35歳年上の夫は師匠でエイリアン!  -4ページ目

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

 

 

先月半ば。

私は地獄を見ていた。

 

少なくとも、

私にとっては地獄だった。

 

 

布団に入っても眠れず、

夜中に起き出しては

階下へ行き。

 

居間をうろうろしつつ、

神棚を見上げ。

 

泣きながら

手を合わせた。

 

 

 

まるで発作のように

襲い掛かって来る

不安と恐怖。

 

 

それは何も

夜に限ったことでは

なかったけれど。

 

 

 

私にしてみれば。

 

しんと静まり返った

真っ暗な冬の真夜中には、

 

あらゆる嫌なものが

増幅される気がした。

 

 

挙句。

 

昼間以上に、

私の手足を痺れさせ、

胃を掻き回す。

 

 

もはや。

 

雪が降る夜の寒さを

感じる余裕すらなかった。

 

 

 

そんな夜が、

幾晩あっただろう。

 

 

 

まあ、今にしたって。

 

状況が変わったわけでは

ないのだが。

 

 

 

 

それでも。

 

ひとつだけ、

大きく違うことがある。

 

 

それは。

 

あの地獄を経験して良かったと、

心から思っていること。


 

真っ暗闇の中。

 

上下左右前後、

すべての方向感覚を奪われ、

 

ただ地べたを

のたうち回るような

感覚の連続。

 

 

 

 

だが、

この経験こそ。

 

私には不可欠だったと、

今なら理解できるのだ。

 

 

 

 

 

 

ある日、

私はふと思った。

 

 

 

 

「あれ? 今の私の状況って、

あのときのお母さんと、よく似てない...?」

 

 

 

 

 

 

私が高校生だった頃。

 

母は恐らく、今の私と同類の

不安と恐怖を抱えていた。

 

 

その上。

 

孤独でも

あったと思う。

 

 

母が見ていたであろう

心の中の景色は、

 

母にとって家族である人間の

誰にも見ることができなかった。

 

 

夫も。

 

私を含めた

子供たちも。

 

 

 

 

 

 

Tonight I won't be alone

But you know that don't mean I'm not lonely

 

 

 

今夜、ひとりにはならなくても

孤独じゃないというわけではない

 

 

 

 

ああ。

 

こういうことでは

なかっただろうか。

 

あの頃の

母の心情は。

 

 

 

誰かが傍に居るからといって、

ふたりだとは限らない。

 

心が寄り添い合っていなければ、

たとえ周りに何十人いても

たったひとりきりなのだ。

 

 

 

そのことが。

 

ようやく

私にも分かった。

 

 

 

そして、やっと。

 

母に対して抱いていた

数々の批判的な気持ちを

手放すことができた。

 

 

たとえ。

 

完全にでは

ないとしても。

 

 

でも、もう。

焦る必要はない。

 

 

きっと。

 

母との対話は、

これから始まる。

 

 

 

 

 

 

 

私の母は、

師匠が亡くなった

次の年に亡くなった。

 

 

ということは。

 

もう丸10年が

過ぎたことになる。

 

 

 

母と師匠は、

月命日が同じだ。

 

亡くなった曜日も。

 

 

 

 

なんだか、私は。

 

先生が母の手を

取ってくれたような、

そんな気がしている。

 

 

 

 

 

「お母さん、ごめんなさい。

なんにも分かってあげられなくて」

 

 

 

 

 

母の遺影の前で、

何度も謝っているうちに

涙が溢れた。

 

 

 

 

 

「お母さん。よかったら私の夢に出てきて。

一緒に話をしましょう」

 

 

 

 

 

こう告げた

翌々日。

 

母が夢に出てきた。

 

話はできなかったのだが、

それでも嬉しかった。

 

 

 

 

 

「お母さん。夢に出てきてくれて

ありがとう。また来てね」

 

 

 

 

 

遺影向かって手を振りつつ、

こう告げると。

 

その翌々日、

母がまた夢に現れた。

 

 

 

まだ。

 

母とは会話らしい会話は

できていないのだが。

 

でも。

それでもいい。

 

それで

いいじゃないか。

 

 

 

 

 

もし、母が

生きていたら。

 

 

きっと。

 

母と私の関係は、

ぎくしゃくしたまま

だっただろうと思う。

 

今のような心境にも、

到底なれなかっただろう。

 

 

 

でも、

母はもう。

 

師匠と同じところへ

行ったはずだ。

 

 

 

だから、もう。

いいじゃないか。

 

 

 

楽になっても。

 

母のためでも、

誰のためでもなく。

 

私自身のために。

 

 

 

 

過去の出来事は、

解釈の数だけ存在するもの。

 

ゆっくり、

ゆっくり。

 

私なりの過去を

見出せばいい。

 

 

 

 

 

 

今日は節分。

母の誕生日でもある。

 

 

 

 

 

お母さん。

 

お誕生日、

おめでとうございます。

 

いつもありがとう。

 

そして、

ごめんなさい。

 

 

 

ケーキ、

買ってきましたよ。

 

ろうそくも

もらってきました。

 

火をつけますからね。

 

ちゃんと吹き消して

くださいね。

 

 

 

 

 

また夢で会いましょう。

楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

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