住宅構造の基礎知識…まとめ
9月30日(水)
早いもので今日で9月も終わり、明日から10月。
≪住宅構造の基礎知識シリーズ≫も今日が最終回です。
≪在来軸組工法≫の≪2階建住宅≫にスポットを当て
素人の立場で、そして≪お施主様≫の立場から進めてきました。
・建築基準法の変遷
・地盤調査
・基礎
・木造建築物
今日の≪まとめ≫で8回シリーズとなりました。
≪木造建築物≫のチェックの最終回は
≪(4)横架材のチェック≫です。
つまり、『床倍率(水平構面)』の検討です。
耐力壁がその強さをバランスよく発揮するには、
床の剛性が確かでなくてはならない。
それを数値的に確かめるのが≪床倍率(水平構面≫の検討です。
水平構面の弱い建物は耐力壁が強固に造られていても、
地震や台風に対する抵抗力はありません。
では、≪水平構面≫とは何か?
複数の耐力壁を上部で横につないで一体化している面のこと。
普通に言えば
2階の耐力壁については、小屋梁・桁・火打ち梁・屋根面
1階の耐力壁については、2階床面の梁・胴差・火打ち梁
耐力壁がその性能を発揮するには、その耐力壁に連なる
上下階の水平構面の剛性が保たれなくてはならない。
と、いうことです。
但し、この床面の剛性を数値として表示することは
建築基準法の規定では特段の定めはありません。
これを規定しているのは
『住宅の品質確保の促進等に関する法律』の
≪通称:品確法≫
『住宅性能表示制度』の中の
『耐震等級1~3』及び『耐風等級1~2』で定められています。
※素人ですので、この辺まで押さえておけばよいのでは。
以上が、住宅構造の基礎知識です。
ところで
住宅の構造の部分は、完成後はほとんど見えなくなります。
実際、あなたの契約した住宅会社は、
①素人のあなた(お施主様)に、住宅の構造について
分るように説明してくれていますか?
そして
②素人のあなた(お施主様)に、施工のチェックの仕方を
分りやすく教えてくれていますか?
・弊社の住宅は、構造耐力に優れた『ベタ基礎』です。
・弊社の住宅は、『耐震等級2』です。
・弊社の住宅は、耐力壁は『壁倍率オール2.0以上』です。
・弊社の住宅は、柱は全て『4寸』です。
・弊社の住宅は、金物は全て『JIS規格』です。
・弊社の住宅は、……
そして
・弊社は、『施工管理体制が万全』です。
更に
・弊社は、『社内の検査体制が万全』です。
・弊社は、『アフターサービス体制が万全』です。
責任施工でお客様に大変ご満足いただいております。
※『建築請負契約』は、建物引渡しと代金受領で全て完了です。
※≪住宅瑕疵担保履行法≫で全て担保することはできません。
※アフターサービスは全て無償ではありません。
本当なの? その根拠は?
なんか専門知識がないと…良く分りません?
みんな設計上の話であって、施工は別では?
完成したらほとんど見えなくなるのでは?
だったら、例えば
素人でも分る『お客様自身のチェック表』を
事前にお施主様に渡しておいて、
≪どのタイミングで現場に足を運べばよいのか?≫
≪お客様が現場でどこを見てチェックしたら良いのか?≫
更に
定期的に現場責任者が、お施主様と一緒に
構造チェックする日程を決めて、実施。
この程度の社内体制はとれるのではないでしょうかネ。
最も重要な構造について
『弊社は、お客様と一緒にチェックしています。』
こんな住宅会社あると…良いのでは!
