イリス・ルテニカ・ナナ2


イリス・ルテニカ・ナナはアヤメ科アヤメ属の多年草である。
原産地は朝鮮半島、中国北部、チベットである。
和名を満州菖蒲(マンシャウアヤメ)ないし満州小菖蒲(マンシュウコアヤメ)という。
草丈は15~20センチくらいである。
根茎は匍匐してマット状に広がる。
葉は線形である。
開花時期は5~6月である。
花の色は青紫色で、地面近くに次々と咲き並ぶ。
花にはよい香りがある。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Iris ruthenica var. nana


★背を屈め地面を這って咲き並ぶ
 花は紫満州菖蒲


イリス・ルテニカ・ナナ


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ネモフィラ・インシグニスブルー2


ネモフィラ・インシグニスブルーはハゼリソウ科ルリカラクサ属(ネモフィラ属)の一年草である。
原産地はアメリカのカリフォルニア州である。
草地や林の中に生える。
草丈は30~40センチくらいである。
葉は羽状に深く裂ける。
開花時期は3~5月である。
花径は2~3センチくらいである。
花びら(花弁)は5枚である。
それぞれの花びらのつけ根は白く、先は淡いブルーである。
和名は瑠璃唐草(ルリカラクサ)である。
写真は5月に国営ひたち海浜公園で撮った。
学名:Nemophila insignis cv. Insignis Blue(=Nemophila menziesii cv. Insignis Blue)


★花びらの先はきれいな空の色
 インシグニスは爽やかに咲き


ネモフィラ・インシグニスブルー


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プルモナリア'カリビアンナイト'


プルモナリア'カリビアンナイト'はムラサキ科プルモナリア属の多年草である。
原産地はヨーロッパである。
草丈は30センチくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の色は濃い緑色で、銀色の斑が入る。
開花時期は4~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、濃い瑠璃色の花をいくつかつける。
花冠は深く5つに裂ける。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Pulmonaria cv.


★鮮やかな色も目立つが葉も目立つ
 洒落た名をもつカリビアンナイト



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アンクサ・センペルビレンス2


アンクサ・センペルビレンスはムラサキ科ウシノシタグサ属の常緑多年草である。
原産地はヨーロッパの南西部である。
属名の片仮名表記はアンチューサとする場合もある。
種小名の片仮名表記はセンペルウィレンスとするものもある。
種小名はラテン語で「常緑」を意味する。
葉は被針形で、互い違いに生える(互生)。
茎や葉には軟毛が生える。
開花時期は5~6月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、濃い青紫色の花をつける。
花冠の先は5つに深く裂けて横に開く。
萼片は5枚、雄しべは5本である。
アルカネットや牛舌草(ウシノシタグサ)と近い仲間である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Anchusa sempervirens


★その姿勿忘草を思わせる
 まだ日本には少ないけれど


アンクサ・センペルビレンス


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蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)2


蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)はケシ科キケマン属の多年草である。
北海道と本州北部の日本海側に分布し、山地の林の中や原野などに生える。
草丈は10~30センチくらいである。
葉は楕円形の小葉3枚1組からなる複葉である。
開花時期は4~5月である。
長さ15~25ミリくらいで先が唇状の小さな花が茎の上部に総状に数個つく。
花の色は青、紫、赤紫、白など変化が多い。
花が終わると茎や葉は枯れる。
地下に直径1センチくらいの塊茎があり、食用となる。
また、乾燥したものは生薬の延胡索とされる。
鎮痛、鎮痙藥として頭痛、胃痛などに用いられる。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Corydalis ambigua


★ほんのりと咲くのが好きと紫の
 明かり灯して蝦夷延胡索



蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)


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黒百合(クロユリ)2


黒百合(クロユリ)はユリ科バイモ属の多年草である。
北海道の低地と本州中部以北の高山に分布し、お花畑や岩場に生える。
以前はこの両者は別種とされていたが、今は同一種と見られることが多い。
草丈は10~30センチくらいである。
葉は披針形で、茎の中ほどから上に3~5枚ずつ数段に輪生させ、上部では互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~8月である。
茎の先に暗い紫褐色で斑がある鐘状の花を1~2個つける。
花径は3センチほどで、やや下向きに咲く。
花被片は6枚である。
この花には様々な伝説がある。
アイヌ伝説では、愛する人にこの花を贈って、それを相手の人が手に取れば二人は結ばれる」という言い伝えがある。
また、越中富山の佐々成政は、寵愛した腰元早百合に嫉妬して一族を皆殺しにする。
そのとき早百合は「私の亡霊が立山に黒百合を咲かせたとき、佐々家は滅びるだろう」と叫んで息絶えた。
その後、成政が大茶会で北の政所(秀吉の正妻)に取り入ろうとして立山の黒百合を贈ったところ、不吉な花として怒りを買い、佐々家も衰運の一途をたどることになる。
そして、成政は切腹し、佐々家も滅びたという。
俳句の季語は夏である。
写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。
学名:Fritillaria camtschatcensis


