こけ玉のブログ

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不惑の年などもうとうに過ぎたのに、いまだに自分の道も確立できていない。
そんな男の独り言。

本日の腸関連第3弾は書籍の紹介である。

本書は初版が2011年でデータがやや古く、糞便移植法のことなども掲載されていないが、便通改善がいかに大切かを基礎からわかりやすく解説されているので、一般向けの教養書として非常に読みやすいものとなっている。

先日の「便秘」の解説はここから多く引用させていただいた。

本書では下痢についても触れられているので、下痢でお悩みの方にも是非読んでみていただきたいと思う。

ここでは本書の後半に記載されている腸の整えるための食事療法、生活習慣をいくつかピックアップして紹介したい。

なお、症状別に摂るべき食材も変わってくるので、本書で紹介されているケースを参考にしてみてほしい。



【 食事療法 】

〇朝一番の水
目覚めてすぐのコップ一杯の水が健康に良いというのは昔から言われていることだが、要は胃を目覚めさせ、腸の蠕動運動をおこさせる作用ということのようである。

それが一日の胃腸の活動のリズムを作り出すという。

松生先生はその一杯から始まり、1日1.5~2.0リットルの水分摂取を推奨されているが、東洋医学的には無理にそこまでの水分摂取をしなくともよいのではないかと考える。

便秘に悩む方が改善のために一時的に一定期間摂る分には構わないが、改善後も習慣化させる必要はないのではないかと思う。

それは腎機能への過負荷になるからだ。

ただし、朝の起き掛けの冷たい水一杯は一日のリズムを作り出すという意味では有効だろう。

なお、先生は水の代わりにペパーミント・ジンジャー・ティーも推奨されている(作り方は本書参照のほどを)。


〇食物繊維
食物繊維が便秘改善にとって重要であることは広く言われていることだが、具体的にどのような効果を持って有効だと言われるのだろうか。

それは不溶性・水溶性それぞれの食物繊維の持つ〈保水性〉〈粘性〉〈吸着性〉〈発酵性〉などの性質によって、

①便を柔らかくし、かさも増す

②食べた物の腸内の移動をゆっくりとし、血糖値を上がりにくく、血中コレステロールを下げる

③有害物質や滞積すると害になりやすい胆汁酸、コレステロールなどを吸着して体外へ排出する

④大腸の中を酸性にし、悪玉菌を抑える

などの効果が挙げられる。

単に便を軟らかくして排泄しやすくするだけではなく、それ自体が腸の健康へ寄与しているのである。


では、どのような食材がいいのだろうか。

食物繊維と聞くと生野菜やサラダをイメージされることが多いが、大切なのは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスの取れた摂取なのだそうだ。

不溶性はセルロースなどが多く含まれるレタスやキャベツなど、食物繊維と聞いてイメージしやすいものである。

水溶性は昆布やワカメなどの海藻類、リンゴなど熟した果実に多く含まれるペクチンを多く含む食材だという。

この不溶性:水様性の食物繊維を2:1の割合でとると有効とのこと。

生野菜の不溶性食物繊維にばかりに偏りすぎるとかえって便秘を引き起こしやすくなるというのでご注意を。
 

摂取量としては1日25g以上をとるようにする。

松生先生はそれぞれの食材における食物繊維の含有量を200mlのカップ1つで計る、ワンカップ法を提唱している。

例えば同じ食材でも切り方によってワンカップに入る量は異なってくるので、この切り方をした場合にワンカップに入る食材に含まれる食物繊維はこのくらいというように。

これであれば何度か繰り返すうちに目分量でもおおよその含有量がつかめてくるのではないだろうか。

詳しくは本書を参照してほしいが一例を以下に。

食品

切り方と1カップ当たりの量

切り方と1カップ当たりの量

食物繊維(水溶性・不溶性)

食物繊維(水溶性・不溶性)

ごぼう

 

乱切り 80g

みじん切り 85g

4.6g(水1.8g 不2.8g)

4.8g(水1.9g 不2.9g)

玉ねぎ

1cm角切り 92g

みじん切り 105g

1.5g(水01.6g 不0.9g)

1.7g(水0.6g 不1.1g)

人参

乱切り 90g

みじん切り 115g

2.4g(水0.6g 不1.8g)