では、また…
住宅構造の基礎知識…③木造建築物(4)
今日も引き続き、
≪木造建築物の構造≫の木工事の基礎知識について
≪(3)接合部のチェック≫
在来軸組工法の2階建ての住宅です。
前回は、≪筋かいの接合部≫についてでした。
今日は、≪柱の接合部≫についてです。
≪柱の接合部≫の規定については
【2000年(平成12年)建設省告示1460号】
※繰り返しになりますが、
この【2000年(平成12年)建設省告示1460号】が
≪住宅の構造≫の上で非常に重要であり、
それ故、2000年以前の住宅と本告示以降に
建築確認申請した住宅とは全く別な構造であることが
ご理解頂けます。
※法令ですので、ちょっとお堅い表現になりますが…我慢して下さい。
同告示≪第二項≫
『壁を設け又は筋かいを入れた軸組の柱の柱脚及び柱頭の仕口に
あっては、軸組の種類と柱の配置に応じて、平屋部分又は最上階の
柱にあっては次の表一に、その他の柱にあっては次の表二に、それぞれ
掲げる表三(い)から(ぬ)までに定めるところによらなければならない。
ただし、……』
※表一~表三は、法令集orネットでご確認下さい。
それから、お堅いついでに
同告示≪第三項≫
『その他の構造耐力上主要な部分の継手又は仕口にあっては、
ボルト締、かすがい打、込み栓打その他の構造方法によりその部分の
存在応力を伝えるように緊結したものでなくてはならない。』
私も素人、あなたも素人です。
要は、素人が構造を考える上で
≪柱の接合部分≫はどのように規定されているか、です。
詳細の規定は、相当複雑です。
告示1460号から選定する方法とは別に
≪N値計算≫により選定することで接合金物を減らすことも可能です。
そこで
非常にざっくりと、そして簡潔に言えば
・柱はの接合部は、≪1本1本≫規定されている。
・≪筋かいの入っている柱≫と≪それ以外の柱≫の
接合は違う。
柱は1本1本違います。
そこで、限定した事例で
≪条件(1)≫
・2階建住宅の1階の柱
・2階および1階の柱が出隅(角で出ている部分)
・厚さ3㎝幅9㎝の筋かいが1本入っている
この場合の告示1460号の柱頭・柱脚の仕口は
1)3.2㎜厚の羽子板ボルトを用い柱にはボルト締め、
横架材には4.5㎜厚・40㎜角座金を介してナット締め
2)3.2㎜厚の鋼板添え板を用い、上下階の連続柱にはボルト締め
≪条件(2)≫
・2階建住宅の1階の柱
・2階および1階の柱が出隅(角で出ている部分)
・厚さ4.5㎝幅9㎝の筋かいが1本入っている
この場合の告示1460号の柱頭・柱脚の仕口は
3.2㎜厚のホールダウンHD-B15を用い、柱にはボルト3本、
横架材(土台を除く)および基礎もしくは上下階の連続する柱に
対しては当該金物に止め付けたボルトを介して緊結する
≪条件(1)≫と≪条件(2)≫の違いは
『筋かいの厚さが3㎝か4.5㎝かの違いだけです。』
でも、それだけの違いだけで、仕口の仕様はこれだけ違います。
※この仕口の使用は、≪N値計算≫で減らすことも可能です。
ここで、何か変だなあ?…当然なのかなあ?…の疑問が
『厚さ3㎝の筋かいより、厚さ4.5㎝の筋かいの方が』
『壁倍率が1.5より、壁倍率2.0の柱の仕口の方が』
厳しい仕様になっていることです。
素人の言い方で
繰り返しですが
『柱の接合は1本1本違う』
そして、
『頑丈な壁を造ると言うことは、頑丈な筋かいを入れること』
であり
『筋かい・柱の接合は、頑丈な金物の取付けが必要になる』
ことです。
当社は
『オール4寸柱』
『壁倍率がオール3.0以上』…
これだけで、構造上の安全性を謳うことができません。
つまり
『適正な壁量』
『バランスの良い耐力壁の配置』
そして
『≪筋かい≫と≪柱≫の接合が適切に施工』
されているかが、最大の問題であること、です。
あなたの選んだ住宅会社は、
この辺のことをあなた(お施主様)に
分りやすく説明してくれていますか?
