★鳩山ゴッドマザー逝きて、カネかかる政治に悔い残さざるか | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

世間の注目が北朝鮮の核実験に集まっているときにピント外れの話題で恐縮だが、夕刊の小さな記事に興味をひかれた。

鳩山由紀夫元首相の母、安子さんが90歳で死去したというニュースである。
長男の由紀夫氏や二男で自民党衆議院議員の邦夫氏を物心両面で支え、一時期は「ゴッドマザー」と呼ばれた。
彼女を、私ども庶民にまで、有名にさせたのは2009年の「偽装献金」事件だろう。
献金額が半端でない。毎月1500万円を7、8年間にわたって提供していたというのだから、うなるしかない。
「毎年」ではなく「毎月」である。

hidekidos かく語り記


僕も娘はかわいいので、たまに東京で会うときには2、3万円もあげようと思うのだが、財布と相談して黙ってしまうことが多い。
資産家ともなると、我らの感覚とはだいぶ違う。


鳩山家の総資産はWikipediaなどによると400億円といわれる。
安子さんはブリヂストンの創業者故石橋正二郎の長女なので、そちらの遺産も引き継いでいるのだろう。
これ以上は下種(げす)の勘ぐりというべきで控えるが、小遣い、ポケットマネーの感覚で数千万円や億というカネを、大して痛みなく、かわいい息子たちに分け与えられるのであろう。


検察はこの2009年当時、鳩山民主党政権、ひいては小沢一郎後ろ盾政権に対して、組織を挙げて上げ足取りに狂奔していた。
それを僕は“異常な力学”と見ていたが、格好の標的にされたのが安子さんにまつわるカネだった。
検察のによれば安子さんの上申書にはこうあった。
「立場上、いろいろとお金がかかるだろう、いくらあっても足りないくらいだと思って用立てた」


政治というものは、かほどにカネのかかるものなのか。
数千万円をポンと用立ててあげるくらいでないと、一国の政治は切り回せないと。
出す方も出す方だが、ねだる方もねだる方である。
鳩山政権は、沖縄普天間基地の県外移設表明でアメリカの“地雷”を踏んだといわれている。
追い落としの材料探しに躍起になっていた連中にとって、こんなに甘い話はなかったであろう。


昔、「井戸塀政治家」という言葉があった。
国事に奔走して家産を失い,残るは井戸と塀ばかりというような政治家のことをいった。
半分は嘲けりであったかもしれないが、一方では「人間の本懐! 見事じゃあないか」という気持ちもこめられた言葉ではなかったか。
僕はいまだ青二才だから、「出でよ、井戸塀政治家!」などと、いつも念じている。
しかし鳩山さんの場合、それとは少しニュアンスが違ったようだ。


息子たちを一流の政治家たらんと欲し、私財を蕩尽(とうじん)して逝った母の心を思いつつ、謹んで哀悼の意を表します。




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【筆者から】
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主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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