生活不活発病って何? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


先日、あるTV番組で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實 先生が、「不活動症候群には予防策が必要」というお話をされていました。不活動症候群?耳慣れない言葉でした。避難所の話題でしたので、なんとな~く想像はつきましたけど…。


調べてみたら、生活不活発病のことだったんですね。簡単にいうと、「動かない」ことで、からだのあちこちに不調が生じて、さらに「動けなくなる」病気。学術用語では、廃用症候群といいます。ネーミングとしては、廃用よりは、不活発あるいは不活動のほうが、わかりやすいですね。


廃用症候群は、病気やケガによって長く安静状態を続けた結果、心身の機能が低下してしまう状態を指すもの。それが、日常生活での活動が不活発になることでも、同じようになるってことで、生活不活発病あるいは生活不活動症候群と名づけられたようです。


過去の震災でも多発したことから、今回の東日本大震災でも、厚労省から注意喚起されています。避難所生活では「動きにくい」から、つい「動かない」でいると、「動けない」状態になっちゃうから、気をつけてねってこと。


健康な人でも、安静を続けていると、1週間で10~20%も筋力が低下し、それを回復するには、1か月もかかるといわれています。高齢な方であれば、なおさらですね。


生活不活発病の症状としては、↓次のようなものがあらわれます。


① 運動器系の症状

・筋力低下

・肩こり、腰痛

・筋委縮

・関節拘縮

・骨粗しょう症


② 循環器系の症状

・褥瘡(床ずれ)

・心機能の低下

・むくみ

・起立性低血圧(立ちくらみ)

・静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群


③ 呼吸器系の症状

・沈下性肺炎

・誤嚥性肺炎


④ 消化器系・泌尿器系の症状

・括約筋障害(便秘、尿便失禁)

・尿路結石

・尿閉


⑤ 精神・神経系の症状

・抑うつ状態

・仮性痴呆

・見当識障害

・睡眠障害


生活不活発病では、歩行、食事、入浴、洗面、トイレなど身の回りの動作が不自由になり、家事、仕事、趣味、スポーツ、人との付き合いなど、日常の活動も低下します。つまり、生活行為の量も質も低下して、家庭や地域社会での役割も低下してしまう。


生活不活発病は、不活発であることで、不自由になり、さらに不活発になって、病気として悪化していく…という悪循環に陥りやすいんです。初期のうちに、負の連鎖は断ち切りたい。それには、予防が一番です。


予防するには、何が必要か?やっぱり、面倒でも「動くこと」ですね。まずは、朝起きて、顔を洗って、着替えて、食事して、片付けて、掃除して、歩いて…と、日常生活の動作をこなすこと。さらに、人と会話して、運動して、サークルに入って…など、社会活動に参加しましょう。


ということは、サポートする側として、避難所では、人々が動きやすいように、通路を広げたり、手すりをつけたり、食事をとる場所を別に設けたり、それぞれ何らかの役割分担を持ってもらうようにしたり…といった工夫が必要。つまり、「動かざるを得ない」環境づくりも、大切ですね。


ご家庭での環境づくりには、家事を手伝ってもらうのが、いいんじゃないかしら?たとえうまくできなくても、ほめて、おだてて、感謝して、自主的にやってくれるようになるまで、上手に誘導しましょう。一緒にウォーキングや体操をするのもいいかな。


生活不活発病、何も避難生活をされている方だけじゃなくて、定年退職された方や、続けていたスポーツをやめた方、パソコンやゲームにのめり込んでいる方などにも当てはまりますよ。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


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