3.1g(水0.8g 不2.3g)

キャベツ

千切り 45g

みじん切り 65g

0.8g(水0.2g 不0.6g)

1.2g(水0.3g 不0.9g)




例えば、ごぼうを乱切りにした場合、200mlカップには約80g入り、含まれる食物繊維は水溶性1.8g、不溶性2.8gになるという計算である。

つまり、ごぼう、玉ねぎ、にんじん、キャベツをそれぞれみじん切りにして1カップずつ料理に使うと約10.8g(水溶性3.6g 不溶性7.2g)の食物繊維をとれることになる。

単純計算ではこれを三食とれば一日に必要な食物繊維は優に超え、水溶性:不溶性も1:2となり、非常にバランスが良いものとなる。

ほんの一例だが、葉物野菜よりは根菜類の方が食物繊維はよく取れることがわかる。


その他、マグネシウム、オリーブオイル、オリゴ糖、植物性乳酸菌、ビタミンC、グルタミン酸、魚、トリプトファン、スパイスなどが具体的な効能や摂取量などの紹介とともに推奨されている。

また、軽~中等度の便秘の方で、短期間での便秘改善を望む人の場合は1週間で効果が得られる「腸内リセット法」なるものも紹介されている。

ただし、1日目の下剤使用から始まって、どの食材をどのくらい取るか、食事管理の徹底が必要とされるので時間に余裕のある方向けの内容となっている。


本書では食事療法だけでなく、便秘改善のための生活習慣と補助療法も記載されている。

腸マッサージやウォーキングなどは予想の範囲内かもしれないが、「ミント温罨法 (おんあんぽう)」とか、パッセンジャータ、アロマテラピーなど、意外な効能を持つ方法なども紹介されているので、ぜひ参考にしてみてほしい。


そして最後に松生先生は、以上のような食事療法や生活習慣の改善を行ってもなかなか改善しない便秘の方は、是非とも便秘外来を受診されることを勧めておられる。

便秘そのものが健康に多大な影響を与えているのはもちろんだが、その便秘の裏に癌などの重大な疾患が潜んでいる場合もあるからだ。

調べてみると盛岡市内でも「便秘外来」を掲げている消化器内科クリニックはいくつかあるようなので、調べてみてほしい。

ただし、先生は専門外来は掲げていても、裏に重大な病気が潜んでいない場合には下剤を処方して終わりとするクリニックもあるとして注意を促している。

「下剤依存症」をあまり知らない医者もいるというのである。

確かに当院に来られる患者さんにも漫然と下剤が処方されっぱなしのままの人もおられる。

もちろん長く下剤に頼ってこられた方はいきなり中断することはできないが、下剤依存からの脱却を目指すクリニックを探してみてほしい。

是非とも健康な腸づくりのためにご一読をお勧めしたい。



 

 

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「刺さない鍼」で快適な治療を、

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盛岡・若園町の おのでら鍼灸経絡治療院 
URL: 
http://www.onodera-shinkyu.com/

 

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今回は、数年前の記事にはなるが、とても印象的だったので自宅で腸内の健康状態を調べる方法をご紹介したい。

それは健康科学企業「Zoe」が実施する「blue poop challenge(青いうんちチャレンジ)」である。

青の食用色素を摂取し、どれくらいの時間で排便されたかでお腹の健康をチェックできる企画である。

ここでは青いマフィンを使ってのチェックが紹介されている。

マフィンを食べた時間と、それが排泄された時間を記録する。

下記のサイトにてその時間を入力し、ほかにいくつかの質問に答えるとサイトがお腹の健康状態を診断してくれるという。

 

 

ゾーイ - 食事の炎症を軽減し、最も健康的な体重になります。 (joinzoe.com)

 



サイトでは食べた時間、排泄された時間、年齢、身長、体重、性別、国籍、ニックネームのほかに、どの食品をどれくらい食べるかなどのチェック項目があり、それらを入力するとメールアドレス記入欄が現れ、そこにアドレスを入力すると回答がもらえる仕組みになっているそうだ。

