内臓が溶ける? 膵炎 その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

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今日は、昨日の「内臓が溶ける? 膵炎 その1」 からの続き、急性膵炎についてお届けします。


日本膵臓学会の『急性膵炎診療ガイドライン』 によると、日本での急性膵炎患者数は、1998年には10万人当たり15.4人だったのに対し、2002年には10万人当たり27.7人と、急増しています。それでも、アメリカの70人/10万人/年に比べたら、少ないんですけどね。世界的には、まぁ「平均的」というところだそうです。


急性膵炎のうち、重症なものは、特定疾患(難病)指定されていて、治療費の公費負担が認められています。難病指定されるってことは、治りにくい病気だってことよ~。重症急性膵炎は、急性膵炎全体の25~30%。


急性膵炎は、男性に多く、女性の2.2倍。原因は、男性の場合、アルコールが50%で、胆石が18%。女性は、胆石が37%で、アルコールが9%。


ところが、アルコールを60g(ビールなら1.2リットル、日本酒なら2合強、ワインなら500cc)以上を毎日飲む人は、急性膵炎の高リスク群となるんだけど、男性91.5人/10万人/年、女性81.9人/10万人/年と、男女差はあまりありません。


じゃぁ、毎日それだけ飲む人が、み~んな急性膵炎を1度や2度は経験するのか?というと、それがそうでもないんだなぁ…。高リスク群ではあるけれど、25年間に発症するのは、2~3%なんですって。それでも、飲まない人よりなりやすいのは確かですけどね。


どうやら、アルコール摂取量に、アルコール以外の誘因が加味されて、発症するらしい。体質とか、食事バランスとか、喫煙習慣とか、コレステロール値とか、いろいろ考えられるけど、「これだ!」とはまだよくわかってないみたいです。


急性膵炎の症状は、
・上腹部の急性腹痛と圧痛(ときに、筋性防御も)
・背中への放散痛
・食欲不振、悪心嘔吐
・発熱、頻脈
・白血球の増加
・血中または尿中のアミラーゼやエラスターゼなど膵酵素量の増加
など。


急性膵炎の治療は、絶飲食と輸液。これだけです。痛みの緩和に鎮痛剤が用いられることはありますが、膵炎そのものを治す薬はありません。


なぜ絶飲食するか?というと、膵液が出ると、膵臓がさらに溶けて、膵炎が悪化するから。飲まず食わずなら、膵液は出ませんからね。そうやって膵臓を休ませて、炎症が治まるのを待つ。


軽症であれば、数日で炎症は治まりますが、膵臓が完全に回復するには半年ほどかかります。つまり、急性膵炎をおこすと、半年間は禁酒ってことよ~。


回復期には、おかゆからスタートします。1回の量を少なくして、4~5回に分けて食べる。ビタミン・ミネラルが不足しやすいので、これはサプリメントで補足されます。


じょじょに、炭水化物に、野菜やくだものを加えていき、油脂類と肉類は最後。味付けは、もちろん薄味。なぜそうする必要があるか?というと、膵液分泌を少しずつ増やしていくため。つまり、ソフトランディングさせるためね。


いきなり肉とか食べちゃうと、濃い味付けもそうだけど、胃液の分泌が多くなって、結果的に膵液分泌が増えちゃうでしょ。そうなると、せっかく治まった炎症が、また再発するでしょ。


実際、アルコール性急性膵炎の再発率は46%と高いです。ソフトランディングの失敗とか、のど元過ぎれば熱さを忘れるとか、そんなことがあるみたい。胆石性の場合は、胆石そのものを治療すれば、再発は少ない。


急性膵炎の再発予防には、
・アルコール摂取は適量で。飲まない日をつくる。
・脂肪分の多い食事を避ける。
・野菜を摂る。
・食事は規則正しく。
・よく噛んで食べる。
・胆石性の場合は、コレステロールの多い食事を避ける。


急性膵炎の原因には、アルコールや胆石、原因不明の特発性のほかに、胆道系の手術、胃切除術、アセトアミノフェンやアザチオプリンなどの薬剤、高脂血症(トリグリセリド1000~2000mg/dl以上)、HIV感染、遺伝、妊娠、ウイルス(ムンプス、コクサッキーB、B型肝炎、帯状疱疹など)、細菌、真菌、マイコプラズマ、膠原病などがあるそうです。


うちの母は、2度ほど、急性膵炎になりました。彼女は、胆石持ちでしたから、それだけで膵炎リスクは高かったワケだけど、発症の誘因はストレスでしたね。自律神経バランスが狂うと、膵臓にも影響する。


急性膵炎予防のためにも、食事はバランスよく、飲酒はほどほどに、消化を助けるためにも適度に運動して、ストレス解消、睡眠もしっかり。これが健康管理の王道ですね。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


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