鈴蘭(スズラン)


鈴蘭(スズラン)はユリ科スズラン属の多年草である。
北海道、本州、九州に分布し、比較的寒い地方や標高の高い草地に生える。
特に北海道を代表する花として知られている。
草丈は20~40センチくらいである。
楕円形の葉が2枚、互い違いにつく。
開花時期は4~6月である。
「鈴」のような白花を十数個下垂して咲かせる。
花は普通は葉に隠れるように咲く。
そこから君影草(キミカゲソウ)の別名がある。
芳香があり、香水の原料にもなる。
園芸用として庭に植えられているのはドイツ鈴蘭(ドイツスズラン)である。
鈴蘭(スズラン)に比べて葉が多く、葉の色も濃くて光沢があり、香気が強いのが特徴である。
ドイツ鈴蘭(ドイツスズラン)のほうは葉よりも上に花をつける。
有毒だが、根・茎は強心・利尿剤として用いられた。
俳句の季語は夏である。
上の写真は5月に函館の湯の川で撮った。
下の写真はドイツ鈴蘭で、5月に赤塚植物園で撮った。
学名:Convallaria keiskei
学名:Convallaria majalis(ドイツスズラン)


★鈴蘭の鈴音聞こゆ庭の先
 妖精誘う香りに乗せて
☆朝露の煌く光見つければ
 囁き揺れん鈴蘭の花


ドイツスズラン

唐辛子(トウガラシ)2


唐辛子(トウガラシ)はナス科トウガラシ属の一年草である。
原産地は南アメリカで、熱帯地方では小低木として扱われる。
日本へは近世の初期に渡来した。
草丈は30~100センチくらいになる。
開花時期は7~9月である。
葉腋に白い花をつける。
果実の形も色も様々であるが、一般に辛味が強く、香辛料や薬用とする。
写真は7月に軽井沢町植物園で撮った。
俳句では「唐辛子の花」が夏の季語、「唐辛子」が秋の季語である。
学名:Capsicum annuum


★清らかに咲く唐辛子まだ乙女
 強くなるから役に立つから


唐辛子(トウガラシ)

照葉野茨(テリハノイバラ)


照葉野茨(テリハノイバラ)はバラ科バラ属の落葉低木である。
福島県以南の本州から沖縄にかけて分布し、日当たりのよい山野、川原、海岸などに生える。
野茨(ノイバラ)によく似ているが、葉が厚く光沢があり、無毛であるなどの違いがある。
また野茨(ノイバラ)の茎は立つず、照葉野茨(テリハノイバラ)は地を這って伸びる。
樹高は20~50センチくらいである。
開花時期は5~7月である。
枝先にたくさんの蕾をつけ、次々に開く。
花の色は白ないし淡いピンクで、花径は2~3センチぐらいである。
花びらは5枚ある。
写真は6月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Rosa wichuraiana


★真っ白な花が目立つよ葉っぱもね
 照り輝いて命を謳い

ドクダミ2


ドクダミはドクダミ科ドクダミ属の多年草である。
東アジアに広く分布する。
日本では北海道の南部から九州にかけて分布し、日陰や湿地に自生する。
草丈は20~40センチくらいである。
葉は先の尖ったハート形をしている。
互い違いに生えて、柔らかい。
開花時期は5~6月である。
茎の先に十字型の白い花を咲かせる。
花びらのように見えるものは、葉に近い性質をもった苞と呼ばれるものである。
実際のドクダミには花弁も萼片もなくい。
花の中央に穂状になっているのは雄しべと雌しべである。
名前の由来は、ドクダミの葉は特有の臭気があるため、毒が入っているのではないかということで毒溜め(ドクダメ)と呼ばれるようになり、それがドクダミになったという。
そのほかにもいろいろな説があるらしい。
生薬名を十薬(じゅうやく)といい、整腸、利尿、解毒などの薬効がある。
俳句の季語は夏である。
写真は5月に都内で撮った。
学名:Houttuynia cordata


★路地裏に十字に開く薬箱
 赤髭先生譬わばドクダミ

ドクダミ

紫(ムラサキ)


紫(ムラサキ)はムラサキ科ムラサキ属の多年草である。
東アジアに広く分布し、水はけのよい山野に自生する。
古くは中国最古の薬物書「神農本草経」にも登場し、また万葉集にも多数登場する。
根は乾燥すると紫色となり、紫根(しこん)と呼ばれ、紫の染料として利用されてきた。
また、漢方でも解熱薬、解毒薬、皮膚病の薬などとして用いられる。
草丈は30~60センチくらいである。
茎は直立し、上方で枝分かれする。
葉は披針形で、互い違いに生える。
開花時期は6~7月である。
茎先に小さな白い五弁花をつける。
花の真ん中がへこんでいるのが特徴である。
写真は6月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Lithospermum erythrorhizon