英語のサイトだが、自動翻訳により日本語表記に変換されるので、英語が分からなくともアクセスに問題はない。

単純に言えば、排泄されるまでに時間が短いほど腸内細菌叢がよく働いていると判断されるそうだが、入力が面倒な場合は、大雑把な目安としては、食べたものが排出されるまでの時間というのは24時間から72時間とされるので、24時間に近いほど腸内細菌がよく働いており、72時間を過ぎるようだとあまり働いていないと判断できるかもしれないとも記事では紹介されていた。

おそらくその通りであろう。

しかし、せっかくチャレンジするのであれば、もう少し詳細な判定をしてもらうほうがより有意義になるというものだ。



なお、青い色素であればマフィンでなくともいいのだろうとも記事では紹介されていた。

マフィンを作るというのは普段それほど料理をしない人や、そもそもオーブンなどを持っていない人にはちょっとハードルが高いかもしれない。

ただし、サイトでは丁寧にマフィンの作り方まで掲載されていたので、興味のある方はこちらもチャレンジしてみるといいだろう。

レシピは以下の通りである。

材料 マフィン12個分(6人分)
・中力粉 245g
・ベーキングパウダー 15g
・グラニュー糖 200g
・植物油(キャノーラ油やヒマワリ油) 100g
・水 230g
・バニラエッセンス 小さじ1
・青い 食用色素 色素 6g
(a href="https://amzn.to/2RhXqdu" target="_blank" title="">WILTON (ウィルトン) のロイヤルブルー使用)
※ネット検索しても色々売っている

 

作り方
1. オーブンを170度に予熱
2. 中力粉、ベーキングパウダー、グラニュー糖をよく混ぜ合わせる。
3. 植物油、水、バニラエッセンスを混ぜる
4. 2の生地の中央にくぼみを作り、3を入れる
5. 4の生地に 食用色素 色素を入れる
6. 泡立て器でとミックスをよく混ぜて、 食用色素 色素が全体に混ざるようにする
7. ミックスを マフィンカップに注ぐ(各65g)
8. オーブンで24~26分焼く(刺したくしにミックスがつかなければOK)
9. オーブンから出して20~30分冷ます

作り方の参考動画も紹介されていた。
https://www.youtube.com/watch?v=GDLEzUG8vRA&t=3s



やはり、マフィンはハードルが高いという方はもっと手軽に作れる何かを。

青いカレー(そもそも青くなるかな)、青いごはん、青いみそ汁、青い野菜炒め、ん~青色の食欲抑制効果は絶大である(笑)。

おっと、そうだ。

ホットケーキならばフライパンで比較的手軽に作れるかもしれない。

ちなみに、青色色素の量は12個のマフィン、6人前(1人2個ずつ)作るのに、245gの小麦粉に対し6g(小さじ1)使用することが推奨されている。

便にしっかり色素が出ることが必要だからであろう。

ホットケーキを作る際の分量の目安にしてみてほしい。

是非とも旺盛なチャレンジを!
 

 

 

 

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昨今、腸内環境を整えることがいかに様々な疾患を改善するうえで大切かが明らかになってきている。

「糞便移植」という治療法により腸内環境を整えることで、消化器疾患のみならず、パーキンソン病などの神経疾患やうつ病などの精神疾患、肥満なども改善されるという事実は実に衝撃的である。

それは逆に言えば、これまで日常的過ぎて疾患としてあまり重要視されてこなかった「便秘・下痢」を生命活動の危険信号の一つと捉えるべきであることを表しているのではないだろうか。

