昨日の衆議院内閣委員会では、午前中に人事院勧告についての質疑、午後から内閣提出の3法案についての審議となり、即日採決がなされています。
希望の党は維新の会のように国家公務員給与値上げに反対するのかと思いきや、民進党時代と全く変わりがありません。やはり看板の掛け替えだけにすぎないことが判明しました。
【議案】
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件(人事院勧告)
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(195国会閣1)
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(195国会閣2)
国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案(195国会閣3)
法案の担当大臣は梶山弘志国務大臣です。
【午前の質疑】
●山際大志郎委員長(自由民主党)10時 00分 01分
山際委員長は今回の総選挙では神奈川18区で連続当選。
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件(人事院勧告)について重点的に審議すると発言。
●森山浩行委員(立憲民主党・市民クラブ)10時 01分 20分
落選して五年間浪人した森山委員の質疑。大阪16区で公明党の北側一雄議員に敗れ、近畿比例区重複惜敗一位での復活当選。公務員の長期労働時間について、民間には厳しくしているのに公務員にはどうして規制が弱いのかについて等を質問。
●阿部知子理事(立憲民主党・市民クラブ)10時 21分 29分
比例代表で七回連続復活当選してきましたが、今回は立憲民主党から立候補して初めて小選挙区・神奈川12区で当選した方です。しかし今回初めて内閣委員会で質問に立ったとのこと。公務労働災害についての人事院の役割などについて質問。
●柿沢未途委員(希望の党・無所属クラブ)10時 50分 40分
小選挙区の東京15区で当選していたところ、今回の希望の党への逃亡で不信を買ったためか、小選挙区は落選し比例復活となりました。すでに妻は都民ファーストの会で都議選に立候補して落選し、総スカンをくらっていました。国民の常識は政治家にとって大変重要なものだと語っていましたが、ご本人はどうなんでしょうか。
●中川正春委員(無所属の会)11時 30分 09分
希望の党、立憲民主党のいずれにもいかず、民進党に党籍を残したまま三重2区より無所属で当選しています。国家公務員の女性活躍などについて質問。
●玉城デニー委員(自由党) 11時 39分 10分
今回は自由党の公認ではなく、無所属で立候補しても沖縄3区で当選し、当選後は自由党幹事長として続投。今回から内閣委員会に配属。人事院勧告について人事院に質問。人事院が基準としている50人以上の企業というのは地元・沖縄にはほとんどないことを述べていました。
●塩川鉄也委員(日本共産党) 11時 49分 11分
前回の総選挙では北関東比例区単独で、梅村さえ子前議員とともに当選しましたが、今回の北関東比例区は塩川議員のみが当選。非常勤職員の職員数増加とその在り方などについて質問。
【午後の質疑】
●山際大志郎委員長(自由民主党)13時 00分 01分
内閣提出法案の
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(195国会閣1)
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(195国会閣2)
国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案(195国会閣3)
について一括して議題としました。
●小寺裕雄委員(自由民主党) 13時 01分 21分
滋賀4区で初当選した県議出身。同区は武藤貴也前議員が多くの問題を抱え自民を離党し、出馬せず、自民党滋賀4区の後継として当選。公務員制度改革、地方創生、民間との給与比較についての仕組みについて質問。
・IT分野など人材が不足していると言われる分野において優秀な人材を確保するため、能力に見合った待遇で採用する制度を創設する必要があると考えるが、政府の見解を伺いたい。
・「経済財政運営と改革の基本方針 2017」(平成 29 年6月9日閣議決定)において「公務員の定年の引上げについて、具体的な検討を進める」とされているが、今後どのように検討を進めていくのか政府に伺いたい。
・優秀な人材確保、同一労働同一賃金の実現、人事評価の在り方など公務員制度における課題は山積みだが、今後どのような人事改革を行うつもりなのか、梶山国務大臣に伺いたい。
●濱村進委員(公明党) 13時 22分 20分
近畿比例区3位で当選。前回の総選挙は4位まで当選していましたが、今回は濱村議員の3位までが当選。民間との給与比較についての仕組みについて質問。民間比較としての妥当性をもっと詰めるべしとしました。また、非常勤職員の給与についても質問。
・国家公務員の初任給に関して、民間企業との給与水準の差はどの程度あるのか、また、同水準にする必要があると考えるが、政府に伺いたい。
・「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業研究会提言~パラレルキャリア・ジャパンを目指して~」
