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マサイマラのカラオケ施設付き温泉ホテル

昨年10月頃に発表されたケニアの国勢調査の結果では、ケニアの人口は四千万人に迫り、驚いたのは、30歳以下の人口が70%以上という構成であった。しかし高給を期待できる雇用機会はそう多くなく、職にありつくには学歴ということで大学進学希望者が増え、その需要を取り込もうとし新しい私立大学も次から次へと開校されている。当然、毎年の新卒者も急増するが雇用の機会はそう多くないので、大学を卒業しても就職出来ないケースが多くみられる。


それならばと、青雲の志を抱いて自分で起業する若者もいるけれど、何分、技術も経験も資本もないので新たに始める「事業」は限りがある。そんななかで、NPO/NGOというのは簡単に登記ができ、それらしい組織名と自分の携帯電話番号を使って名刺をつくれば実態はともかく何とか体裁は整えられる。こう云うのはもちろん極一部には違いないが、昨日述べたインチキNPOはこのようにして始まる場合が多い。


約20年前、かつて日本がバブル期の頃に、アフリカ大好きのある日本人が出資者を募ってマサイマラに自分たちのサファリロッジをつくろうと奮闘し、実際にマサイマラの外縁の丘の上にロッジができて1992年から営業を開始した。これは単純にみれば日本からの観光投資で、日本人対象に集客営業をしていたので日本からの観光客を誘致する商売で、たとえば、モンバサにリゾートホテルを建ててというのと同次元と云うことになるが、最初、80年代末にナイロビの日本人社会に広まったウワサでは「日本人が、マサイマラに大浴場・カラオケ施設付きの温泉ホテルを作るらしい」というもので、これは言葉通りに受け取れば誰だって「えぇぇーっ!」という反応になる。


ところが、後で分かったところではこう云うことにチャチャを入れたい人が「マサイマラのカラオケありの温泉ホテル」のウワサの発信源だったようで、こう云う投資案件や、昨日も述べたソンドゥ・ミリウ水力資源開発案件は、環境活動家を名乗る人たちには格好の標的になり、実際にそのサファリロッジ建設は自然保護団体/環境保護団体から建設中止運動の対象にされていたようだ。

投資や開発と、環境保護・自然保護をどう折り合いをつけるかというのは各個人の主観によるところが多いので当然いろいろな意見があるのは理解できるけれど、中にはどうしても売名行為と受け取ってしまうパフォーマンスが目について、それがインチキ臭さを際立てる。


先週述べたケニア政府の原発導入の話で、ケニアの新聞で報道されたIAEA・天野氏の訪問に「日本人のMR.AMANOがケニアに原発を売り込みに来ます」「Mr.AMANOは死の商人です」などと訳の分からない反応をして、日本のアフリカ好きがやっているメーリングサイトでアジるような人が環境保護活動家・自然保護活動家の実態なのかと呆れたし、ケニアの原発導入に反対の立場として、こう云うデマではなく正統に原発反対の意見を述べてほしかった。





ケニア - ソンドゥ・ミリウ水力発電プロジェクト

アフリカの人たちの生活水準を引き上げるには、個々の人たちが(農・工・サービスあらゆる)生産活動・経済活動に関わり基本的な衣食住が確保できることだが、それには基本的なライフラインの確保が必要となる。それこそ、今回の東日本大震災被災者たちが、生きて行くために先ず第一に求めていたものと同じこと。つまり、水・食糧、そして衣服と寝る(住む)ところ。

それにはやはり電気は不可欠となる。


ケニアの年間発電量は、二宮書店『Data Book of the World』2008年版, P224の2004年のデータとして 59億KWh(水力:48.8%、火力:33.7%、地熱:17.6% )という数字で、発電量は絶対的に小さいけれど、水力と地熱の自然エネルギーで3分の2というのは、これはこれで自慢できる立派な数値ということができる。ちなみに、同書の日本の年間発電量は、10,801億KWh(水力: 9.5%、火力:63.9%、原子力:26.1%、地熱:0.4% )で、ケニアの183倍の発電量となっている。