東洋医学でも様々な疾患改善の前提条件として「便通をよくすること」が言われている。

今一度、「排泄」という生命活動の重要さを学んでみよう。



そもそも我々は「腸」という存在を消化吸収の器官とだけ捉えてきたのではないだろうか。

その認識を根本から改める必要がありそうである。

「腸」は大きく分けて「小腸」「大腸」に分かれる。

そして「小腸」は十二指腸、空腸、回腸に分かれる。

十二指腸を別建てにして、空腸、回腸を「小腸」と呼ぶことも多い。

胃から十二指腸にかけて食べた物が消化される。

小腸ではさらに消化され、なおかつ栄養素のほとんどがここで吸収されていく。

残ったカスが大腸に送られるが、その時点ではまだドロドロ状態なので、大腸で水分やミネラルも吸収されて、あの見目麗しいうんちが出来上がっていく。



そんな腸は消化吸収以外に、以下のような役割も持っている。

〇解 毒
食べものの中に含まれる食品添加物や残留農薬、汚染物質など体外から侵入する毒素と、老廃物から発生するガスなどを便として体外へ出す作用である。

ちなみに、それら有害金属や有害化学物質などの毒素の75%は便として、20%は尿として、残り2%は毛髪として排毒(デトックス)されるとのこと。

残念ながら排出しきれない残りの数%によって我々の身体はいろいろな影響を受けるようだ。


〇免疫機構
解毒に関してはさもありなんだが、腸が免疫にも関わっていることはあまり知られていないのではないだろうか。

免疫の作用を持つリンパ球が、小腸、大腸の粘膜に、全身の60%も集中しているという。

つまり、体の中で最も大きな免疫系を構成しているのが腸ということだ。

これが「腸管免疫」と呼ばれる。

これも考えてみれば当然かもしれない。

体外から入ってきた毒素は添加物や残留農薬、有害金属などにとどまらず、ウイルスや細菌等の病原体も含まれているからだ。

この腸管免疫が働かなくなると便秘を引き起こし、逆に過敏になりすぎると過敏性腸症候群のように下痢を起こしやすくなる。


腸の動きは腸管免疫以外に、自律神経によってもコントロールされる。

交感神経が働くと、戦っている最中はトイレなどには行っていられないから腸の働きは抑制されるし、副交感神経が働くとリラックスモードでゆっくり排便ができる態勢になる。

だから、常に緊張を強いられるような生活パターンを繰り返していると交感神経優位の状態が続くので、腸の働きを阻害することになる。


また、腸が働きやすくなる一日の中のリズムというものもある。

朝起きてからお茶やコーヒーのカフェインや食物で胃が刺激され、腸の蠕動運動が起こり排便しやすくなるという。

自分も一日の中では圧倒的に午前中に排便することが多く、本当にその通りだと思う。

昼休みにはしっかり休憩をとることで副交感神経が働き、しっかり消化吸収ができるようになる。

昼が最も消化力が強いので、朝、昼にしっかり食事をとり、夜は控えるのが最も腸の働きのリズムに則しているのだそうだ。

仕事終わりとなる夕方以降はリラックスするので副交感神経が働き、胃酸はよく分泌されるのだが、腸の蠕動運動自体は深夜に向かって徐々に小さくなっていくので、夕飯の量は控えめのほうがいいというわけだ。

このような腸のリズムを無視した食生活、例えば朝食を抜くとか、夜遅くに食事をとるなどの生活をしていると、腸の働きを阻害することになる。

ただし、「朝の排せつの時間に余計な負荷をかけてはいけない」として「朝だけ断食」を提唱しておられる方もおり、どのような食生活が身体にとって良いのか、情報がかなり錯綜しているのが現実である。


さらに腸にとっては冷えもよくない。

特に夏場はエアコンに長時間さらされていたり、暑い外から冷えた部屋に入ることで急激な温度変化により自律神経の働きに乱れが生じ、腸の働きを阻害するもととなる。

さらに腸のリズムとも関わるが、便意があるのに我慢することもよくない。

これは腸の働きのサイクルを自分自身で壊すようなもので、繰り返すうちに便意そのものがあまり感じなくなっていき、結果便がたまり、固まって物理的に排出困難な状態に陥る。

便は硬くならないうちに、出たいときに出してあげなければならない。


そもそも正常な排便回数とはどんなものだろうか。

当院では初診の問診で必ず便通の具合を聞いているが、1日3回(普通便)から2~3日に1回までが正常とされている。

2~3日に1回程度であってもリズムが確立されていればあまり問題としなくていいらしい。

1週間に1~2回となると便秘となる。


排便の正常化のための大切な要素は他にもある。

食するものの内容と量である。

基本的にはやはり食物繊維の摂取がとても重要になってくる。

厚労省が出している「食品摂取基準」では18~49歳の女性の食物繊維摂取量は1日当たり20~21グラム(男性は26~27グラム)となっている。

しかし、実際は30~39歳の女性で12.7グラム、20~29歳女性では12.2グラムにとどまるという統計結果が出ている。

また、ダイエットなどで食べる量が少なくなりすぎても便秘になりやすい条件となってしまう。

腸に送られた内容物が少ないと腸壁への刺激が少なくなり、排便を促すだけの腸運動を引き出せなくなりがちだからである。

ある程度の量がたまるころには先の便が硬くなり、排便しにくくなるのである。


他にも女性の場合は生理前になるとホルモンバランスの変化で腸管運動の低下が起こりやすく便秘になりやすいだとか、開腹手術をすると内臓が空気に触れることで癒着を起こしやすくなり、「腸管癒着症」を起こすとどうしても器質的に便秘になりやすくなる。