では、また…
住宅構造の基礎知識…③木造建築物(3)
9月26日(土)
前回に引き続き、
≪木造建築物の構造≫の木工事の基礎知識について
≪(3)接合部のチェック≫
在来軸組工法の2階建ての住宅です。
『耐力壁の強さは、
軸組を構成する柱・筋かい等の接合部の強さに関連』
堅い表現で
1.軸組筋かい端部の仕口
2.軸組柱の柱頭および柱脚の仕口の必要耐力と構造方法
柔らかい表現で
≪筋かい・柱の取付け方法は、
1本1本その種類ごとに詳細に仕様が決まっている≫
です。
根拠の法令は
≪2000年(平成12年)の建設省告示1460号≫
≪建築基準法施行令47条第1項≫によるものです。
因みに
≪建築基準法施行令47条第1項≫
構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締め、
かすがい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める構造
方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなけれ
ばならない。……
そして、
≪2000年建設省告示1460号≫
建築基準法第47条に規定する木造の継手及び仕口の構造
方法は、次に定めるところによらなければならない。……
以下、種類ごとに詳細に規定されています。
例えば
筋かいの端部の仕口の規定では
(1)厚さ3㎝以上で幅9㎝以上の木材の場合
・厚さ1.6㎜の鋼板添え板を
・筋かいに対し径12㎜のボルト締め
・筋かいに対しては長さ6.5㎜の太め鉄丸釘3本を平打ち
・柱に対しては長さ6.5㎜の太め鉄丸釘3本を平打ち
・横架材(梁・桁)に対しては長さ6.5㎜の太め鉄丸釘4本を平打ち
(2)厚さ4.5㎝以上で幅9㎝以上の木材の場合
・厚さ2.3㎜の鋼板添え板を
・筋かいに対し径12㎜のボルト締め
・筋かいに対しては長さ5.0㎜で径4.5㎜のスクリュー釘7本を平打ち
・柱に対しては長さ5.0㎜で径4.5㎜のスクリュー釘5本を平打ち
・横架材(梁・桁)に対しては長さ5.0㎜で径4.5㎜のスクリュー釘5本を平打ち
※鋼板は、よく聞く≪Z金物≫です。
最近は、≪Z金物≫と同じ機能の≪S金物≫
あるいは、同等性能の認定を受けた≪D金物≫が多く使用されています。
だいぶ細かい面倒な仕様です。
要は
≪筋かいの厚さ(ここでは3㎝と4.5㎝)でも、
これだけの違いがあること≫
です。
また、鋼板・ボルト・釘も
日本工業規格(JIS)で規定されたものを使用しなくてはなりません。
こうして、耐力壁が出来上がっている訳です。
これだけでも、あなたも現場で確認できます。
・『厚さ4.5㎝で幅9㎝の筋かい、…これが壁倍率2.0の耐力壁か』
・『鋼板は、≪D金物≫で厚さは2.3㎜か』
※鋼板に≪Z≫・≪S≫・≪D≫と表示されています。
・『釘は、長さ5.0㎜で径4.5㎜のスクリュー釘か』
・『本数は、筋かいに7本・柱に5本・横架材に5本か』
…なるほど、OK OK!
規定の鋼板・ボルト・釘を適切に使用、適切に施工していないからと言って
どの程度の影響があるかは、全く不明です。
さほど影響も受けないかもしれません?
が、…これは、あなたと施工会社との契約で決まったことです。
完成後は、みんな見えなくなる部分です。
この程度の知識で、あなたの住宅も守られるかもしれません。
≪住宅瑕疵担保履行法≫でどの程度の補償が受けられるか?
その時になってみなければ、誰も分りません。
まして、≪住宅瑕疵担保履行法≫の保証期間は10年。
でも
あなたの≪住宅ローン≫は35年?
です。
更に、現場に行くのも楽しくなるのでは!
≪柱の仕口≫については、次回で…
では、また…