インターネットで「オルカリア地熱発電所」を検索するといくつかの記述が見られるが、日本の地熱発電か国立公園の中(僻地)で水蒸気量も少なく、またタービンを傷める硫黄や鉱物分子が多く含まれるのに対して、ケニアのここの水蒸気は純度が高く量も豊富なのだと、プロジェクトを進める某商社の担当者がいっていた。


また、水力資源開発では、これも日本のODAで進められている「ソンドゥ・ミリウ水力発電所」と云うプロジェクトがあり、これもケニアでの水力資源開発と云う点では資料などで調べる限りいいプロジェクトではないかと思うけれど、環境破壊を理由にいくつかの環境保護団体NGO,NPOなどが中止運動を展開し、これが元衆議院議員で先月世田谷区長に当選した保坂展人がかつて国会で取り上げた(インタネット「ソンドゥ・ミリウ水力発電プロジェクト」を検索すると詳細が閲覧できる)。そこで工事を請け負った鴻池組が鈴木宗雄に政治献金をして打開をはかったのが、献金ではなくワイロだったという展開になって、水資源開発というODA案件としては素性のはっきりした、ケニアのためにもいいプロジェクトではないかと思っていたものが、「鈴木宗雄事件」と矮小化され本来のプロジェクトの姿がかすんでしまった。


環境保護を理由にソンドゥ・ミリウ・プロジェクトに反対した人たちには当然それなりの理由があってのことだけれど、はた目で見ていて思ったのは、かつて日本国内でのマンション建設ブームにはしりのころに、「近隣住民代表」を名乗って建設になんやかんやと文句をつけては金品の見返りを受け取っていた暴力団を思い出した。

ケニア人でも、なにか開発プロジェクトがあると環境保護を理由に反対運動を熱心に繰り広げる常連がいて、こう云う人たちの動きを観察していると、これまたウサン臭いインチキのクレーム・ゴロツキが多くいるのが分かる。


英語には、「Ambulance Chaser」なる言葉があるが、海外からの援助が絡む開発プロジェクトはクレーム・ゴロにはまさに美味しい話で、現地の事情をよく知らない日本のNPOなどがそう云ったクレーム・ゴロに丸め込まれて一緒に、それも真面目に活動に関わって例などはよく見かけた。


冒頭に発電量を述べたが、アフリカのインフラの整備も、既にそこに住民がいれば立ち退きを迫ったり、環境への影響が出たりということがあるのは当然で、それが環境アセスメント調査が行われるりゆうだけれど、アフリカの人たちの生活向上と開発をどう折り合いをつけるかは常に難しい選択を迫られる。

インチキな人たち

ケニア政府は3月11日以前の、ずっと前から原発の導入を検討していたという話をした。


原発というのは、「科学」としては成り立つのだけれど、原子力発電という「産業」としては成り立たないということを今度の福島第一原発は立証したことになるが、悲しいかな、鉄腕アトム世代として成長期に原子力に夢を持っていたので、原発はなんとなく容認してしまっていたことは、今にしてみれば痛恨の極み言うほかはない。


それにしても、国連の国際原子力機関(IAEA)の天野事務局長と云う人は、事務局就任にあたって米政府関係者に「イランの核には厳しく対応して米国の政策に沿った対応をします」というような密約を交わしていたということが、ウィキリークスですっぱ抜かれていたくらいウサン臭いanother Inchikiな人なのだが、今回の福島原発事故では、ときに「核の番人」を自認するIAEAの事務局長としての対応は、ごく当然の対応であったと思う。


その日本人の天野氏がケニア政府と原発の話をするというので、日本の原発事故収拾の見通しの立たない3月末の時点でにケニアほ訪問すると、はやりなんでこのタイミングなのかとは思うだろうが、それを、いくらなんでも「AMANOという日本人が原発を売り込みに来た」とか「AMANOは死の商人です」というお粗末なデマがどこから出て来るのか? いるいは何らかの意図をもってそのようなデマを飛ばしているのか、こう云う誤った情報を出したこのインチキさにはあきれるばかりである。

(続は来週)