波乱の船出となってしまったFF16。
「普段あまりゲームはやらないけど、アニメとか漫画は好きってひとには刺さる」
「ゲームに慣れてるひとにはモノ足りない」
かなり手厳しいレビューに加え、『高評価レビューの不正操作』なんてことも取りざたされる。
わたしも新型PS5買ったら一番やりたいタイトルだっただけに悲しい・・・。
発売初日から動画界隈はFF16実況が乱立し、ネタバレなど気にもせずガン見していた。
面白いゲームは見ているとやりたくなるモノだが、どうだろう。FF16は「早くやりたい!」という衝動がまるで起こらない。
そしてモノは試しと、FF16を購入したリアフレのお宅までお邪魔して、少し触らせてもらった。
ストーリーもアクションもなんかドコかで見たことある・・・
でも今年いちばん期待していたタイトルだし、その違和感を認めたくない・・・
そんなモヤモヤのなか、ちょうど大手メディアのFF16レビュー動画を見つける。
実はこれがいま炎上しているレビューなのだが、中身は至って忖度のない精度の高いレビューだった。
動画を批判してるオマエら。ラスアス2のときみたくまた拗らせてるな?
「ハッキリ言ってしまうとアクションゲームをほぼプレイしたことがないみたいなひとが対象のゲームで、ゲーム慣れしたひとにはぜんぜん向いてないゲームです」
IGNジャパンのFF16批評が痛烈で、忖度なさすぎた。
ちなみに左がヤマダさん(クリア済み)と右のワタナベさん(1週目終盤)。
ほかにもFF16のレビュー動画は上がっていたけど、このふたりは分析も語彙力もシッカリしており、わたしのなかでモヤモヤしていたFF16の違和感をほぼ言語化してくれていた。
だいたい高評価レビューはグラフィックがキレイ、アクションが素晴らしいとか通販のキャッチコピーみたいに安いことしか言わないものばかり。
ストーリーが最高!とかいうのも、生焼け料理を食わされて喜んでる始末。
現代のニホンジンはエンタメ偏差値も下がってきたのか。
ちなみに内容をよく見てないのか、この動画に油を撒いてる動画勢も散見した。
「クリアしてないだろ!」とかナゾの批判・・・。いや、お二人は『クリア済み』『終盤まで進めてる』と、ちゃんと話しておられましたが??
SNSで拾ったアンチの情報を鵜呑みにして、まともに動画を見てない説あるね。
そもそもクリアしてなくても終盤までやれば十分でしょうよ。どうせ自分が高評価したゲームを批判されて拗らせてるのがオチ。
ちなみにこの『けまい』という投稿者の動画をいくつかチェックしてみたところ、ゲーム情報系にしてはあまりに語彙力が乏しく、たいして比喩も交えない抽象的なお喋りをするスタイル。
レビュー動画になるとその凡人度がさら際立っており、主人公に感情移入できてえ~音楽もホント最高でえ~みたいな、まるで内容は貧相だった。
友だちの話しを聞いてるような親近感はある。それだけ。
上の画像をよく見るとアンセムのポスター貼ってるの笑う。いやべつに自由だけどさ。
※アンセムはクソゲーの殿堂入りしたタイトルです
まあ登録者数とクオリティは一致しないのがYouTube。
自分を過大評価してプロをこき下ろすとか、いいオッサンが厚顔無恥というのは現代ニホンこわいです・・・。精神年齢が下がってるのはガチ。
わたしも「動画みただけでナニがわかる!」とか言われるだろうな。
いやわかるでしょ。文字じゃなく現実にビデオゲームという現象を見てるんだから。それもゲーマーならなおさらよ。私の場合は一度はちゃんと触ってるけどね。
そんなことよりFF16。
ほぼ育成要素のない、『ザ・一本道のアクションRPG』というのが今作の正体。
長い長いストーリームービーの合間にバトルパートを挟むと言えば、そのプレイフィールはお察しだろう。
操作できるキャラは主人公のみで基本ソロバトル。戦闘中の装備変更はできず、属性要素はなぜかFF14と同じように撤廃され、バトルはかなり単調なものになっていた。
ゲーム全体に対するIGNJのコメント
「ストーリー部分以外に注力できていない」
「ストーリーメインのゲームなのにストーリーに難がある」
「ストーリーとアクションRPGが1本のゲームになってない」
「ゲームをあまりプレイしない人向け」
「ゲーマーには物足りない」
