人の噂も75日
この時期のドイツは、秋のオクトーバーフェストにも引けを取らない新春のお祭り気分でいろいろな行事が催され、そんな元気で盛り上がる時期に居合わせることができて懐かしく心地よいひと時を過ごすことができた。
ただ、年々歳々花合似たり、年々歳々人同じからずという言葉の通り、旧知の人の訃報に接したり、最高のパートナーと思っていたカップルがそれぞれの生き方を選択していたりと、この世の常ならざることをあらためて思い知らされた。
あの3.11災害から今日でひと月半、75日となる。
ひとの噂も75日といい、普通ならばあれこれ話題になっていることもここらで一段落ということなのだろうが、今回のパラダイム・シフトととも呼べるこの天変地異はそんな言葉で流す訳にはいかない。
今になって出てきた原発事故の報道では、「炉心溶解は当初より想定されていた」というような、何を今更? ふざけるなと、ぶん殴りたくなる怒りが押さえられない。
明日、日本への帰路に着く。これまでは、どんなときも、どこからでも日本へ戻るということはなんとはない安堵感を感じていたものが、今回はちょっと違う。東電よ、政府よ、日本よ、これからいったいどうしてくれるのだ。
レーゲンスブルグの桜まつり
ミュンヘン空港に着いてからレーゲンスブルクへ向うには、まずバスで20分程のFreisingという町に来て、そこでニュールンベルグ行きの電車に乗り換えて約1時間で到着となる。
ドイツ語でRegensというのは雨のことだけれど、着いたドナウの要衝の雨の村の気候は紺碧の突き抜ける欧州の夏の空だった。
日本のソメイヨシノの桜前線五月になると津軽海峡を越えて北上するが、札幌辺りまで行くとソメイヨシノは北限なのか5月中旬の桜は、山桜が目立っていた。サッポロ-ミュンヘン-ミルウォーキーと言われるビールの共通緯度は、桜の共通緯度にもなっているかもと勘繰ってしまったが、レーゲンスブルグは先週が桜祭りだった。。
ホテルに着いて当地に住む古い友人・知人に電話をしたら、皆が一様に日本は放射性物質の汚染でヤバイから早々にドイツに移住して来いと、ちょっと真剣な声になって云ってくれた。ありがたいことだけれど、なかなかそうは行かないから、旬のシュパルゲル(白アスパラ)を食べたら日本へ帰ろう。
ブダペストでアフリカ料理に遭遇する
イベントは無事終了。打ち上げは「Gala Dinner & Ball」と云うことで黒服で正装して夕食をともにしましょうという趣向だけれど、歳をとるとこう云うのがあまり面白いと思わなくなるのか、本来は一番盛り上がる筈の晩餐をスキップしてハンガリー料理のレストランへ行ってみた。あらかじめ調べておいた「グヤーシュ」という具沢山スープで始めることにした。
牛肉・ジャガイモ・ニンジン・玉ねぎをトマトベースで煮こんであるので、つまり、これは、日本式カレールーを入れる前の、ビーフカレーを作ろうとして煮こんだものと理解してもらえれば間違いない。ところが、これがケニアへ行くと「Ngombe Karanga」と云って、Ngombe = 牛肉、Karanga = 煮こみというかごった煮の、いわゆる牛肉を煮こんで濃厚でまったりとしたビーフシチューではなく、あくまでも日本式ビーフカレーのカレールーを入れる前のさらさらのお汁という代物と全く同じものなので懐かしくなった。
しかしこれは、ブダペストとケニアの偶然の一致と云うよりは、牛肉と適当な野菜を煮込んで見ましたという、一番単純な「煮るだけ」という共通点で繋がるだけで、別に文化的な共通点となっいてる訳ではない。
イスタンブールは東西の文化が多層に交わっているのでいろいろな食べ物に出会うことが出来、イスタンブールの「おじや」がイタリアではリゾットとなり、更に西へ、スペインへ行けばパエリアになったに違いない「おじや」があり、鶏の煮込みは東へ行っていろいろなスパイスと出会ってインドではチキン・マサラになったに違いない鶏料理がある。
そんなオスマン帝国の支配が長かったブタペストは、トルコ料理の影響を受けて美味しい料理があるのではないかと期待していたのだけれど、短期間で試した範囲内では期待通りとは行かなかった。
ブダペストの、いわゆる名所旧跡などを巡る市内観光などもしていないので、まぁ、いい、また来よう。
日本出国前に新聞の広告にJTBだか東急ツアーのツアー募集広告があり、ベルリンに到着して、ドリスデン→プラハ→スロバキア→ブダペスト→ウィーンをめぐる10日ほどのツアーに16万円という価格が提示されていた。
アゴ・(飛行機を含めた)アシ・枕で16万円というのは、思わず「なんだこれは!?」と叫びたくなる低価格で驚かされる。 今回、成田→フランクフルト→ブダペスト→ミュンヘン→成田という行程で、それもエコノミークラスで航空運賃だけで20万円弱という価格を払ったので、旅行で海外へ行くのなら絶対にツアーに参加してい行くべきと確認した。
明日はブダペストからミュンヘンへ飛んで、そこからバスと電車を乗り継いでドナウの要衝・レーゲンスブルグへ行く。