35歳年上の夫は師匠でエイリアン!  -3ページ目

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

 

 

 

 

私たちの最後の会話は、

喧嘩だったのだ。

 

 

 

あれが最後になると

分かっていたら。

 

私は、あんなことは

言わなかった。

 

絶体に。

 

 

 

″ あんなこと " 

 

それが、

どんなことなのか。

 

 

心苦しくて、とても

ここには書けない。

 

あまりにも自分が

惨めになるから。

 

 

 

一度文字にして

しまったら最後。

 

あの日の記憶に憑りつかれ、

がんじがらめに

縛り上げられてしまう。

 

私は、それが恐ろしい。

 

 

 

だから、そう。

 

私が文字にすることができないのは、

もっぱら私自身の保身のためだ。

 

 

 

 

なんて馬鹿だったんだろう。

なんて残酷だったんだろう。

 

 

 

 

今更、悔やんでも

どうにもならない。

 

取り返しなど

つくはずもない。

 

たとえ、どれだけ

泣いたところで。
 

 

 

 

あの電話での喧嘩の数日後に

師匠が道端で行き倒れていたことは

恐らく偶然ではない。

 

私の発言によって心を痛めた先生は、

ろくに食事が喉を通らなかったに違いない。

 

 

 

 

 

「搬送されたとき、ほとんど

胃に何も入っていませんでした」

 

 

 

 

 

主治医に、こう言われた。

 

 

 

十中八九、

間違いない。

 

 

私が、あのおっさんを

あそこまで追い込んだのだ。

 

私が、あのおっさんを

半殺しにしたのだ。

 

あの言葉で。

 

 

 

 

これは、私が生涯

背負っていく十字架。

 

先生と子供たちに

対して。

 

 

誰にも渡すことはできないし、

誰にも引き受けてもらえない。

 

一生、私だけのものだ。

 

 

 

 

 

今では、

もうないのだが。

 

師匠が亡くなって

数年の間だっただろうか。

 

 

別の視点から、このことを

観ていたのであろう私自身が、

時折こう語りかけてきた。

 

 

 

 

 

「でもね。『この人は明日死んでしまうかもしれない』

なんてことをいつも、それこそ毎日考えてばかりいたら、

言いたいことも、言わなければいけないことも

なんにも言えなくなってしまうじゃないの」

 

 

 

 

 

まあね。

その通りだと思う。

 

正論この上ない。

 

 

 

でもね。

 

物には、言い方と

いうものがある。

 

たとえ

どんな時でも。

 

 

 

自分の言っていることが

正しいとさえ思っていれば、

 

何をどんな風に伝えても構わない、

などということは決してない。

 

 

そんな理屈は、

ただの独りよがりだ。

 

 

なぜならば、

相手には心があるから。

 

私にもあるように。

 

 

 

忘れたか。

言葉は武器だということを。

 

人を助けもするが、

殺しもするのだということを。

 

 

 

自分が可愛いのは結構。

誰しも自分が可愛い。

 

 

 

ただね。

 

あなたが自分を大切に思うのと

まったく同じように、

 

相手も自分自身を

大切に思っている。

 

 

それの何がいけない。

それがどうして分からない。

 

 

一体、何のために

でっかい大脳を授けてもらって

生まれてきたんだ。

 

想像力を力一杯

駆使するためじゃないのか。

 

相手の心に寄り添うことが

できるようにと。

 

 

年だけ食って、口だけ達者になって、

相手を遣り込めるためなんかじゃない。

 

 

違うのか。

 

 

 

今の私は、断固として

こう反論する。

 

 

 

 

 

近年の私が思うこと、それは。

 

私がこの世を去る前に、

このことを子供たちに伝えて

おかなければならないということ。

 

ここに書くことのできない

″ あんなこと " も含めて。

 

 

 

 

伴侶を得た長男に。

 

これから先の人生で

きっと得るであろう、

次男や娘に。

 

 

 

この心残りを。

口惜しさを。

やるせなさを。

 

 

今日と同じ明日など、

決して来ないのだということを。

 

たとえどれだけ

似通って見えたとしても、

 

同じ日、同じ瞬間は、

二度とは訪れないのだということを。

 

 

 

だから、愛を。

 

自分のためでいいから。

それで、構わないから。

 

いや、始まりは

そうでなくてはいけない。

 

自分への愛こそが、

愛すると心に決めた人への

愛へと、自ずと繋がっていく。

 

自分を愛せなければ、

自分の周りにいる人も愛せない。

 

私は、そう思う。

 

 

 

だからこそ、愛を。

出し惜しみせずに、愛を。

 

 

 

 

母ちゃんには。

 

あの日のことを

あなたたちのパパに

許してもらえるかどうか

訊く術はありません。

 

 

 

母ちゃんが、

パパにしてしまったこと。

 

本当に申し訳

ありませんでした。

 

いつか、あなたたちに

許してもらえる日が

来るでしょうか。

 

 

 

 

 

長男

次男

 

あのおっさんの

大切な子供たち。

 

 

 

どうか、どうか。

 

あなたたちは、

母ちゃんと同じ涙を

流さないでください。

 

 

 

 

 

 

 

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