伝聞情報を伝えている。

hidekidos かく語り記

スマ―トフォンの普及にも押され、SNS利用者が爆発的に増えている、そうだ。
電通パブリックリレーションズの「2012年 年末SNS調査」によれば、ツイッター、Facebook、mixiの3大SNSの認知度は95%。
だが一方、Facebookを「利用していないし、今後も利用したくない」派が37.7%。また23.9%の人はSNSを否定的にとらえており、「SNSはあきられると思う」「SNSがきっかけで人間関係のトラブルに発展する」と、調査対象者(SNS未利用者?)の声を紹介している。
私なぞは、へぇー、そんなに認知されていますか、利用したくない人は4割弱で、否定的にとらえる人も4人に1人以下ですか? と妙に感心しちゃいましたけど。
だってSNS先進国のアメリカでもFacebookユーザーはインターネット利用者の6割なんだから。
うまくすれば、日本でもそこまでいきそうな感じ。
すごい数字ですな。


ところが記者は、どうしても「SNSに否定的」を強調したいらしく、同窓会でプライバシーがダダ漏れになった状況を、広告会社に勤めるミユキさん(45)に語らせている。
「SNSをやっていないと変人扱いされるご時世ですが、『私は孤高に生きるのっ、ほっといてよ!』と叫びたくなりました」


看護師のサトミさん(25)も、自ら個人情報を漏らして回るようなSNSを理解できない、そうで(つまり、記者が理解できないんでしょう)次のように言葉を伝えている。
「まるで『私のリア充、見て見て見て~』とアピールする場。……『友達承認』で行き違ったり、『いいね!』を押した、押さないでもめたりするほうがイヤ。『私は昭和な女だから』そういってます」


“昭和な女”までもちだすような話じゃあないと思いますが、話はまだ続く。
自分ばかりアピールする場としてのSNS(←記者の感想でしょう)――と書いてから、今度はマスコミ関係で働くサエコさん(60)を引っ張り出して、
「そんな自分自慢なんて、したくないから使いません」


この後も、SNSに否定的な事例は続く。
都市銀行勤務のヨウタさん(28)は必ずしもSNSを否定していないが、
「生活や行動が丸見えになる不安以上に、SNSを使うことで自分が束縛されないのかなと思ってしまう」


この話の直後に、実際にSNSに束縛され、疲れ果てた結果、NSNになった派遣社員のサオリさん(40)の事例を伝える。
Facebook漬けの日々。ある日、情報をなんでもかんでも垂れ流す友達のことを「軽い人間」に思えた。
すると自分も軽く思われているのでは、ないかと強い不安が生まれ、依存症になっている自分を「危ない」と感じた。
それでFacebookをやめ、やっと心のざわつきが消え、自分を取り戻した。


なるほどなるほど、ありがちな事例を的確に拾っている???
なんて、みなさん思うのだろうか。
作文としてはおもしろい
しかし、天下の「AERA」が全部匿名というのはどうなんでしょう


ぜーんぶ本当でしょうよ。
でもね、言葉というのは難しいもので、記者がある意図をもって話を聞いて、自分のストーリーに使える部分だけを切り取ると、取材に答えた人の意図(真意)に関係なく、新しい話をこさえることもできてしまうんですよ。
だから、読む側としてはそれを差し引いて読まなければ公平じゃあない。
それで愛するFacebookのために抗弁しときますと――


この話、どれをとってもSNSを悪く使うとこうなりますよ、といわれている話なんだね。
写真を飾るのは当たり前。
よく見せたいのは人情だから。
程度の問題ですな。


プライバシーがダダ漏れ。
これも水差すようだけど、ハシャギ過ぎの御仁には「常識をわきまえてやってよ」とクギをさしておけばすむ話。


「リア充見て見て」は受け取り方。
嫌ならやらないサトミさんは正しいし、無理に引っ張り込む話でもない。


「自分自慢」も同様に、見方、感じ方の問題ですな。
「SNSを使うと自分が束縛される」ほど世間に気がねする人なら、はじめっからFacebookをやる必要なし。


依存症というのは(それでFacebookを批判するのは)論外。
Facebookはツールであって、使う人がどう使い、どこまでやるか決めるべきでしょう。


「Facebook疲れ」はあると思いますよ。
実名で使っているんだから。
疲れて嫌になったら休めばいいだけの話だと思いますが。


それにしても、厳しい、的外れの「AERA」のご指摘。
狙いはなんだったんでしょう。
この記事を書いたフリーランス記者、坂口さゆりさんは最後にこう書いています。


「無精者の筆者もNSN派」


そして“ある1人”を引っ張り出してこういわせている。
「フェイスブックの株価が思ったよりも上がらなかったニュースには思わずガッツポーズしちゃいました。潜在的には、危ないって思っている人が多いってことじゃないですか」


そうか、いいたいのはこれか!!(これは私の感想)


