熊四手(クマシデ)2


熊四手(クマシデ)はカバノキ科クマシデ属の落葉高木である。
本州から九州にかけて分布し、山地の林の中に生える。
樹高は10~15メートルくらいである。
樹皮は黒褐色で、縦に裂け目が入る。
葉は単葉で、互い違いに生える(互生)。
長さ5~10センチの長い楕円形で、先は尖り、縁は重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)である。
側脈が明瞭でたくさんある。
開花時期は4~5月である。
葉の展開と同時に開花する。
雌雄同株である。
雄花穂は長さが10センチくらいで黄みを帯び、前年の枝から垂れる。
雌花穂は長さが5ランチくらいで若枝につき、花の後には果穂となって垂れる。
材は硬く、農器具や薪炭として用いられる。
「熊」は樹のたくましい様子を表す。
「四手」は実の垂れ下がる様子を神事で用いる四手に譬えたものである。
写真は5月に鎌倉の光則寺で撮った。
学名:Carpinus japonica


★ぶら下がる熊四手の花面白く
 しげしげと見る寺の庭先



熊四手(クマシデ)


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夏灯台(ナツトウダイ)2


夏灯台(ナツトウダイ)はトウダイグサ科トウダイグサ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地や丘陵地に生える。
草丈は30~40センチくらいである。
茎は直立し、毛は生えていない。
葉は三角状の卵形で、下部では互い違いに生え(互生)、上部では向かい合って生える(対生)。
葉の先は丸く、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4~5月である。
夏に咲くというわけでもないので、名の由来ははっきりしない。
上部で対生する葉の間から杯状花序(花が杯状の総苞に包まれるて茎先につく)を出す。
杯状花序は雌しべが1本ある雌花1個と雄しべが1本だけある雄花数個で構成される。
花弁も萼片もない。
雌しべの子房にくっついて4個の腺体がある。
これには蜜を分泌する働きがあり、本種は三日月形をしている。
なお、本種の子房の特徴は、突起がなく毛が生えていないことである。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
全草が有毒で、傷をつけると白い乳液が出る。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Euphorbia sieboldiana


★その仕組みわかったようでわからない
 夏灯台の花はいずこに


夏灯台(ナツトウダイ)


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斑入り甘野老(フイリアマドコロ)2


斑入り甘野老(フイリアマドコロ)はユリ科アマドコロ属(ナルコユリ属)の多年草である。
甘野老(アマドコロ)は北海道から九州にかけて分布し、山地の草原に生える。
分類上、斑入り甘野老(フイリアマドコロ)については甘野老(アマドコロ)の園芸品種とする見方と、変種同士とする見方がある。
違いは、葉に白い縞模様の斑が入ることである。
草丈は20~50センチくらいである。
葉は楕円形で、2列に互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~5月である。
葉の腋から筒状の白い花が下垂して咲く。
若芽及び根茎は山菜として食用にされる。
写真は4月に伊豆海洋公園で撮った。
学名:Polygonatum odoratum var. variegatum(=Polygonatum odoratum var. pluriflorum cv. Variegatum)


★涼しげな葉陰にそっとぶら下がる
 花は微かに緑を帯びて


斑入り甘野老(フイリアマドコロ)


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甘野老(アマドコロ)2


甘野老(アマドコロ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
原産地はヨーロッパから東アジアにかけた一帯である。
日本各地に分布し、明るい林の中や高地の草原などに生える。
草丈は40~80センチくらいである。
葉は広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4~5月である。
葉の脇からやや斜めに出た弓形の花茎の先に緑白色で長い釣鐘形をした花をぶら下げるようにしてつける。
花の中には6本の雄しべと1本の花柱(雄しべの一部)がある。
秋には暗い紫色をした丸い実がつく。
名の由来は、根茎の形がヤマイモ科の野老(トコロ)に似ており、甘みがあることからきている。
「野老」というのは「野原の老人」という意味で、ひげ根と曲がった地下茎を老人に見立てたものである。
中国名は萎(いずい)である。
若芽はゆでて食べられる。
また、花や実は生け花に利用されることが多い。
写真は4月に赤塚植物園で撮った。
学名:Polygonatum odoratum var. pluriflorum


★ぶら提げた鐘がゆらゆら甘野老
 緑の陰を花に映して



甘野老(アマドコロ)


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ヘレボルス・アグティフォリウス2


ヘレボルス・アグティフォリウスはキンポウゲ科ヘレボルス属の常緑多年草である。
属名の片仮名表記は「ヘレボラス」とするものもある。
種小名の片仮名表記は「アグチフォリウス」や「アーグチフォリウス」とするものもある。
また、ヘレボルス・コルシクス(Helleborus lividus subsp. corsicus)とする場合もある。
ヘレボルス属の原種は20種くらいある。
本種もその1つである。
なお、英名のクリスマスローズ(Christmas rose)をこの種全体の名称に充てることもあるが、正確には白花のニガー種(Helleborus niger)を指す言葉である。
本種の原産地はイタリアのコルシカ島やサルディニア島である。
草丈は30~60センチくらいである。
根際から生える葉は3つに裂け、縁には棘状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉は灰白色を帯びる。
開花時期は1~4月くらいである。
茎先に淡い緑色の花を15~30輪くらい下向きにつける。
花びらのように見えるのは萼片で5枚である。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Helleborus Argutifolius


