住宅構造の基礎知識…③木造建築物(2)
9月25日(金)
今日は、昨日に引続き
≪木造建築物の構造≫の木工事の基礎知識について
≪(2)壁配置バランス≫のチェック
これは、軸組配置の偏りをチェック、
通常 ≪1/4ルール≫と言われています。
法令の根拠は、
≪2000年(平成12年)の建設省告示1352号≫
≪建築基準法施行令第46条第4項≫によるものです。
普通に考えると、当然ともいえる内容です。
昨日の≪(1)壁量のチェック≫だけであれば、
≪必要壁量≫を充たす≪有効壁量≫で、OKでした。
でも、
『北側には耐力壁が十分に配置されているが、
南側は、採光・通風等で窓だらけ』で≪必要壁量≫を
充たしている。…これでは、地震・風圧に耐えられない。
この辺は、私を含めて素人でも納得できるのでは。
※耐力壁: 壁量の算定に含むことができる壁のこと。
壁は、≪耐力壁≫と≪間仕切り壁≫に区分。
正確な規定は別にして、ここでは、筋かいの入っている壁
間仕切り壁: 筋かいの入っていない、居室・ホール等を仕切る壁
通常、間仕切り壁は リフォーム等で撤去・追加OK
昔の家を見ると(我が家もそうですが)、南側は窓だらけ
出隅(家の角で出っ張っている部分、コーナー部分)にも
耐力壁もない始末です。
『建物の外周部分に耐力壁がバランスよく配置』
されていません。
つまり、
≪(2)壁配置バランスのチェック≫とは、
この『建物の外周部分に耐力壁がバランスよく配置』の検討です。
※この検討の際、先ず前提として
『構造計算により各階の張り間方向・桁行き方向の
偏心率が0.3以下を確認した場合は、特に考慮の必要はない』
但し、通常は構造計算しませんので、下記の検討が必要です。
≪偏心≫と≪重心≫については、専門家orネットでご確認ください。
検討は、(以下、簡単に表現)
①平面図の両端からそれぞれ≪1/4の部分≫の
各階の張り間・桁行き方向の≪耐力壁≫の長さが
≪床面積≫から算出した≪必要壁量≫をみたしているかどうか。
≪壁量充足率:存在壁量÷必要壁量≫
この壁量充足率が≪1.0≫を超えていればOK
②この壁量充足率が≪1.0以下≫の場合は
≪壁率比≫を検討します。
張り間方向では、左右の存在壁量の比率
桁行き方向では、上下の存在壁量の比率を、検討します。
この数値が≪0.5以上≫で、OKです。
文章で表現しても分りにくいですネ。
図解で説明した解説書が多数ありますので、
ご確認ください。
最初は、何のこと?と思うかもしれませんが、
図面を眺めて電卓で計算してみると、以外に簡単。
施工現場に行った時も
『ああこれが耐力壁』で
『この壁の壁倍率が2.0』で
『東西南北の耐力壁のバランスは、どうか』…と
現場に行くのが楽しくなります。
ここでのキーワードは
≪存在壁量≫・≪必要壁量≫・≪壁量充足率≫・≪壁率比≫です。
何となくで…結構です。
要は
≪耐力壁≫が家全体として、必要な量を充たすと同時に
側端(家の外周)部分にバランス良く配置されているか、です。
ざっくりといえば、
『開口部が南側や東側に偏った配置の家は
構造上、良くない。』…
≪家全体の耐力壁の量≫と
≪東西南北の耐力壁のバランス≫が重要。
次回は、≪(3)接合部のチェック≫について
では、また…
住宅構造の基礎知識…③木造建築物(1)
9月24日(木)
シルバーウィークは、天候にも恵まれ各地で大賑わい。
経済効果も相当あったのでは。
本題
今日から、≪木造建築物の構造≫の木工事の基礎知識について
RC造・鉄骨造・2×4造の住宅も沢山ありますが、
住宅の約70%を占める、
≪在来軸組工法≫の≪2階建住宅≫についてです。
原則、 ≪構造計算≫は必要ありません。
建築基準法で≪構造計算≫は、
『木造建築物で3以上の階を有し、または延床面積が500㎡、高さ13m
若しくは軒の高さが9mを超える』と規定。
つまり、
2階建以下・延床面積500m以下・高さ13m以下・軒の高さ9m以下の
木造建築物は、≪構造計算≫は必要ありません。
構造計算をしないから不安?
