つづきです。
しかし,カツヤの知能は 並はずれて良いのにも 関わらず,成績は いまいちパッとしない。
授業中は,間違った答えを 発表しちゃったら イヤだからと言って 挙手をしない。
課題を与えられても 周りの人の答えや考えを見てからでないと、ノートに何も書けない。
普段は とっても ふてぶてしいカツヤなのだが,授業中は 借りてきた 猫のようである。
たまに 口を開けば,悪態 または お下品な言葉を 連発するのだった。
あるとき,カツヤの連絡帳を見ると 母親からの 長い手紙が あった。
大まかな内容は 次のようなものだ。
「週末,カツヤが 突然 スノーボードに 行かないと 言い出した。
聞けば,スキー場には 人がたくさんおり 風邪をうつされやすいから,
先生が 行ってはいけない と言ったとのこと。
わが家では 毎週 スノーボードに行くことを 楽しみにしており,
普段 忙しくて カツヤと 一緒にいてあげられないことへの 罪滅ぼしでもある。
家庭生活にまで 口を出さないで 欲しい。」
最初 なんのことやら わからなかったが,思い当たることがあった。
インフルエンザが蔓延しているから 人混みには行かない方がよい,
ということを帰りの会で話したのだ。
そのとき,珍しくカツヤが手を挙げ
「じゃあ,スノボは行けない?」
と質問した。私は,
「それは、お家の人に 聞いてみてくださいね。」
と答えた。そのことが曲がって伝わってしまったのだろうか。
早速,カツヤに 週末のできごとを 聞いてみた。
モジモジして,言葉に困っているようだったが
「だって,おら スノボ いやだったんだもん。」
と小さな声で言った。
「おら 本当は 日曜日ぐらいは テレビ見たり,プレステやったり,ぼーっとしたりしたい。
おら 疲れてるの。
ホントは頑張らなきゃいけないんだけどぉ・・・。」
私は カツヤの手を 握りながら,
「お母さんの気持ちを考えると 言えなかったんだね。
カツヤは 優しいね。」
と言うと,珍しく素直にうなずいた。
連絡帳には,カツヤが言っていたことを もとに 返事を書いた。
最後に,「カツヤ君は 本当に やさしい子ですね。」と付け加えて。
次の日,母親からの 返事が 戻ってきた。
「子どもの気持ちも 分からず,お恥ずかしい限りです。
申し訳ありませんでした。」
「がんばる」ことは,カツヤと 母親の間の 太い絆だ。
母親は 歯を食いしばって 仕事をし,カツヤは 眠い目をこすって 勉強をする。
カツヤにとって,がんばらないことは”悪いこと”であり,
がんばらないことは”愛されない”ことである。
カツヤを見ていると そんな感じがして ならない。
教員やってた人は みんな そうだと思うけれど、
ふとした瞬間に 「あの子元気かな~」と 思い出します。
カツヤが 欲しかったのは、物でも レクリエーションでもなく、
コミュニケーションだったんじゃないかなぁ、とか。
会話を通じで、本音が話せたり、そのままのカツヤを 受け止めてもらえたりする、
それだけで よかったんじゃないかなぁ、…とか。
カツヤは、もう とっくに成人しています。
どんな大人になっているだろう。(遠い目)。
長いお話を ご覧くださり、ありがとうございました。
なんだか、書いていて しんみりしてしまいました…。
私の講座に来ると、こういう裏話が 聞けますよ。
聞きたい、という 要望があれば、ですが♪
場所:茨城県 ひたちなか市(4月~ 月曜日コース・土曜日コース)
参考記事
コーチングのお仕事って?~ハートストリングコーチング講座
ハートストリングス子育てコーチング講座
少人数で子育てコーチング!
ハートストリングス子育てコーチング終了!
伝わるのは言葉だけではない
自分と他人は違う、という当たり前のこと
<講座内容>
子どもと信頼関係を築く「聴き方」
子どもがやる気を出す「認め方・ほめ方」
子どもの心に届く「叱り方・伝え方」
子どもの可能性を引き出す「質問力」
子どもと話し合う「問題解決力・論理的思考力」
その問題は 誰のもの?「心の線の引き方」
楽しく子育てするヒント「子育てストレスコントロール」
まとめ・フォローアップ(お茶会・無料です)
第一・第三 月曜日コース
第一・第三 土曜日コース
(いずれも10時~12時)
ガーデンヒルズU 2階 (ひたちなか市笹野町・海野ガーデン2階)
一回 3000円×7回 (テキスト代 1500円)
定員5名(先着)
連絡先 wakuda.mika@gmail.com
件名 ハートストリングス申し込み
お名前・連絡先(電話番号)・学びたいこと
*やむをえず 休まれたときは、補講もいたします