「体験版からどう発展していくのかなと楽しんでいたら、体験版のまえのところを延々やらされて、終盤になってようやく追いついてきた感」→「終盤になって追いついてきたらゲームが作業になっていた」
「ヨシダが自慢するからすごい期待してたのに残念すぎる」
イマドキRPGで育成要素がないとか、そこが最も期待される部分だろうに。それもFFシリーズなので、当然あるものだと構えてしまう。
ゲーム初心者は美麗なグラフィックで騙せるが、ゲーム慣れしているプレイヤーは誤魔化せないよ。
今作には武器強化こそあるが、それもストーリー進行に紐ついて順次強化していくものになっている。
RPGはメインストーリーの途中でレベリングやスキル集めしたり、冒険を楽にする寄り道が楽しい時間だったりするものだが、そんな遊びをさせる気はさらっさらない。
またグラフィックが良いとは言っても次世代レベルにおいて別格というわけでもなく。最高峰とされるホライゾンと遜色ないのはすごいことだが、ゲーム性はPS3くらいまで落ちる。
FF16は王道RPGを醸しながら需要のある要素はバッサリ斬り落としてある。
FF新作だからと過度に期待すると、かなりショックは大きい。
メインストーリーやサブクエは最も注力したコンテンツのはずが、それらがどれも在り来たりなもので、冒険の舞台としては独自性が薄い。
特にシナリオに関しては多くの創作物に触れてきたプレイヤーにはメッキ塗装が見抜かれてしまうだろう。
ストーリーやサブクエに対するIGNJのコメント
「世界の真相がわかるにつれモチベーションが下がっていった」
「説明はすごくしてくれるけど、肝心の腑に落ちないところを説明してくれない」
「シリアス路線なのに差別扱いを受けるひとを、でもファンタジーだから・・・みたいな処理で片づけられるのが不快だった」
「サブクエストの結末の雑な完全懲悪が、プレイヤーを馬鹿にしてるのかというレベル」
「ファンタジーなんだから、ちゃんと着地できないなら現実問題ぽいことを無理に取り込まなくていい」
「大変な目にあっているひとがいるのにそこには関与せず」
「感動的なシーンだけど、なんかの作品で見たな」
「いろんなアニメとか漫画とかに影響受けてるなって」
「我々が見たいのはFF16の物語」
「ストーリーを描けてないわけではないが、何を描こうとしたのかがよくわからない」
「雰囲気で理解できる親切さはある(笑)。主人公が頑張ってるなとかこいつは悪いヤツなんだなとか」
会話での説明は丁寧なのに、肝心の専門用語がスルーされて置いてけぼりなのは、わたしも気になったところ。
「腑に落ちないところを説明してくれない」もまさにそうだと思った。
こんなに知ってほしすぎるゲームで、あえて語らず考察要素にするわけもないだろう。単に読み手への配慮がないだけだなと。
レビュー内でも指摘あったが、NPCたちがなんだか開発スタッフに見えてくるほど「コレはこうなんだよ」「アレはああなんだよ」とプレイヤーに対し異様に知って知ってと説明してくる。
すべてに役割を持たせようとしすぎでは?
ウソの世界だからこそリアリティを持たせるスキマの『佇まい』が必要だと思う。それを「ヴァリスゼアはこういう設計なんだゾ」と開発が自慰に夢中すぎて、プレイヤーの没入感をおざなりにしているよね。
ヴァリスゼアはまるでスタッフの手垢まみれの世界。
でっかいこと描きたいねん!・・・シナリオからその気概だけは伝わる。
でもベアラーとか奴隷迫害にまつわる話しにしろ人間の悪性を描く器量もなく、そういうテーマを扱うことで満足しているように感じた。
ベアラーを虐待していた貴族のイベントなどでは、クライヴのセリフも貴族が自滅する『間』もチープすぎて、見ているこっちが恥ずかしくなった。
ゲド戦記ばりの演出とは、例えが古すぎるか。
重要なシーンなのに困難を雑にクリアしてしまう場面も多かった。お気に入りのシーンじゃないから前提クエや伏線を張るのが面倒だったのか。ならば腑に落ちるが。
主要キャラとモブNPCの表情もクオリティに差がありすぎて違和感。モブが固すぎてもはやマネキンかと。セリフと顔面のテンションが合ってなくてチープすぎる。
ぜんぜんモンハンのほうがやれてる。
あとサブクエもかなりお粗末な仕上がり。
荷物運びの依頼ではクライヴが物資を持つグラフィックはナシ。文字やムービーだけ必死になって、こういうとこが手抜きじゃ興ざめなわけよ。そんなの気にしないだろうとかナメてる?