また、加齢による腸の活動低下も便秘のもととなりやすい。

2019年の調べでは便秘の有訴者は男性25.3%、女性43.7%だが、65歳以上になると男性64.1%、女性72.3%に急増するという。

以上のように便秘を招きやすくなる条件というものは実に多い。



ちなみに、便秘の定義は訴えが主観に基づくものが多いだけになかなか難しく、かつては排便回数や量の少なさのみが掲げられていた。

しかし、実際には仮に排便そのものは毎日あったとしても、コロコロ便であったり、残便感があるなど正常な排便状態とは言えないことも多い。

そこで2000年にアメリカの消化器学会では「下腹部膨満感」「排ガス量」「排便回数」「残便感」「排便時の肛門の痛み」「便の量」「便の状態」などを複合的にとらえたものに変更されたという。

意外に最近の話である。

なお、本人に自覚症状がない場合でも、腹部X線画像により便の滞留が認められた場合には便秘と診断される。



では、便秘になるとどのような問題が生じるのか、改めてみてみよう。

〇食欲不振・胸やけ・逆流性食道炎
これは単純に物理的な問題で、腸に便がたまった状態になると、腸内で発生したガスが胃を押し上げ、胸やけや食欲低下をきたすというもの。

ある調査では便秘患者の約1割に逆流性食道炎の症状が見られるという。

このような逆流性食道炎には胃酸過多の薬など処方されても改善はせず、まずは便秘が解消されなjければならないそうだ。


〇大腸がんのリスク
大腸がんでは一般的に動物性脂肪や乳製品の摂取、運動不足などでリスクが高まると言われている。

しかし、便秘症の患者でも発生率が高まることも指摘されている。

便には胆汁酸という消化液が含まれるが、この胆汁酸はガンを促進する因子とされており、便秘の人の場合、腸内にたまった便により腸内の胆汁酸の濃度が上がることからも便秘を放置しておくと大腸がんのリスクを高めることが説明できる。


〇停滞腸
腸は蠕動(ぜんどう)運動によって食べ物を消化したり、先へ内容物を送ったりするが、その運動が停滞して動きが悪くなった状態のことである。

この用語は松生恒夫先生による造語であるが、ある程度排便はあるのに腹が張るとか、残便感がある、ポッコリお腹になるなどの症状が現れる。

この原因は朝食を抜く食生活、栄養バランスを欠いたダイエット、食物繊維の不足、ストレス、運動不足などが挙げられている。


〇冷え・肩こり・肌荒れ・肥満
冷え・肩こりと便秘はどちらが卵で、どちらが鶏かというような関係だが、いずれ交感神経優位の生活の中で併発する症状である。

また、肌荒れは腸の中で行き場をなくしたガスの影響で起きるものであり、便秘で肌荒れとなったら、腸内がどのような状態になっているかを想像した方がいいかもしれない。

食物繊維をしっかり摂取することで快便となり、中性脂肪が減るという研究結果がある。

その結果ダイエット効果も生まれる。

つまり、便秘による代謝の悪さは肥満を作りやすく、健康状態も悪くしているということを我々は改めて認識しなければならない。



いかがだろう。

あなたの排便は順調だと胸を張って言えるだろうか。

本人が苦痛を感じていなければ治療の必要なしとする向きもあるが、便秘を放置していていいことなど一つもない。

ましてや薬に頼って排泄するようになれば、ますます悪化の一途をたどるばかりである。

ひどい場合は下剤依存からの脱却に一年がかりとなる場合もある。

肝心なのはやはりいかに便秘にならない生活習慣を身につけるか、ということだろう。


明日につづく…。

 

 

 

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