★コルシカの山一面に咲き競う
 姿思いつ花を見詰めて


ヘレボルス・アグティフォリウス


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矢車菊(ヤグルマギク)


矢車菊(ヤグルマギク)はキク科ヤグルマギク属の越年草である。
原産地はヨーロッパの南部である。
元々は小麦畑の雑草であったものが品種改良をされた。
ドイツでは国花になっている。
日本へは明治時代の前期に渡来した。
流通上は矢車草(ヤグルマソウ)とも呼ばれるが、ユキノシタ科に同名の植物があるので混同しやすい。
英名はコーンフラワー(Corn flower)という。
これは種子が穀物に混入して外国に運ばれることからきている。
和名の由来は、葉の形が鯉のぼりの矢車に似ているところからきている。
草丈は30~100センチくらいである。
茎は直立をする。
葉は互い違いに生える(互生)。
茎の下のほうにつく葉は幅の広い倒卵形で、羽状に裂ける。
茎の上のほうにつく葉は線状の披針形である。
開花時期は4~6月である。
花の色は青、白、紫色、桃色、黄色などのものがある。
キク科特有の頭状花だが、舌状花はなく筒状花のみからなる。
周りにつく筒状花は舌状花に似ている。
俳句の季語は夏である。
写真は5月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Centaurea cyanus


★名前だけ知ってはいたがこの花か
 矢車菊の色澄み渡り



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山桜桃(ユスラウメ)2


山桜桃(ユスラウメ)はバラ科サクラ属の落葉低木である。
原産地は中国の北西部である。
日本へは江戸時代の初期に渡来した。
庭木として人気があり、全国で植栽されている。
高さは1~4メートルくらいである。
葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、両面に毛が密生している。
開花時期は3~4月である。
葉の脇に短い花柄を出して、白または淡い紅色の5弁花をびっしりとつける。
花径は2~3センチで、花びらは重ならない。
実は直径1センチくらいの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
6月ころに熟して、光沢のある美しい赤色となる。
味は甘酸っぱく、そのまま生食したり果実酒にしたりする。
俳句では、「山桜桃(ゆすら)の花」が春の季語である。
花の写真は4月に都立薬用植物園で撮った。
実の写真は6月に向島百花園で撮った。
学名:Prunus tomentosa


★こんもりとピンクが茂る花ゆすら
 実のなる日まで指折るように


山桜桃(ユスラウメ)


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深山霧島(ミヤマキリシマ)2


深山霧島(ミヤマキリシマ)はツツジ科ツツジ属の低木である。
九州の山地にのみ自生し、瓦礫地に群落を形成する。
雲仙、阿蘇、九重、霧島などには大群落がある。
鹿児島県では県花にもなっている。
樹高は10~100センチくらいである。
葉は長さが1~2センチの長い楕円形で、互い違いに生える(互生)が、枝先に集まってつくので輪生しているように見える。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
葉には毛が生えている。
開花時期は4~6月である。
枝先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、紅紫色や桃色の小さな花を2~3輪つける。
花径は2~3センチである。
花冠は漏斗状で先が5つに裂け、横に開く。
上部の裂片り内側には細かい斑の入るものと入らないものがある。
萼片は5枚である。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
写真は4月に赤塚植物園で撮った。
学名:Rhododendron kiusianum


★霊峰に咲くが似合いの花姿
 深山霧島ピンクに染まり



深山霧島(ミヤマキリシマ)


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御殿場桜(ゴテンバザクラ)2


御殿場桜(ゴテンバザクラ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
静岡県の御殿場市や裾野市に古くからあったもので、マメザクラの系統である。
農家などで庭木や生垣として利用されている。
樹高は1~7メートルくらいである。
葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の柄や葉の両面には毛が生えている。
葉の縁には欠刻状の重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は4月の上旬である。
葉の展開に先立ってかほぼ同時に花を咲かせる。
蕾の色は紅色である。
花径は25~35ミリくらいの一重の中輪である。
花びらは5枚で、花びらの形は丸く先に切れ込みがある。
花の色は淡い紅色で、花びらの外側には濃い紅色が残る。
散り際には花芯が赤味を帯びる。
結実性はない。
写真は4月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Prunus cv. Gotenbazakura


★挿し木でも育てやすくて人気ある
 御殿場桜に手を触れてみて


御殿場桜(ゴテンバザクラ)


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赤八汐(アカヤシオ)2


赤八汐(アカヤシオ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。
漢字では「赤八染」とも書く。
本州の東北地方南部から中部地方にかけて太平洋側に分布し、山地に生える。
栃木県や群馬県に多く分布し、赤城躑躅(アカギツツジ)の別名がある。
樹高は3~5メートルくらいである。
葉は楕円形で互い違いに生える(互生)が、枝先に5枚が集まってつくので輪生しているように見える。
開花時期は4~5月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
花径は4~5センチあり、花の色は淡い紅色である。
花冠は広い漏斗状で、先が5つに深く裂ける。
裂片には丸みがあり、柔らかな感じがする。
雄しべは10本である。
分類上は、西日本に多い曙躑躅(アケボノツツジ)の変種とされる。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Rhododendron pentaphyllum var. nikoense


★柔和なる色と形の赤八汐
 風に舞うさえ雅に映り


赤八汐(アカヤシオ)


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