過去作ならミニゲームとかあったけど今作はそれもナシ。オフゲーなのに演出もおつかいもMMORPGであるFF14にさえ劣るのは、ゲームを作る気があるのかさえ疑う。
グラフィックやテーマがリアルだからこそ、サブクエを含めた細部のディテールにもこだわるべきなのでは?
開けないタンスの中までモノを入れろとは言わないが、オモテの皮だけ磨いて喜んでるのは滑稽すぎる。
主人公クライヴへの感情移入も微妙な点。どれだけのひとが納得して操作できたのか。
クライヴはプレイヤーの分身じゃないとはいえ、プレイヤーは助けなきゃと思うのにクライヴは我関せず・・・みたいな場面がけっこうある。なんというか、立ち回りが雑魚い。
クライヴにまるで人間味や主人公らしい艶を感じず、なんだろうコイツ・・・と思ってるとこで自分語りとかされても気持ちがついていかない。
開発は「うおおお!クライヴおまえ・・・」とか泣いて作ったんだろうけどさ。
ネタバレになるからレビューで話してるポイント以外に触れるのはできるだけ避けたく、あれこれ具体的に書けないのがもどかしいが、とにかく登場人物や物語の展開に起伏がない。
いわくつきの前廣氏をシナリオ担当にしたことで一芸の『だれか死ねば盛り上がる』が再現されているのも陳腐さに拍車をかけていたように感じる。
「ストーリーを描けてないわけではないが、何を描こうとしたのかがよくわからない」という指摘があったけど、好きな映画アニメからほしいエピソードを寄せ集め、無理に繋ごうとした結果ボヤけてしまったのかと。
ただ夢中になって粘土をこねくり回し、出来あがった物語。
創作物に触れた経験が浅いひとたちなら、この世界の描写に疑問を抱かず楽しめるだろうね。
せめてアクションバトルには期待したい今作だが、それも食指が伸びない出来栄え。
見ているだけでも序盤で飽きてしまい、後半になってもプレイフィールに変化なし・・・。
リアフレに終盤あたりを触らせてもらったが、体感は見ていたまんま。マジでテンポが最悪で、ポチポチポチカチカチしてたら終わってる。イマドキのアクションゲームとして微塵の工夫もなく、エフェクトが派手なだけ。
デビルメイクライの元開発者が作ったらしいが、そのひとデビルメイクライのナニ担当だったの・・・。
バトルに対するIGNJのコメント
「多彩なコンボはあれ、やることは単調」
「ゲージを削れるアビリティ以外は使わない」
「どの敵にもカウンターを決めて殴るの単純なルーティーン」
「パリィがシステム的に腐っていて趣味レベル」
「エフェクトが派手すぎてバトルを妨害している。ストーリーとアクションの兼ね合いをまるで予測してない」
「ボス戦が30分くらいかかる」
「召喚獣バトルの演出は迫力あるが、同じシーンを何度も見せてくる」
「召喚獣バトルは長すぎる、同じことの繰り返しで、根本から見直すべき」
FFの構成要素として重要なバトルコンテンツが同じスキルをポチポチ押すだけ・・・。それ以外は『好きなら使って』みたいなバランスのあげく、敵も見てくれが違うだけで攻略法はたいして変わらない。
デビルメイクライの元開発者が手掛けたというのに、昇華していないどころかコピペ劣化版とは。
アクションはカンタンでヌルヌル動くし初心者がやると楽しいだろうが、イマドキのゲーマーがこんなもので満足できるはずがない。
ゲーマーばかりに忖度することはないが、アクションシステムのクオリティはPS3レベルで陳腐すぎる。
結局のところアクションはおまけで、シナリオムービーと召喚獣を見せたいだけのFF。それがFF16なのだ。これならもうアンティルドーンとかQTE式のアドベンチャーゲームでよかったとさえ思う。
しかしFF16はどの層をターゲットにしたのだろう。
発売前のインタビューでヨシダが口にした『原点回帰』という言葉から、旧来ファンはかなり意識しているはずなのだが・・・。
FFが直面している問題課題は認識しても、その解決には至らなかったか。
16のストーリーは皮こそリアルでアダルトだけど、、好きなとこだけを細かく描いたり深刻なテーマを雰囲気で処理するあたりは自分たちのサッカーに夢中すぎて『幼稚』とも言える。
バトルでもグラフィックを見せることにばかりに注力して、そういう独善的な姿勢が『モーションブラーの強制』なんてクソ仕様にも表れてしまう。
FF16はスクエニの「オレたちのグラフィック(サッカー)どうよ」な企業プレゼンの場だったのか?