★紫の雅は土の下なりと
 軽やかに咲く花は純白

坪菫(ツボスミレ)2


坪菫(ツボスミレ)はスミレ科スミレ属の多年草である。
南西諸島を除く日本全国に分布し、高原地帯の湿原のほとりや湿った草原、平地の丘、道端などに生える。
海外では、樺太、朝鮮半島、中国、アムールなどにも分布する。
草丈は5~25センチくらいである。
葉の付け根にある托葉に切れ込みがある。
茎ははじめのうちは立っていないが、次第に立ち上がってくる。
花期は3~5月である。
1センチほどの小さな白い花をつける。
壷型をした唇弁の中心部に赤紫色の筋模様があるのが特徴である。
名前の「坪」は庭の意味である。
別名を如意菫(ニョイスミレ)と言う。
これは僧侶が持つ如意棒のことである。
長く伸びてカーブする花茎を如意棒に譬えたものである。
俳句の季語は春である。
写真は6月に戸隠森林植物園で撮った。
学名:Viola verecunda


★誘われて覗いて見れば坪菫
 小人になってしばし戯れ
☆坪菫涙のかけら落としては
 今日の笑顔に変えて輝き


坪菫(ツボスミレ)

水蝋の木(イボタノキ)


水蝋の木(イボタノキ)はモクセイ科イボタノキ属の落葉低木である。
日本各地に分布し、生け垣などにも利用されている。
樹高は2~4メートルくらいになり、よく枝分かれする。
葉は向かい合って生え、長い楕円形をしている。
葉の周りにぎざぎざはなく全縁である。
開花時期は5~6月である。
枝先に筒状をした白い合弁花を数個つける。
花の先端は4枚に分かれていて、雄しべが2本ある。
よい香りがする。
また、秋には黒く小さい実をつける。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Ligustrum obtusifolium


★枝覆い花を咲かせて水蝋の木
 手招くような香りを載せて

アグロステンマ050625


アグロステンマはナデシコ科アグロステンマ属の一年草である。
原産地はヨーロッパで、草原や麦畑に生える雑草を園芸品種として改良したらしい。
日本へは明治時代に渡来した。
別名を麦仙翁(ムギセンノウ)ともいう。
細い茎が直立し、葉は麦のような線形をしている。
草丈は60~90センチくらいになる。
開花時期は5~7月である。
花の色は濃いピンク、ピンク、白などで、花弁は軽くカールする。
写真は6月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Agrostemma githago


★可憐なるピンクの花がカールする
 アグロステンマ微笑むように

大手毬(オオデマリ) 2


大手毬(オオデマリ) はスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木である。
手毬花(テマリバナ)の別名もある。
藪手毬(ヤブデマリ)の花がすべて装飾花になった園芸品種と言われている。
英名はジャパニーズ・スノーボール(Japanese Snowball)である。
樹高は1~3メートルくらいになる。
葉は卵形で、先が尖っている。
葉には皺があり、向かい合って生え、縁にはぎざぎざの鋸歯がある。
長さは5~16センチくらいで、裏面に星状毛がまばらに生える。
開花時期は4~5月くらいである。
花径3~4センチの淡緑色をした花がたくさん集まり、手毬のような丸い形の花序をつくる。
花の色はしだいに白に変化していく。
似たような名前の小手毬(コデマリ)という花もあるが、大手毬(オオデマリ)は小手毬(コデマリ)大きくしたというよりは紫陽花(アジサイ)に似ている。
一つ一つの花は装飾花(中性花)なので繁殖機能がなく、実を結ばない。
俳句の季語は夏である。
写真は5月に赤塚植物園で撮った。
学名:Viburnum pricatum var. plicatum


★花寄せて弾む思いか大手毬
 たわわな枝に風吹きぬけて


大手毬(オオデマリ)

吸葛(スイカズラ)


吸葛(スイカズラ)はスイカズラ科スイカズラ属の蔓性半常緑木本である。
北海道の南部から九州にかけて分布し、山野の草藪や林の縁に自生している。
枝は長く伸び、卵状の長楕円形をした葉を向かい合ってつける。
開花時期は5~6月である。
ジャスミンのような甘い香りのする白い花を二つずつつける。
花は唇状に大きく2つに裂け、上弁は先が4つに裂けている。
花の色は、白から黄に変化していく。
このことから金銀花(キンギンカ)の別名がある。
花の付け根の部分には蜜がたまっており、花の蜜を吸うことから吸葛(スイカズラ)と呼ばれる。
花の後に球形の実ができる。
実は緑色から黒緑色に変化する。
葉、茎、蕾には解毒・利尿作用があり、薬草として用いられる。
吸葛(スイカズラ)のもう一つの名前に忍冬(ニンドウ)というのがある。
これは、冬でも葉が生い茂り寒さに耐えているように見えるところからつけられた名である。
俳句では「忍冬の花」が夏の季語である。
写真は5月に赤塚植物園で撮った。
学名:Lonicera japonica


★甘き香で誰を誘(いざな)う吸葛
 花の色さえやがて染まりて