本格的なエフェクトの使い方。ZenBeatsのコンプレッサーエフェクトについてです。
コンプレッサーは、クラシックDTM的にZC1のソフトシンセ音源を鳴らす分には、あまり効果が、よく分からないエフェクターです。
実際に使用してみると
「各種プリセット」
・デフォルト・・基本となるコンプの設定です。
・Drums・・基本となるドラムキット向けのコンプ設定。キックなど低域を大きくコンプレッションしメリハリを生みます。(ローカットを左に向けて調整し、低域にコンプを加えましょう)
・Drums2・・基本となるドラムキット向けのコンプ設定です。全体の迫力を増します。
・Guitar・・基本となるギター向けのコンプ設定です。クリーンギターの迫力を増します。
・Mellow and Slow・・スローアタックのコンプ設定です。
・Mix Bus・・ミックスBus(バス)に使う、全体の2MIX向けのコンプ設定です。全体の迫力を増します。
・Pump・・早めのアタックと早めのリリースによりアタックを強調するコンプ設定です。トランジェント部分を強く強調します。
・Synths・・シンセサイザー向けのコンプ設定。
・Vocals・・ボーカル向けのコンプ設定。
となっており、プリセットを選ぶだけでも、かなりの効果が期待できるでしょう。
(Drumsプリセットは、やや使い方が難しいですね)
なぜ効果が、よくわからないのか?と言えば、最初から抑揚・ダイナミックスが抑えられた加工されたサウンドがZC1を通してなっているからなのです。
そのため、クラシックDTM的にZC1のソフトシンセ音源を鳴らし、マルチティンバー的に複数のパートを鳴らし、インストゥルメント楽曲を創っている場合には、あまり、お世話になる事はないでしょう(笑)
それよりも「作曲・編曲の内容を充実させる事が大事」だと思います。
そこからパワーアップして、実際にボーカルを録音してZenBeats上で鳴らしてみると、音源やループなどと違って、生々しいダイナミックス・抑揚が、ついてる事が、はっきりと聴いて分かります。
そこから、コンプレッサー・エフェクトが、かなり活躍します!
「パラメーター」
・しきい値・・レシオで設定された「圧縮の割合」に対して、どのぐらい強く圧縮するのかを決めます。下げれば下げるほど深くかかりコンプレッションされます。
・レシオ・・圧縮の割合です。1:1、2:1、3:1・・そして∞:1と大きく圧縮する割合を決めます。
・ローカット・・右に回すほど、低域にコンプレッサーがかかる具合をカットします。完全に回し切ると何もかからなくなります。
・アタック・・コンプレッサーの圧縮の立ち上がり。
・リリース・・コンプレッサーの圧縮の余韻です。
・ゲイン・・コンプレッサーで圧縮した後の、音量の出力です。
ボーカルなどを上手に加工すると、まさに音源やループのエンジニアリング処理された、聴きやすい音楽的なサウンドが手に入ります。まずは、Vocalsのプリセットを試しましょう!
実際の使い方としては、まず「レシオ」を必要な分だけ調整します。どれだけサウンドを圧縮するか?が、まず最初に大事になります。次には「しきい値」を調整し、コンプレッションかかり具合を実際に確かめて使用しましょう!
ローカットは、左に回し切っておき、全ての周波数域にコンプレッションが、かかる方が分かりやすいです。
基本的には、メーターを見ながらコンプレッションした分だけ、「ゲイン」を上げます。
黄色い右上方から下に向かうメーターがコンプレッション量を示します。
差し引きゼロ
で、音量感が上がるのが好ましいです。
実際には、波形の迫力を増すためにゲインで音量感を(振幅を)持ち上げても構いません。
「アタック」ではコンプレッションの立ち上がりを調整でき、「リリース」では余韻を調整できます。
基本的にはアタック遅め、リリース遅めで緩やかな変化でコンプレッションすると良いでしょう。
「レシオの変化」縦軸:出力音量 横軸:入力音量
レシオ 1:1
レシオ 2:1
レシオ 3:1
レシオ ∞:1
レシオ ∞:1 アタック最速、リリース短め の設定での極端なコンプレッション。
(俗に言う海苔(のり)波形ですね。音楽的ではありません)
プリセットGuitarを使用
また、コンプレッサー・エフェクトは、
ギターなどのサウンドのアタックの強調や抑える事、音量感の増幅に、よく使われます。
(パラメーターとしてはアタックを速くする事で、トランジェント部分を強調できます。)
この場合は、ギターエフェクトのマルチエフェクト・プロセッサーやモデリングDSPアンプ・ソフトの「エフェクターの一つ」としてプリセットされている事が、ほとんどです。
そのために、特に意識をせずに使っていけます。
シンセサイザーサウンドにも、時に音圧を得るために有効です。
音圧が足りないな?と思った時に、エフェクターとしてコンプレッサー・エフェクトをインサート・エフェクトで使用します!
すると、音圧があがり、迫力のあるサウンドが出せるようになります。
エレクトロニックのドラムサウンドの強調にもよく使われます。
同じように、生々しいドラムサウンドの迫力の上昇にも定番として使われます。
出来れば、ドラムサウンドを一つ一つ、コンプレッションして
(さらにイコライザーなどを使用)いくのが望ましいです。
ZenBeatsでは、なかなか大変な処理ではありますが、生々しい音源を使用する場合。ConcertoのDRUM Studioなどで試すと上手にラウドで派手なドラムサウンドが作れるでしょう!
(現在なんと無償です!)
Zenologyでは、一つ一つのドラムサウンドにコンプレッションを8基個別に割り当てる事が出来、音源の中でもドラムサウンドの迫力をDAWのミキサーと同じように作り出せます。
「ヒント」ライブでもコンプレッサー・エフェクトを使おう!
これはハードウェア・シンセサイザーにおいても同じです。
FA-06にも手軽にコンプレッサー・エフェクトを、かける事ができる便利な仕組みになっています。ほどほどに、音圧を高めてあげると、ラウドな音の中に埋もれるバンドの中でもシンセサイザーサウンドが、はっきりと聴こえるようになるでしょう!
「ヒント」プロフェッショナルはコンプレッサー・エフェクトを上手に使いこなせる
Cubaseのコンプレッサー・エフェクト
Wavesのコンプレッサー・エフェクト
など、便利なコンプレッサーには無数に種類があります、プロフェッショナルになると、毎日一つ一つその違いを確かめるぐらいの熱意をもって、常にエフェクトの情報を掴み取って吟味しているものです。
ほんの少しの違いでも、こだわるのがプロフェッショナルなのだと思います。逆に言えば、一つ一つの違いを聴き分ける「物理的な耳の良さ」を得る事が出来たらエンジニアリングはプロ級に達していると言えるでしょう。
(弘法は筆を選ばないものですが。一応、吟味はする)
中には、ほんの少ししかサウンドに色が付かないようなコンプレッサーがたくさんあります。名機とされるビンテージ・モデリング・コンプレッサーの多くが、その中に入ります。
コンプレッションというよりは、真空管で作られた「微妙なアナログ機器の温かみ」を付加するような(笑)
そのために、まずは大きく変化する未来的なコンプレッサーを上手に扱えることが、初心者から中級者へ到達するための必要なステップだと思います。