魔性のTシャツ | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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気になるTシャツがある…

いや、正確に言うと
最初は気にも留めなかった。

さらに正確に言えば
最初は“何これ?”という感じだった。
むしろ鼻で笑ってしまったと言ってもいい。

おそらく全国のメンズビギスタッフが、
そう思ったに違いない。

それがつい先日入荷したばかりの
この新作Tシャツである。

なんと❗
ブランドロゴ入りTシャツなのだ。

今どき、ロゴ T ⁉

何かの間違いだろうか?

当初の企画にはなかった商品なので、
最初はノベルティか
セール用スタッフTシャツかと思い、
タグを見たら¥4,900と書かれている。
どうやら本物の商品らしい。

私は日頃から、
その商品が生まれた意図や背景について
持ち前の想像力を膨らませ、
徹底的に追究するタイプである。

我々ファッション販売員は、
作り手以上にその商品の魅力を引き出し、
それをお客様に伝えてく使命があるからだ。

しかし…
私の長いキャリアを持ってしても、
このTシャツの意図がサッパリ分からない。
ロゴ入りTシャツが最新のトレンドという
情報も全く掴んでいない。

圧倒的なネームバリューがある
ブランドのロゴなら話は別だ。
もし、スタバでノートパソコンを開くなら、
断然リンゴのロゴマークがある方がいい。
私ならシールでも構わない。あ、ウソ。

しかし、こんな私が言うのもなんだが、
ウチはメンズビギである。
全盛期の80年代ならいざ知らず、
どう贔屓目にみても逆効果だ。


私は煮え切らない思いで
このTシャツを店頭に出すことにしたが、
生憎セール中で棚が塞がっているので、
取りあえずレジカウンター横の壁に掛けた。

ここは何かと目に触れる機会が多い場所だ。
セールの忙しい最中も視界に入ってくる。
べつに意識しているつもりはないが、
なぜかついつい目が行ってしまう。
もしかしたら、潜在意識に訴える何かが
あるのかもしれない…

手が空いたのでマジマジと見て触ってみた。
すると、襟元のリブの太さといい、
ネック周りの絶妙なカーブラインといい、
薄くも厚くもないモッチリした質感といい、
これは私が理想とするTシャツだったのだ!

こうなってくると、
さっきまで“何これ?”と思った胸元のロゴも、計算され尽くした秀逸なデザインに見えてくるから不思議だ。

一見、何のヒネリもない
手抜き?とも感じられた無造作なデザインは、黒のフレームのサイズや太さといい、
ロゴのサイズやフォントといい、
その下にさりげなく配置された
「TOKYO  JAPAN」と「1975」といい、
これ以上ないバランスの上に
成り立っていることにやっと気づいたのだ。

このクラスになると、
もはやトレンドなんて無意味だ。
むしろ拒絶していると言ってもいい。

見る者の感性が試されるという意味では
挑戦的ですらある。

敢えてのメンズビギのロゴには、
超一級のヒネリやユーモアも感じる。

シュールである。
ワビサビさえ感じる。

視点を変えれば世界が違って見えてくる…
そんなことをも教えてくれるTシャツなんて
かつてあっただろうか?

深読みすればするほど、
その底知れぬ完成度の高さに
畏怖の念を抱き始めた私は、
中西と仁田を呼び集め、

これは傑作Tシャツだぞ❗

と高らかに宣言した。


最初は気にも留めなかった存在なのに、
徐々に自分の中で大きな存在になっていく…
この感じって、
遠い昔に経験したことがあるような気が…

私はなんだか既視感に似たものを覚えた。
久しく味わったことのない、
心が締め付けられるような甘酸っぱい感覚…
これは一体何だろう?

そうだ、 だ❗


このTシャツを見て、
笑いたいヤツは笑えばいい。
(私も笑ったが…)
バカにしたければバカにすればいい。
(私もバカにしたが…)
でも、気をつけた方がいい。
それは自分自身の審美眼のレベルを
曝け出すに等しいからだ。

しかし、それもしょうがないだろう。
人間は自分の理解を超える
スゴいモノに初めて遭遇した時、
往々にして正常な判断力を失い
ただ力なく笑うしかなくなるのだ。


こんなTシャツ、
また何時出逢えるか分からない…

私はもちろん買った。
仁田も買った。
元アルバイトのタケも買った。
顧客のK様とO様も買った。
私がもう1枚買えば完売である。
最初は全員鼻で笑ってたのに…

皆、いつの間にか
このTシャツの虜になってしまったのだ。

これはまるで、
“魔性の女”
のようなTシャツである


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男を虜にする“魔性の女 ”
で思い浮かぶのはヤッパリこの二人…

一人目は「スティーヴィー・ニックス」
あどけないルックスに意外とハスキーな声。
映画「スクール・オブ・ロック」では
名門学校の堅物女校長も隠れファンだった。

                     「Stevie Nicks」
               “Edge Of seventeen”


そしてもう一人は「ケイト・ブッシュ」
エキセントリックな“天使と悪魔”である。
誰もが一度は耳にしたであろうこの一曲!

                       「Kate Bush」
                “Wuthering Heights”
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メンズビギ  マルイシティ横浜店  GMより

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