甘野老(アマドコロ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
原産地はヨーロッパから東アジアにかけた一帯である。
日本各地に分布し、明るい林の中や高地の草原などに生える。
草丈は40~80センチくらいである。
葉は広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4~5月である。
葉の脇からやや斜めに出た弓形の花茎の先に緑白色で長い釣鐘形をした花をぶら下げるようにしてつける。
花の中には6本の雄しべと1本の花柱(雄しべの一部)がある。
秋には暗い紫色をした丸い実がつく。
名の由来は、根茎の形がヤマイモ科の野老(トコロ)に似ており、甘みがあることからきている。
「野老」というのは「野原の老人」という意味で、ひげ根と曲がった地下茎を老人に見立てたものである。
中国名は萎(いずい)である。
若芽はゆでて食べられる。
また、花や実は生け花に利用されることが多い。
写真は4月に赤塚植物園で撮った。
学名:Polygonatum odoratum var. pluriflorum
★ぶら提げた鐘がゆらゆら甘野老
緑の陰を花に映して
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