そして坂口さゆりさんは記事の末尾にこう書いている。
「友人たちと、“NSN”が流行語になる日を待っている」


※ここまでいうのなら、せめて1カ月でも2カ月でもFacebookを使ってから取材してほしかったな。「AERA」編集部のみなさん、ど素人の起用はミスキャストだと思いますよ。それにね、繰り返して恐縮ですが、記事に出る全員が匿名では「作文でしょう」といわれても抗弁のしようがないんじゃないですかね。




<ここからは「著者ページ」と「著書」の紹介です>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんな視点、はじめてだ!
「なぜ?」を徹底追究
ジャーナリストの視点で電本3部作

※著者ページ
http://denhonkan.jp/meikan/detail.html?ab_id=7



※著書
『秀樹さんが教える まだまだ奥が深い Facebookの教科書』



 Vol1.
 Facebookの基本のキ」。
 「入門書」ですがかなり濃い内容です。
 いいね!の原理、エッジランクやクチコミ発生機能について  核心を伝えます。
 
 









 Vol.2
 Facebookのビジネス活用術。
 個人やお店、小さな会社は大企業や有名人を見習ってはい けません。
 バラマキマーケティングより友達を大切に。
 











 Vol.3
 Facebookのスーパースターたちを紹介しています。
 「誰か」って? 
 まあ、立ち読みでご確認ください。
 インフルエンサーの投稿術を詳しく伝えます。




昼間のニュースで報じていたな。
「ローソンが若手社員の賃金を増やす」って。
夕刊を見ると、早速、安倍内閣の大臣たちが喜んでいる。


「1社でもこういう形が出てくるのはいい傾向」
麻生太郎財務相の閣議後の会見談話だ。
「対して金利もつかない(企業の)内部留保が、賃金、配当、設備投資に回らずにじーっとしている、という意味がよくわからない」
この人がいうと正しい答も意味不明になってしまうが、要は企業に利益を賃上げに回すよう促したということ。
うん、正しい方向だと思う。


将来不安があるから、企業も家計もおカネを内部留保(家計なら「タンス預金」というかな)してきたのが、まさに「デフレ」という状態だ。
これを安倍さんの、金融政策やりましょうよ、財政出動 機動的にやろうや、そして成長戦略だ-との「姿勢1つ」で円安に変わり、株価が反応した。


モノよりもカネが選好され通貨(円)が上がっていくという異常事態が10年間も続いたのだ。
国民もよほど我慢強いや。
政治のよろしきを得ないで、日銀の政策失政を放置してきた。
ようやくカネの流れる量を増やさなければ日本経済は大沈没することに気づいてくれた。
アベノミクスがまるでインフレ誘発・暴走装置のようにいう者もいるが、この点では、全く適切な政策だと思う。


“ローソン効果”といわれるほどに、企業は追随してほしい。
中でも超大企業のトヨタだ。
にわかな円安で為替差益が1400億円増、2013年3月期は営業利益1兆5000億円(予想より1000億円増)を見込むというのだ。


春闘が始まる。
これだけの利益を出している。
ケチくさいこといわずに、ドーンと賃金を大幅アップしてやってほしい。
しばらくは「昇りのエスカレーター」、カネが回り始めれば人々の意識も「昇り」に目覚めるだろう。


日本人はもっと楽観論に目覚めなければいけない。
いや、国民一般じゃあない。
いつでも調子が出そうになると悲観論をまき散らす冷水がお好みのマゾっ子マスコミにだ。
声を大にして「たまには政策をほめろ」と、申さなければならない。
アベノミクス以前、ただの1社も、今日を見通していなかったのだから。



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【筆者から】
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ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただたら、こんなにうれしいことはありません。


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上司だから、先生だから、指導者だから、先輩だから人を殴ってよいという法はない。
日本では「愛情があれば殴ってもよい」「愛のムチ」だというが、錯覚である。
殴ってもよい愛などありはしない。
あるのは「俺のいうことをきけ」という強制である。無理強いである。

■   □   ■

先日、園田隆二・女子柔道代表監督(後に辞任)の暴力行為などを15選手が告発した事件に際して、僕はこう書いたのだが、空しく言葉が行きすぎた感じだ。
何も変わらなかった。
さすがに園田氏本人は辞任した。
しかし反省したわけではない。
全柔連もことここまで事態が大きくなって“やむなく”進退伺を受理したが、当事者意識は全くなかった。
現体制をつくる者誰一人として、本心から指導法の誤りを腑に落としていないからだ。
心の中では「そんなこといったって」「昔からやっている」「気合の注入だ」「愛情あってすることだ」、挙句の果ては「何が悪いか!」とうそぶいている。

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            (記者会見する選手の代理人)

悪いに決まっているではないか。
殴ってもよい愛などありはしない。
詭弁もいい加減にせよ、と思う。
暴力に頼るというのは、いってわからせることができなかったこと、人格でもって人を率いることができないことの、安易で姑息で卑劣な代替手段であるということだ。
それを「指導」だなどというのは、思い上がりである。


