花も葉も生薬になるスイカズラ | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


昨日は早朝に起きて、日本vsデンマーク戦を観て、2時間ほどまた寝て。寝不足でしたけど、目覚めはスッキリ。仕事も気分よく進みました。日本中、そんな方が多かったんじゃないかしら。


先月のことですが、住宅街の中の畑のすみっこで、スイカズラの花をみつけました。必ず2個ずつ並んで咲いていて、5弁の花びらのひとつだけ下向きで、可愛らしい花ですよね。これって、確か生薬になるはず…と思って、調べてみました。


春月の『ちょこっと健康術』-スイカズラ


スイカズラは「吸い蔓」と書き、日本原産で、九州の山間部から北海道まで、どこでもみることができますし、朝鮮半島から中国にも分布しています。


名前の由来には、甘い蜜を吸うから、花の形が何かを吸うときの唇に似てるから、水をたくさん吸う蔓だから、おできの吸いだしに使うから…など、諸説あります。


生薬名(中国名)、葉と茎は「忍冬(にんどう)」で、冬でも葉を落とさず、寒さを耐え忍ぶところから来ています。花は「金銀花」で、白く咲いた花がやがて黄色くなるから。↓こんなふうにね。


春月の『ちょこっと健康術』


1 忍冬(にんどう) … 葉と茎


性味 は、寒性で甘味。夏から秋にかけて収穫し、陰干ししたものが生薬になります。解毒、利尿、消炎、抗菌などの作用があり、おでき、あせも、湿疹、かぶれ、リウマチ、炎症性神経痛、筋肉痛などに使われます。


① 煎じ薬: 1日に、10~20gを500~600mlの水で煎じ、食間に3回に分けて服用

② 冷湿布: 煎じ薬を冷ましてガーゼに浸す

③ 入浴剤: 50~100gを布袋に入れ、1800mlの水で煎じてから、煎じ液と忍冬の袋をお風呂に入れる


2 金銀花(きんぎんか) … 花蕾


性味 は、忍冬と同様、寒性で甘味。4~5月に、つぼみのうちに収穫して、陰干しします。忍冬と同じ作用がありますが、金銀花のほうが解毒作用が強いと言われ、軽度の胃潰瘍や、腫れもので化膿しやすいタイプには、忍冬よりよく使われるようです。


① 煎じ薬: 1日に、10~15gを500~600mlの水で煎じ、食間に3回に分けて服用

② 冷湿布: 煎じ薬を冷ましてガーゼに浸す

③ 入浴剤: 50~100gを布袋に入れ、1800mlの水で煎じてから、煎じ液と金銀花の袋をお風呂に入れる

④ 金銀花酒: 100gに対して1800mlのホワイトリカー、適当量の氷砂糖を入れて1ヶ月漬け込む


3 副作用


今のところ、生薬としての忍冬や金銀花について、重大な副作用の報告は見当たりませんでした。唯一みられたのは、金銀花・黄ごん・連翹の成分を抽出した中国製の注射剤(双黄連注射剤)による死亡例の報告。これは薬剤そのものの問題なのか、品質の問題なのか、難しいところです。


金銀花茶を販売しているサイトの説明書きに、「冷え性によい」と書かれているものがありました。いや~、それはないでしょう。だって、↑に書いたように寒性ですもの。炎症性の病気に効く薬ですから、清熱作用があるわけで、冷やしはしても温めることはない!性味は確認しなきゃね。


夏の間、かゆみを伴うあせもに悩むタイプの方には、忍冬あるいは金銀花の入浴剤、いいかもしれませんね。今回参考にしたのは、『家庭で使える薬用植物大事典』(家の光協会)、『日本薬草全書』(新日本法規)、『生薬単』(NTS)、『薬用植物一覧表』(イー薬草・ドット・コム )、『中国最新情報』(東洋学術出版社 )でした。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』

これは虫よけになるゼラニウム


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