第二十七話「願わくば花の下にて春死なん」。米騒動はなかなか治りません。
このブログは、ドラマからマーケティングのヒントを探しご案内しています。以下、一部ネタバレを含みます。
景気悪化の中で、蔦重が見たもの
米価は下がらず、江戸の町は各地から流れてきた人々であふれていました。
蔦重が新たに出版した青本も思うように売れず、市場の冷え込みは明らか。景気の悪化が肌で感じられる状況です。
自分たちは食えても、流民の姿を見過ごすことはできない蔦重、炊き出しを提案しますが、日本橋の旦那衆は乗り気ではありません。それはお上の領分ではないかと。
しかし、鶴屋の旦那も、ふるえる流民の姿に心を痛めておりましたね。
知恵で動かす町
ていは蔦重に提言します。「米の値が下がれば、女郎(誰袖)の身請け話がまとまり、田沼様の評判も回復し、市中は助かり、流民にも施しが行き渡る。かつ、旦那様の願いも叶う。一挙両得どころか、一挙五得です」
そうするために知恵を出し、町からお上に献策というのは日本橋らしいのでは、と。
追い詰められた時こそ、知恵が力になる。
まるで、今を生きる私たちへのエールのようにも聞こえます。
商いと政
「米穀売買勝手次第」の政策。誰もが自由に米を売買できれば、競争で価格が下がるだろうという田沼の思惑は外れ、逆に買い占める悪徳業者が現れる始末。
そこで蔦重は田沼に献策します。「お上が米を仕入れ、そのままの値で人々に渡す。」これはできないという田沼に対して、「これは商いではない、“政(まつりごと)”ではないか」と。
民が食べることで精一杯の状況では、本も売れず、本屋は成り立たず、他の商売も同様に立ち行かなくなる。そうして金の流れが滞る。それを断ち切るのが政ではないかと。
商いがあり、政があり、両者の知恵と行動が必要ですね。
現代にも通じる揺らぎと知恵
浅間山の噴火は農作物に多大な被害を与え、江戸ばかりではなく広い地位域の経済を狂わせているようです。
自然災害や外部環境の変化がビジネスに与える影響は、昔も今も変わりません。
順調に成長してきた蔦重の商いも、こうした大きな波の前では無傷ではいられません。
ビジネスには追い風もあれば向かい風もある。
それでも知恵を絞り、流れを読み取り、商機をつかもうとする姿に、私たちは多くを学べます。
創業期を経て成長期に乗った蔦重の商売。これからが真価の問われる勝負どころです。
景気が悪くなると、誰かを責めたくなるのが人の世。
その矛先は田沼家にも向かっているようです。
米の値動きが招いた混乱はまだ続くのでしょうか。
世の行く末と、蔦重たちの知恵と行動に、今後も目が離せません。
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