★鐘の音とシスターの姿目に浮かぶ
 そんなシーンが記憶の隅に


黒百合(クロユリ)


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双葉葵(フタバアオイ)2


双葉葵(フタバアオイ)はウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草である。
本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地の林の中に生える。
草丈は10~20センチくらいである。
茎は地を這って伸びる。
葉は枝分かれをした茎の先に2枚が向かい合って生える(対生)。
葉の形は円心形で直径は5~10センチくらいである。
開花時期は3~5月である。
葉の展開と同時に葉のつけ根の部分から柄を出し、花径15ミリくらいの暗い赤褐色の花をつける。
花には花弁はなく、3枚の萼片が筒状となり、萼片の上部は強く反り返る。
徳川家の「葵の御紋」は本種の葉を3枚組み合わせてデザインしたものだという。
別名を賀茂葵(カモアオイ)という。
これは京都の賀茂神社の祭礼である葵祭りに使われたことに由来する。
写真は5月に六甲高山植物園で撮った。
学名:Asarum caulescens


★花見てもむむと小首を傾げるが
 葉は見事なり双葉葵は


双葉葵(フタバアオイ)


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耳型天南星(ミミガタテンナンショウ)


耳形天南星(ミミガタテンナンショウ)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草である。
本州と四国に分布し、山地や雑木林などに生える。
草丈は30~60センチくらいである。
茎には暗紫色の蛇紋がある。
小葉7~11枚を1組とする葉が2枚つく。
葉の形は長い楕円形で、縁には不規則なぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~5月である。
葉に先立って開花をする。
仏炎苞とよばれる部分の先端の両脇が耳のように横に張り出しているのが特徴である。
名の由来もこの姿からきている。
この「耳」の部分が目立たないのは蝮蛇草(マムシグサ)である。
仏炎苞の筒の部分は淡い緑色の地に紫色のぼかしが入っている。
仏炎苞の舷の部分は濃紫色ないし暗紫色をしている。
仏炎苞の内側は艶がある。
秋になると真っ赤な実をつけた果穂が目立つが、有毒で食用にはならない。
もっとも、実になってからでは、他のテンナンショウ属との判別はむずかしくなる。
写真は4月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Arisaema limbatum


★すっと立つ姿はどこか床しいと
 思っているに名は無粋なり


耳型天南星(ミミガタテンナンショウ)2


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浦島草(ウラシマソウ)2


浦島草(ウラシマソウ)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山間の湿地などに生える。
日本固有種なのだが、生育地がきわめて限定されているので、絶滅危惧種に指定している県も多い。
草丈は40~50センチくらいである。
根際から生える葉は1~2枚で長い柄を伸ばして直立し、鳥足状に切れ込んでいて大きな傘のようである。
開花時期は4~5月である。
テンナンショウ属特有の仏炎苞(棒状の花を包み込む苞を仏像の背景にある炎形の飾りに見立てたもの)がある。
花の色は暗い紫褐色である。
また、花穂から付属体が細長いひも状に伸び上がり、途中から垂れ下がるのが特徴である。
この姿を浦島太郎の釣り糸に見立てたのが名の由来である。
秋には赤い実をつける。
なお、テンナンショウ属の植物はサポニンを含む毒草である。
噛むと強烈な刺激が舌に残る。
また、薬草としても利用されている。
痰を取り除く効果があるほか、球根をすりつぶして外用薬としても用いられる。
腫れ物や肩こりなどに効果があるという。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Arisaema urashima


★浦島草釣り糸垂らし何を待つ
 かげろう揺れてうたかたの夢


浦島草(ウラシマソウ)


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雪餅草(ユキモチソウ)2


雪餅草(ユキモチソウ)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草である。
本州の近畿地方と四国という限られた地域に分布し、林の中に生える。
有機質の多い土壌を好み、半日陰で育つ。
環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は15~30センチくらいである。
球茎から伸びた茎を偽茎という。
そこから葉の柄を2本出し、楕円形の小葉3枚から5枚を鳥足状につける。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)のあるものとないものがある。
葉には白い斑の入る場合もある。
開花期は4~5月である。
葉の間から肉穂花序を立て、紫褐色の仏炎苞(棒状の花を包み込む苞を仏像の背景にある炎形の飾りに見立てたもの)をつける。
仏炎苞の外側には白い縦の筋が入り、内側は黄白色である。
真ん中に白い棍棒のような形で先が丸くふくれた付属体がある。
名の由来は、その白くふくれた部分が雪のように白く、餅のように柔らかいことからきている。
仏炎苞とのコントラストが美しい。
写真は5月に六甲高山植物園で撮った。
学名:Arisaema sikokianum


★顔出した雪餅草は不思議色
 林の秘密教えようかと
☆ふんわりと雪餅草が顔を出し
 去り行く冬に別れを告げて



雪餅草(ユキモチソウ)


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