女子選手たちは体制の刷新を求めている。
役員全員やめよ、やめてくれと叫んでいる。
ここまでいわれるほど疑いをもたれ、嫌悪されるというのは、組織としちゃあ大失策だ。
「真摯に受け止めなければならない」
なんて他人ごとみたいな顔してないで、面を洗って出直さなければならない。


こういう風に外野で吠えていると、週刊誌は「体罰で大騒ぎするニッポン」などと、また阿呆なことをいい出す。
そして「人間が変わると思っている浅はかさ」などという曽野綾子氏あたりを引っ張り出して、さもさもくだらぬことのように「体罰・いじめ・ハラスメント」をいいはやす。


こんなんだから、世の中から暴力が消えぬのである。
そしてあろうことか、教育界、スポーツ界に悪習・悪癖が延々と引き継がれる。
暴力は法律違反。明明白白なこと。
法を守れぬ組織なら解体するしかないではないか。
暴力の「功罪」などを論じている時ではない。
「罪」をどう裁くか、あるいはどこまで情状を酌んで許すか、許さないかという問題だ。


全柔連が高見に立って、「受け止めてやる」なぞと威張れる筋合いではないのである。




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なんとも回りくどい書き方だが、どうやらこういうことらしい。
原子力規制庁の職員が、敦賀原発の断層調査の重要文書を、業者に手渡していた。規制対象との癒着はいまだに断ち切れていない。なお、金銭授受と接待はなかったという。


1面トップで報じられた新聞記事の要約である。
中身は毎度おなじみ、耳にタコができるくらいの原子力ムラの不祥事で、つい「またか」で終わりがちだが、ここはきちんと問題の意味を押さえておいたほうがいいと思うのだ。


「問題の意味」とはこうだ。
こと「原発の問題」においては、規制当局と業者(電力側、今回は日本原電)がいまもって「なあなあ」「ずぶずぶ」の関係であり、あれほど福島原発事故で叩かれたにもかかわらず“カエルのツラに……”で、全く懲りていない、ということである。

hidekidos かく語り記


なぜそんなことがわかるのか。
わかりにくい新聞の文面を読み解くと、そうなる。


今回の文書は、敦賀原発(福井県)2号機の真下に走る断層が「活断層だ」と明言する報告書の原案だ。原電側は当然のように、それを否定している。だから報告書に何を書いてあるのかを事前に知り、各方面に工作を行いたい。


今までは、原子力安全・保安院といい原子力安全委といい原発ムラの一員で、業者側とお手盛りだった。
「規制」の用をなしていなかった。
だから保安院、安全委を解体して「原子力規制委」をつくり、その事務局として「原子力規制庁」を置いたわけだ。
規制すること、業者は必ず不正や怠慢を起こすからきちんとチェックしますよ、というのが規制庁の役割だ。
しかしやはり(事故で国民的非難を受け慌てふためいた政治側が)官僚に急ごしらえでつくらせた組織だ、癒着根性は少しも治っちゃあいない。


原子力規制庁の内規:
「規制対象の電力事業者と職員は1人で面談しない」「面談した際には、何を話したか内容を公開する」


今回は原子力規制庁の名雪哲夫審議官(54)が1人で原電常務らと計5回面会。最終的に報告書原案を手渡した。
原電側はこういっている。
「規制庁の内規は知っている。しかし、非があるとは思っていない」
これが原電最高幹部の1人、常務取締役の言い草である。規則など屁とも思っていない、というのがよくわかる。


もう1つの事実(新聞発表による):
名雪審議官は報告書原案を手渡した翌日、自ら申し出て実務から外された。金品の授受はなかったという。


新聞は、規制委の報道発表資料に基づいて書いている。
「金品の授受はなかったという」と伝聞調で書いているのは、規制庁自身も「伝聞」であるからだろう。
厳密に法に基づいて調べたのではなく、「金などもらってないだろうね」「それはありません」程度のやりとりであって、それ以上の根拠はなさそうだ。
原電常務は新聞取材に答えてこういっている。
「審議官と庁舎外で面会したことも、接待や金銭の供与も一切ない」


まったく、語るに落ちるとはこのことだ。
常務は内規違反を百も承知で「規制庁の庁舎内で」堂々と審議官に面談している。
しかも、金も贈らず接待もなく、これほどの重要文書を苦もなく手にしている。
“日常活動”のたまものとしか思えない。


原電常務の顔は、規制庁の職員なら多くの者が見知っていたろう。
5回も庁舎に現れ1職員と面談しているのに、誰も奇異なことと思わない。
上司に報告もしない。
考えられるのは、誰も奇異に思わないほどこの常務と規制庁の間に「関係ができていた」ということである。
こういう関係を、あなたならどうつくるだろうか。
特に金銭を費やさなくても喜んで、いや、後ろめたい気持ちはあったに違いない(さすがに)、でもそれを踏み越えて重要資料を流させるような関係を、どんなことをすればつくれるのだろうか。


この問題の本質は、そこにある。




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