この結果、
亀井亜紀子衆議院議員は前回の総選挙で落選しているので初登院という表現でもいいのだが、山田勝彦衆議院議員は、前回の総選挙で小選挙区に落選して比例復活していた議員で、今回その議員を辞して補欠選挙に臨んで当選したわけで初登院というのもおかしな話だ。
東京15区の酒井菜摘衆議院議員は本当の初登院にはなる。
本日の衆議院本会議は、新議員の紹介があり、酒井・亀井両議員が紹介された。山田議員は比例復活から小選挙区補欠当選者となったために紹介はされなかった。
法案の採決は以下の通り。
●放送法の一部を改正する法律案(213国会閣32)
放送法改正案は、古屋範子(公明)総務委員長から報告があり、賛成多数で可決。共産党は民業圧迫についてのエビデンスが示されていないことなどとして反対していた。もはやテレビの時代ではない。情報は国民が自ら積極的にとらえていくようになるだろう。その他、れいわ新選組も反対した。
●情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案(213国会閣40)
デジタル法改正案は、谷公一(自民)地域・こども・デジタル特別委員長から報告があり、賛成多数で可決。それほど紛糾もしなかった。しかし河野太郎大臣への不信はネット上では高まっているばかりだ。これも日本共産党及びれいわ新選組が反対した。
●育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案(213国会閣54)
育児・介護休業改正法案は、新谷正義(自民)厚生労働委員長から報告があり、全会一致で可決。厚労モノですんなり可決したのはあまりないような気がする。
●国際復興開発銀行協定の改正の受諾について承認を求めるの件(213国会条9)
●欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件(213国会条10)
●千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の二千九年の改正の受諾について承認を求めるの件(213国会条11)
【ケア編】世界への復興開発とCO2海底地層処分についての条約
3条約について勝俣孝明(自民)外務委員長から報告があり、最初の2条約は委員会では全会一致であったが本会議では賛成多数で承認。ロンドン条約は委員会・本会議ともに賛成多数で承認。復興開発銀行関連の条約はとくに問題はなかった。ロンドン条約については海底に二酸化炭素を埋め込むものである。気体である二酸化炭素を固化する技術が今後望まれる。
日本共産党はロンドン条約についてのみ反対し、れいわ新選組は3条約ともすべて反対した。
●金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案(213国会閣56)
金融商品取引法ほか改正案は、津島淳(自民)財務金融委員長から報告があり、賛成多数で可決した。採決中、「はんたーい」の掛け声あり。反対したのは立憲民主党・無所属、日本共産党、れいわ新選組の3会派だった。
岸田政権の掲げる「新しい資本主義」では、日本人の貯蓄志向をなんとか投資に流したいということなのだろう。ただ、そのようになるかどうかはわからない。このような政策よりも、減価する通貨を用いて流通速度を早めて流すことが最適である。
●新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(213国会閣23)
産業競争力強化法改正案は、岡本三成(公明)経済産業委員長から報告があり、賛成多数で可決した。これも金融の法案と同様、減価する通貨を用いて、お金が回っていく仕組みにしていかなければならない。
反対したのはレギュラーの日本共産党とれいわ新選組の他に、有志の会も反対に回った。
以上の法案はすべて衆議院先議であり、これから参議院に送られるため、まだ成立はしていない。なお条約の締結については衆議院が優越されるため、参議院に送付して仮に反対されたとしても条約承認は決定している。
最後に松本剛明総務大臣より地方自治法改正案の趣旨説明があった。
●地方自治法の一部を改正する法律案(213国会閣31)
【資料】ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申(案)
【参考資料】第33次地方制度調査会委員名簿(令和5年12月15日現在)
第33次地方制度調査会「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」(令和5年12月21日)を踏まえた法案となっている。
先月にざっと読んだが、武力攻撃など緊急事態における自治体の権限について書かれており、民権側から反対が起きそうな内容も含まれている。第33次地方制度調査会委員名簿を見ると、大学教授以外では、
・住友林業株式会社代表取締役会長
・地方公務員共済組合連合会理事長
・株式会社宣伝会議取締役
・株式会社コラボラボ代表取締役
などがおり、国会議員も委員になっていて、衆議院では自民2・立憲1・維新1となっている。
松本剛明総務大臣の趣旨説明では、
1.DXの進展を踏まえた対応
2.地域の多様な主体の連携及び協働の推進
3.大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における特例
が述べられた。
ただちに審議に入り、立憲、維新、共産、国民の4会派から代表質問がなされた。
“重大事態発生時の特例”地方自治法改正案 衆議院で審議入り | NHK
【衆本会議】西岡秀子議員が地方自治法改正案について質疑 | 新・国民民主党 - つくろう、新しい答え。
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質疑では、おおつき紅葉(立憲)議員はこの法案について怒りまくっていたので反対する模様である。さらに補欠選挙での3勝を誇らしく語り、政治改革を本気でやれるかどうかを問われるとした。
この法案については、まず目先の課題を議論するのではなく、根本的な問題を考えなくてはならない。つまり自治体が自力で財政力を持つことがまずあることだ。それがないから、国が面倒を見たり、国が主導しなくてはならなくなるわけだ。
江戸時代までを考えたらいい。藩が幕府に財政的に軍事的に面倒を見てくれなんて頼むことはなかった。それぞれが自立していた。それがなぜ今はできないのか、についての方法をどの政党も提示していないことが問題なのである。
今後はこの審議を掘り下げて考えてみよう。