tori


        「その人」に

        恥じない生き方

        しているだろか。


        「その人」の

        数だけ私をおもう。



いつも誇れる自分であることは、難しいけれど。
誰かに恥じない自分であることは、決して難しい
ことではない、と思います。


思い浮かべる「その人」によって、自分をふり返
るときの、その気持ちも変わります。


両親を思うときは、子どもとしての自分。
子どもを思うときは、親としての自分。
尊敬する人を思うときは、すこし背伸びした自分。
大切な人を思うときは、愛されたいと思う自分。


「その人」の数だけ、私があるのですが・・・。
それらを集約すると、すべては「自分」に恥じない

生き方、につながるように思うのです。


心を偽ることなく。
誰よりも、何よりも、自分の心に恥じることのない
ように生きる。


「恥じない」という基準は、それぞれの心の中に
ちゃんとあるのだと思います。


写真:Fujitaさん  Perfumed Garden Annex


ゆうがた


          ゆうがたは

          うちの匂いが

          流れてる

          まぎれもなく

          このいえの


 (collabo-works vol.26)
   → design by  心のイロ、心のカタチ。 



リビングやキッチンや玄関や─。
ゆうがた、うちの中に流れている、あの独特の音や匂いが
好きです。


子どもの頃、母は家で商売をしていました。
台所は店とつながっていて、母は慌しく行き来しながらも、
天ぷらをあげたり、茄子の煮物を炊いたり・・・。


それは日ごと繰り返される、なんてことのない日常なのに。
ゆうがたの光景は、日が落ちたあとの、あのひんやりした
空気とともに、何故か鮮明に記憶の片隅に残っています。


母になって、4人の子どもたちに「おかえり」を言うように
なった今も、やっぱり、ゆうがたは一日のうちですこしだけ
特別な時間。


一人、またひとり。家族の気配がだんだんと濃くなってゆく
夕暮れは、まとまりのない賑やかさと、うんざりするほどの
騒々しさに満ちた、だけど幸福と呼べるひとときです。


ケチャップの匂い、煮物の匂い、ごはんの炊ける匂い、それ
から、お風呂上がりの子どもから立ち昇る石鹸の匂い─。
さまざまな匂いが混じりあったゆうがたは、確かに「うち」の

空気そのもの、という気がします。


いつか巣立っていく子どもたちにとって、この家のゆうがた

が、あたたかな記憶として刻まれるといいな。

そんなことを、ふと思う夕暮れです。


あなたのゆうがたは、どんな匂いがしますか?


きせき


          おなじ時間を

          君といま

          生きている

          という

          奇跡


 (collabo-works vol.25)
   → design by  心のイロ、心のカタチ。 

思春期になった娘は、ときどき憎まれ口をたたきます。
「べつに、この家の子どもじゃなくてもよかったんだけどね」
私も、やんちゃな末っ子に、脅し文句を使うことがあります。
「悪い子は、よそのおうちの子になりなさい!」


だけど、本当は。それは本心ではなくて。


たとえば、50年早く生まれていたら─。
もしも、50年遅く生まれたら─。


自分の周りに存在する家族や友人や、すべての人と出会う

ことはなかったはず。


当たり前のようにみえる日常ですが。

夫婦であることも、親子であることも、本当は気の遠くなるよ

うな時間の流れの中にある、一瞬の奇跡のようなものだと思

うのです。


もちろん、家族だけじゃなくて。
私たちは毎日、新しい人と、新しいものと出会いながら、すれ

違いながら暮らしています。そして、奇跡と呼べる出来事は、

いつも、奇跡のような小さな出会いから始まっています。


昨日小さくすれ違った誰かも、明日出会うかもしれない誰かも。
それらはすべて、大切な意味を持つ小さな奇跡。


そんなふうに思えたら。
人は、どんなときも、誰に対しても、真摯な心で向き合えて。
それはまた、人生をどんなふうにも変えてしまう新しい奇跡に

つながるのだと思います。


twinkle


     ほんとに晴れた 星のよる
     きらきらひかる 星たちが
     しずかに きらきら降るのです


     それはほんとに まっしろな
     希望という名の 星たちで


     どこかへつづく このみちを
     それぞれつづく そのみちを
     ましろく きらきら照らします



イラスト 久松ひろこさんより

※クリックすると絵が大きくなります!


(2005年7月、ART HOUSEにて開催された作品展から)

こころ


           心意気

           心がけ

           心くばり

           つかう心が

           まるごと私


  (collabo-works vol.24)
   → design by  心のイロ、心のカタチ。 


人は、いろいろな心を使いながら生きています。


たとえば理解して欲しいこと、本気でやってみたいことが
あるときは、心を伝えるための心意気が必要。
でも、強い気持ちばかりでは相手の心には響きません。


伝えたい心をちゃんと届けたいときは、心を尽くして自
分に、それから相手に向き合うことが大切。


仕事でもプライベートでも、日頃の心がけや細やかな心
くばりは、その一つひとつが人生の積み重ねになります。


心を尽くしていれば、わかり合えないことはなくて─。
心を尽くしていれば、たくさんの人とつながってゆける。

つかう心すべてがまるごと人生、なのだと思います。


心は強くなる日もあれば、弱くなる日もあります。
つよい心、よわい心、やさしい心、わがままな心・・・。
いろいろな心模様があるのですが。


小さなことも、大きなことも。
出会ったすべての人やものに、心を尽くして暮らしてゆ
くことが日々の幸せにつながるのでしょう。