イエイエそんなことは決してありません。
建築基準法施行令で、下記のようなチェック事項を省略できません。
(1)壁量のチェック
(2)壁配置バランスのチェック
(3)接合部のチェック
(4)基礎のチェック
(5)横架材のチェック
以下、これらのポイントについて
なお、私自身は、建築士ではありませんので詳細は分りかねます。
あくまで素人(住宅を求める立場)からのポイントです。
また、複雑な検証や例外事項は除外しております。
※詳細についての確認は、専門家(建築士)にお尋ねください。
では
(1)壁量のチェックについて
水平力(地震力と風圧力)に対する安全性です。
①≪壁倍率≫
※詳細は、建築基準法施行令第46条
・壁倍率1.5:『厚さ3.0㎝以上で幅9.0㎝以上の木材の筋かい』が入った壁
・壁倍率2.0:『厚さ4.5㎝以上で幅9.0㎝以上の木材の筋かい』が入った壁
タスキ掛け(交差して2本)は、その2倍
最大は、5倍まで(合計して6.0倍でも計算は5.0倍まで)
※最近は、筋かいでなく構造用合板が使われるケースも
・壁倍率2.5:厚さ7.5㎜以上の構造用合板
②有効壁量
上記の壁の長さを乗じて算出します。
例えば、3尺(910㎜)壁に壁倍率2.0の筋かいの入った壁であれば、
有効壁量:91㎝×2.0=182㎝
この有効壁量を1階と2階のそれぞれ≪張り間方向≫と≪けた行方向≫
を計算して、その長さが、≪必要壁量≫以上かどうか?の検証です。
必要壁量は、
・地震力については、床面積から算出
・風圧力については、見付面積(立面鉛直投影図)から算出
※そんなに難しい計算ではありません。
設計図面がお手元にきたら計算してみましょう。
これらを全てクリアーした有効壁量(設計壁量)であれば、
『(1)壁量のチェック』は、OK!
素人のキーワードは
≪地震力≫・≪風圧力≫・≪壁倍率≫・≪有効壁量≫・≪必要壁量≫
です。
でも
壁倍率4.0の壁を多く造れば、壁の長さが少なくてすむの?
そうです。
≪壁倍率4.0の壁の長さ≫は、≪壁倍率2.0の壁の長さ≫の半分で、OKです。
そこで、偏った壁にならないために
『(2)壁配置バランスのチェック』が必要になります。
この辺は、あす以降に
では、また…
住宅構造の基礎知識…②基礎
9月21日(月)
シルバーウィーク真っ只中。
新政府の方々は、休日返上で頑張っている様子。
宜しくお願いします。
本題
≪住宅構造の基礎知識…その②基礎≫
住宅の基礎の種類は
独立基礎・布基礎・ベタ基礎・杭基礎に区分。
その中で、一般的には布基礎とベタ基礎。
でも、今では北海道等の極端な寒冷地でない限り
≪ベタ基礎≫が全国標準では。
当社の標準は、≪布基礎≫ですが、
安全性を重視して≪ベタ基礎≫をお薦めします。
『仕様変更でプラス50万円です。』…?
≪ベタ基礎≫は、構造耐力が高い上、シロアリ・地表からの湿気等を防除。
決して特殊な基礎ではありません。全国標準です。
何故?当初の仕様が≪ベタ基礎≫でないの?
………まあ、これも住宅会社の売り方なのか?
基礎構造は、当然≪建築基準法施工令≫で詳細に決められています。
※平成20年建設省告示第1347号
建築基準法施工令38条第3項及び4項…ご参照
≪ベタ基礎とする場合 一部抜粋、≫
・一体の鉄筋コンクリート造
・連続した立上り部分を設ける
・立上りの高さは地上部分で30㎝以上
・立上りの部分の厚さは12㎝以上
・基礎の底盤の厚さは12㎝以上
・根入れの深さは12㎝以上、かつ凍結深度より深い
・鉄筋は立上り部分の主筋は径12mm以上の異形鉄筋…
…鉄筋についてはその他詳細に
更に、コンクリートの強度や鉄筋のかぶり厚…
様々な技術的な基準は、明確に規定されています。
これらは専門分野になりますので、私を含めて
初めて住宅を求める方には、分りにくい部分です。
以前は、この辺は施工業者任せでしたが、
今年の10月1日以降引渡しを受ける新築住宅から安心。
≪住宅瑕疵担保履行法≫により、担保されます。
そして、基礎の工事時点で、第三者による検査があるから。
でも、あなたの住宅です。
工事現場に出掛けて行き、施工業者(下請)や現場管理している技術者に
率直に疑問を投げかけてみては、如何でしょうか?
例えば、
『基礎の立上りの高さと厚さは?』
『コンクリートの養生は何日?』
『鉄筋の間隔と径は?』
そして、寒冷地であれば『凍結深度は?』
…
もし、
現場管理している技術者の答えが、曖昧であったら
これは困ったものです。
あなたの住宅の基礎を理解する上でも
また、この先の≪木工事≫を確実に施工して頂くためにも。
では、また…