そして二週目から『本番』という言葉が脳裏に刻まれているが、その二週目がまたよろしくない。
『本番』と煽るのでいろいろ妄想していたのに、別に新システムが解放されたりするわけでもなく、単に強モブ配置と敵のステ強化ていどの内容。
よくあるハードモードのことを意味深に匂わせ、フタを開ければ全世界標準の強くてニューゲームでしかなかった。
振り返ればFF16のプロモーションはかなり虚勢にまみれていたように思う。
ウソとは言わないけど、なぜにすぐバレることをあからさまに誇張するのか。プロモーションでヨシダは「数字にこだわらなければならない」としていたが、だからこそ初動だけ稼ぐ『猫だまし戦法』では結果に結びつかないのでは。
FF14でもネガキャンの影響力は痛いほど身に染みているだろうに。
『超ド級のやめ時がないゲーム』とか言ってたの・・・。
多忙なヨシダが14と16を兼任できた理由が、発売されてハッキリわかった。
FF16は極めてシンプルなゲームだったからなんだと。
FF14をプレイしているのでわかるけど、キャラモデルは14ベースだよね。モブ敵もすべてじゃないけど14からコピペのヤツがいたりする。複雑なジョブチェンジや育成システムもないし、アクションは劣化デビルメイクライときた。
バグが少ないという評価も、複雑なシステムがないからだろうね・・・。
もしや新規ナンバリングとして掛けるコストは過去作品より低かったのでは?
原点回帰と言われてジョブチェンジすらなかったのはショックだったな。
勝手に期待したのはわたしなんだけどさ。それにしたって操作できる仲間キャラもなしで、ココまで遊びが虚無とは思わないでしょ。
もうジョブチェンジなんて作るのが面倒になってるんだろうな。それならメディアやキャバ嬢に語れるような泣けるストーリーつくろうぜ!・・・なんて感じか。
ゲーマーとしてはFF3やFF5のハイビジュアルな後継作を望んでいるのだが。・・・それならFF14やれってか。
FF14はやってるけどさ、こういうのをオフゲーでまったりやりたいのよ。
DQXオフラインバージョンのように、ジョブチェンジがあるFFは『FF14オフライン』を待つしかないのか?
IGNJワタナベさんが動画の最後で語った『ナンバリングは要らない』という指摘は共感するところ。
本作がシリーズ後継作品でないなら、単体のFF作品だと割り切れたんだよね。それでもゲームの出来にケチはつくだろうが、ここまで低評価はつかなかったと思う。
FFはナンバリングごとに仕様が変わるものだし、それならもう次はFF17とは銘打たない方が賢明かな。
さすがにもうFF16に食指が伸びないが、2023年最大の話題作をタダで体験できたのは幸いなことかもしれない。
ゲーム配信者様ならびリアフレに感謝。
・・・しかし某ファミ通さん。
忖度の王者はさすがっス!!
やり込み要素?気持ちイイくらいのフルステマな見出し。
返金になったサイバーパンク2077はクロスレビューしない忖度した実績があるように、メーカーに媚びるスタンスは一貫している。
動画勢もクレームに敏感な投稿者たちが揃って高評価してるのが滑稽だわ。
視聴者を増やしたいにしても、そんなんでいいのかニホンジン・・・。
IGNJ動画の波紋はPC版まで及ぶかと思われる。
内容はド正論なので炎上はしてるのはステマラーが油をブチまいてるだけだし、それを真に受けてるひともクリア後には身に染みることだろう。
スクエニはくれぐれもIGNJの二人のせいにはしないでね。いや平均年齢高すぎィ・・・。
なんでこうなったFF16・・・。
漆黒編のラストを見返しましたが、いまだにトリハダ。
うーん。やっぱFF16は擁護しようがないほどチープ・・・。
だからとFF14をやれなんて軽く言えないのよね。漆黒編の感動は新生編から歩かないと味わえないもの。シャンピングポーションですっ飛ばすとか物語の解像度がガタ落ちだし。
14はある意味で不遇な作品だわ。
過去記事はこちら