おはようございます
昨日の「みかんが黄色になると、医者がかくれる?」 の続きです。
昔は、冬になると、庭先でミカンの皮を干している光景をよく目にしたものです。ミカンには、からだを温める作用があるので、入浴剤として使われていたんですね。
毛細血管を強くしてくれるヘスぺリジンは、ミカン全体に含まれていますが、特に多いのが袋とスジで、皮にももちろん含まれていますよ。ヘスぺリジンについてはこちら→Hesperidin(ヘスぺリジン)の話 。
また、ミカンの皮の芳香成分には、緊張しているときにはリラックスを、疲れているときには元気をもたらす成分があって、免疫機能もアップしてくれます。オレンジやマンダリンはあるのに、ミカンの精油をみかけないのは、ジュースにするより丸ごと売られることが多いからかしら…。
陳皮の入浴剤
① 食べた後のミカンの皮を天日干しする。
② ①をガーゼの袋に10個分ほど入れて、お湯につける。
からだを温め、血行をよくしてくれるので、美肌にもカゼの予防にもなります。
陳皮茶
① ミカンの皮を天日干しして、完全に乾燥させ、細かく刻む。
② ①を10gほど、カップに入れ、熱湯を注ぎ、3~4分置いてから、冷めないうちに飲む。
酸味があるので、ハチミツを加えると飲みやすくなります。痰の切れをよくして、咳を鎮めますが、温性なので黄色い痰には向きません。
陳皮の煎じ薬
① 細かく刻んだ陳皮5~10gを耐熱ポットに入れ、水を400ml加える。
② 3分の2から半分くらいの量になるまで、①を煮詰める。
③ ②を1日3回に分けて服用する。
健胃作用があり、食前の服用なら食欲亢進に、食後なら消化吸収促進になります。これも、ハチミツを加えると飲みやすくなりますよ。
カゼ引きさんには、すりおろしたショウガを加えて、熱いうちに飲ませると、風寒邪 を発散します。また、食積 ・痰湿 や気滞・血お などに対しても発散作用があり、気のめぐりをととのえます。
陳皮の副作用
陳皮単独での副作用報告は見当たりませんでしたが、にも書いたように、からだを温める作用があるため、黄色い鼻水や痰の出るカゼには不向きです。また、昨日も書いたように、肝陽亢進 タイプ、食積 痰湿 タイプの人は、ミカンを食べ過ぎないようにしましょう。
陳皮(ちんぴ)をつくるには、無農薬有機栽培でワックスも使われていないものを選んでくださいね。しっかり乾燥するまで天日干しして、湿気ないように保存しましょう。
ミカンは、丸ごと火であぶったり水煮したりして、皮ごと食べるのもいいみたいです。でも、陳皮茶もそうですが、皮を食べるのは、マーマレードになっていれば別ですけど、モソモソしそうじゃないですか?
そうそう、身近なところでは、陳皮は、長野八幡屋礒五郎 と東京やげん掘 の七味唐辛子に入ってます。でも、日本三大七味屋さんのもう一店、京都清水の七味屋本舗 のには入ってないんですね。↓ほら。
八幡屋礒五郎 … 唐辛子、山椒、黒胡麻、紫蘇、麻の実、生姜、陳皮
やげん堀 … 唐辛子、焼唐辛子、山椒、黒胡麻、麻の実、芥子の実、陳皮
七味屋本舗 …唐辛子、山椒、黒胡麻、白胡麻、紫蘇、青海苔、麻の実
我が家の七味は八幡屋礒五郎です。みなさんのお宅は? 一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
追記:
陳皮をつくるのにいいのは、実は、果樹園のミカンじゃなくて、庭のミカンなんですって。しかも、植えっぱなしのヤツがいいみたい。生薬として漢方薬局で売られている陳皮は、果物屋さんの甘いミカンじゃなくて、原種の酸っぱいミカン。果物屋さんのミカンは、生薬成分は薄くなってるようです。
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