おなじ時間を
君といま
生きている
という
奇跡
(collabo-works vol.25)
→ design by 心のイロ、心のカタチ。
思春期になった娘は、ときどき憎まれ口をたたきます。
「べつに、この家の子どもじゃなくてもよかったんだけどね」
私も、やんちゃな末っ子に、脅し文句を使うことがあります。
「悪い子は、よそのおうちの子になりなさい!」
だけど、本当は。それは本心ではなくて。
たとえば、50年早く生まれていたら─。
もしも、50年遅く生まれたら─。
自分の周りに存在する家族や友人や、すべての人と出会う
ことはなかったはず。
当たり前のようにみえる日常ですが。
夫婦であることも、親子であることも、本当は気の遠くなるよ
うな時間の流れの中にある、一瞬の奇跡のようなものだと思
うのです。
もちろん、家族だけじゃなくて。
私たちは毎日、新しい人と、新しいものと出会いながら、すれ
違いながら暮らしています。そして、奇跡と呼べる出来事は、
いつも、奇跡のような小さな出会いから始まっています。
昨日小さくすれ違った誰かも、明日出会うかもしれない誰かも。
それらはすべて、大切な意味を持つ小さな奇跡。
そんなふうに思えたら。
人は、どんなときも、誰に対しても、真摯な心で向き合えて。
それはまた、人生をどんなふうにも変えてしまう新しい奇跡に
つながるのだと思います。