第九話「玉菊燈籠恋の地獄」、今回も目が離せませんでした。

市中の地本問屋を追い返し、自分たちでやればいいじゃねえかと盛り上がっていましたが、鶴屋の「今後一切、吉原には関わらない」という言葉で、再見を作っても市中では売り広めてもらえない、と蔦屋重三郎は落胆。販路が無くなり何か工夫をしなければなりません。

このブログは、ドラマからマーケティングのヒントを探しご案内しています。以下、一部ネタバレを含みます。

販路を絶たれ・・・

忘八の親父さんたちは、再見は吉原内で売ればいいといいますが、重三にとっては一大事。その上、「それをなんとかするのがお前の仕事だろう!」と言われ、そう言うもんじゃないだろうと、私にも他人事ならぬ経験が・・・

さて、どうしたらいいかとぼやいていたところ、次郎兵衛兄さんが「玉菊燈籠などの催しもので〜」と言ってましたね。

その後のシーンで、重三が何やら紙に書き出して並べていました。次郎兵衛兄さんの言葉がヒントになったようです。

吉原の年中行事

次郎兵衛兄さんが言っていた玉菊燈籠とは、吉原で行われる三大行事のひとつでお盆に灯籠をつけた行事だそうです。それ以外にも年中いろんな行事が行われていたようで、重三が書き出していた内容も、毎月5〜6は何かありましたね。

つまり、このタイミングでは吉原は賑やかになる、人出が増えると言うこと。このチャンスを活かさない手はありません。

販促カレンダー

現代に置き換えれば、毎月の集客チャンスを書き出して計画的に進めるための「販促カレンダー」を重三は作ろうとしていたのではないか、と妄想します。その時、そこまで思わなかったとしても、結果的には吉原の年中行事を書き出して集客企画を立てることができるでしょう。
各月の集客チャンスになるものといえば、行事はもちろん、習慣やその時期の旬なものなどです。例えば、
1月 正月、初詣、初売、お年賀、成人の日、受験勉強、冬物セール
2月 節分、初午、バレンタインデー、花粉症、梅
3月 卒業式、ひな祭り、ホワイトデー、春の彼岸、桜
4月 お花見、入学式、新学期、GW、紫外線
5月 GW、こどもの日、母の日、新緑、行楽、遠足
6月 入梅、父の日、お中元、ボーナス、雨具、運動会
7月 梅雨明け、七夕、夏休み、夏物セール、土用の丑、海の日
8月 山の日、お盆、花火大会、帰省、夏バテ、熱中症
9月 防災の日、運動会、敬老の日、秋の彼岸
10月 スポーツの日、紅葉、秋の行楽、新米、暖房準備、読書週間、ハロウィン
11月 文化の日、お歳暮、七五三、いい夫婦の日、ブラックフライデー
12月 歳末売出し、降雪対策、クリスマス、大晦日、帰省、年越し蕎麦
ざっと毎月を書き出しても、色々あります。ここに、皆さんのご商売に関係するものを加えていけば、販促カレンダーの出来上がり。これらは全て集客や販売のチャンスに繋げることができます。
重三もこのように吉原の年中行事を再見に取り入れたり、それらのタイミングで企画ができるはずです。今後どのような商いをしていくのでしょうか。
 
さて、今回は切ないお話でしたね。次回、どんな展開になるのか。