(平成 29 年3月)において言及されている公務員の兼業・副業解禁の検討について梶山国務大臣の見解を伺いたい。
・兼業に係るガイドラインを策定するなど、国家公務員の兼業を推進することは、地方への影響を通じて地方創生に資すると考えるが、梶山国務大臣の見解を伺いたい。
●森山浩行委員(立憲民主党・市民クラブ) 13時 42分 14分
非常勤職員への不利益な扱い是正について質問。
・民間において正規雇用労働者と比べ非正規雇用労働者が受けている不利益な扱いを是正するために、国は民間に対してどのような呼び掛けを行っているのか。
・各府省における非常勤職員について、職員数及び5年前と比較した増減を伺いたい。
・国家公務員の慶弔に係る休暇について、常勤職員と非常勤職員の間の差異を伺いたい。
●後藤祐一理事(希望の党・無所属クラブ) 13時 56分 21分
前回は神奈川16区で義家弘介議員を破って当選しましたが、ご多分に漏れず民進党からいち早く希望の党結党に参加して総スカンをくらい、南関東比例区で復活当選。前回の公務員給与値上げ法可決時の附帯決議(職員との意見交換)について質問。希望の党に入っても、民進党時代と同様、公務員労組の側に立った質疑であるようにも見えます。
・国家公務員制度改革基本法第 12 条に規定される自律的労使関係制度の措置に関し、最近1、2年において担当大臣はどのくらい職員団体との意見交換を行っているのか、梶山国務大臣自身の実績と併せて伺いたい。
・国家公務員の非常勤職員の期末手当・勤勉手当に相当する給与について、全体としての支給率及び支給率が低い府省を伺いたい。
・公務員の退職手当引下げに伴う駆け込み退職者は、叙勲の対象外にするという考えについて、検討の可否を梶山国務大臣に伺いたい。
●中川正春委員(無所属の会) 14時 17分 15分
国家公務員が地方に出向することについて。国で課長である人は自治体でも課長であってしかるべきではないか、実際には霞ヶ関の課長は地方では副市長などになっており、給与についての格差も指摘。
・国から地方自治体への出向において、異動元と異動先での役職の格が揃っておらず地方が格下となる傾向があるが、こうした慣行を見直していくべきではないか、梶山国務大臣の見解を伺いたい。
・国家公務員の人事評価の在り方についてどのように考えるか、梶山国務大臣の見解を伺いたい。
●塩川鉄也委員(日本共産党) 14時 32分 16分
値下げされてしまう退職手当法改正案について、退職後の不安があるのではないかとの質問。
・退職手当について、人事院は労働条件性を認めているが、政府としては勤続報償の性格が強いとしながらも労働条件として扱っている民間の退職手当と官民比較を行っているのは筋が通らないのではないか。
・人事院による退職手当の調査内容について、退職の際、民間では雇用保険の適用があるが、公務ではその適用がないことを官民比較で考慮していないのは、公務員の特殊性をとらえた官民比較になっていないのではないか。
・給与制度の総合的見直しによる現給保障の措置が来年3月末で終了になるが、現に賃下げとなる公務員が生じることは適当ではなく、賃下げ回避を行うべきと考えるが、梶山国務大臣の見解を伺いたい。
●浦野靖人委員(日本維新の会) 14時 48分 14分
大阪15区で、「力士は体がでかいから別のことはあまりできない」と発言した竹本直一議員に敗れ、近畿比例区の最下位で復活当選。第二次安倍政権以降の国家公務員の人件費の増加額について質問。
・第2次安倍政権発足後、公務員の人件費について、国と地方でそれぞれどれくらい上昇しているのか。
・第2次安倍政権以降、政府が行財政改革の取組によって生みだした財源はいくらか。
・公務員の給与の引上げより、介護士や保育士の給与を引き上げるほうが優先順位が高いと考えるが、梶山国務大臣の見解を伺いたい
【討論】
●塩川鉄也委員(日本共産党) 15時 02分 02分
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(195国会閣2)
国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案(195国会閣3)
について反対討論。退職金は賃金と同等であるとした最高裁の判例を引用しています。
特別職は内閣総理大臣などであるから給与の値上げについて賛成。
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(195国会閣1)
について賛成。
●浦野靖人委員(日本維新の会) 15時 04分 04分
3法案とも反対しました。民間との比較が適正ではなく、高いほうに合わせていることが問題としています。
【採決】
●一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(195国会閣1)
賛成=自民、立憲、希望、公明、無会、共産、自由
反対=維新
●特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(195国会閣2)
賛成=自民、立憲、希望、公明、無会
反対=共産、維新、自由
●国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案(195国会閣3)
賛成=自民、立憲、希望、公明、無会
反対=共産、維新、自由