わざわざアラビア語で読む聖書デボーション。

 

今回は新約聖書『ガラテヤの信徒への手紙』4章17節、

熱心/ハマス حماس」という単語が気になりました。

現代パレスチナの過激派組織「ハマス」と同じ単語です。

 

当時のガラテヤ教会に忍び込んできた迷惑な人々……

偽キリスト者、偽教師、ユダヤ律法主義者などが、

ガラテヤ教会のキリスト信仰を邪魔しようとがんばっていた。

 

神の救いは律法を正しく守ることで得られる云々、

熱心にキリスト信仰を否定していたようです。

 

聖書協会共同訳ではこう訳されています。

 

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あの者たちがあなたがたに対して熱心になるのは、善意からではありません。

かえって、自分たちに対して熱心にならせようとして、あなたがたを引き離したいのです。

良いことで熱心に慕われるのは、いつであっても良いことです。

それは、私があなたがたのもとにいる時だけではありません。

(ガラテヤ 4章17、18節)

 

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ここの「熱心」という箇所が、アラビア語訳では「ハマス」。

 

パレスチナの過激派組織ハマスもそうなのですが、

人間本位の熱心/ハマスは「狂信」です。

 

ハマスな人々は「神様のために」と神に熱心に見えるけど、

実際は神様も人も愛していない。

ただ自分のエゴが興奮してのぼせてるだけ。

 

 

 

パウロはガラテヤの信徒への手紙だけでなく、
各地の信徒たちへの手紙を記して、
イエス・キリストの福音を熱心に伝えています。
 
しかしイエス・キリストの十字架、赦し、救い、
信仰義認をていねいに説くパウロ自身も、
かつては熱心にキリスト教を迫害するパリサイ派のハマスでした。
 
パウロ自身が『フィリピの信徒への手紙』で、
主イエス・キリストに出会う前の経歴を語っています。
ユダヤ人パリサイ派のエリートだったこと。
熱心にキリスト教会を迫害していたこと。
 
アラビア語聖書は、フィリピ3章6節も「熱心/ハマス」と訳しています。
 
 
 
キリスト教会を迫害していたパウロは、
とても「熱心/ハマス」な迫害者だったわけですね。
 
しかしハマスだったパウロも、
使徒言行録9章で主イエス・キリストの呼び声を聴き、
目からウロコ事件を経てキリストに回心します。
 
だったら現代の過激派ハマスやユダヤ人シオニスト、
その他イエス・キリストを信じない認めない人々も、
神様のご計画しだいで使徒パウロのように救われるかもしれないと、
希望が持てる気がしました。
 
 
 
アラビア語訳の聖書では、
 
人間の熱心・狂信 → ハマス حماس
神様の熱情・妬み → ガイラ غيرة
 
と訳されています。
神様はハマスじゃないんですね。
 
 
旧約聖書で神様の性質を「妬む神」「妬む……」という箇所がありますが、
この「妬む」も「熱情/ガイラ」で訳されてます。
 
 
 
「神様の熱情」としてまず思い浮かぶのが、イザヤ9章。
クリスマスによく取り上げられますね。
やがて救い主(メシア/キリスト)が産まれてくる約束と希望を預言した箇所。
 
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一人のみどりごが私たちのために生まれた。

一人の男の子が私たちに与えられた。
主権がその肩にあり、その名は
「驚くべき指導者、力ある神
永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
 
その主権は増し、平和には終わりがない。
ダビデの王座とその王国は
公正と正義によって立てられ、支えられる
今より、とこしえに。
万軍の主の 熱情 がこれを成し遂げる。
 
――旧約聖書『イザヤ書』 9章5、6節
 
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万軍の主の熱情がこれを成し遂げる。
 
ここの「熱情」はハマスではなくてガイラ。
 
 
 
辞書で見ると、神様の「熱情/ガイラ」は単に「zeal 熱心」なだけでなく
jealously 妬み」がベースにあるようです。
 
さらに「earnest concern 真剣な関心、切実な憂慮」、 
vigilant care 寝ずの番をする、隙のないケア」、
solicitude 過剰な心配」など、
いずれも他者とのかかわりと関心をともなう熱情ですね。
 
おそらく、神様が人間を愛する熱情のゆえに、
私たちを害するものに激しい妬みを覚えるという意味で、
神様は「妬む神、熱情の神」と自称してるんだと思います。
 
『お父さんは心配症』という岡田あーみんさんのギャグ漫画を思い出しました。
一人娘を大事に想いすぎるお父さんがひきおこすドタバタ名作!
私たちの天のお父様も、私たちへの愛と心配で妬み深いのかもしれません(^^;
 
 
私たちの天のお父さんが激しい心配性な一方で、
人間本位の「熱心/ハマス」を辞書でひくと、
他者とのかかわりや関心を示すような意味はありません。
 
ハマスの熱心さは、ただ自分が燃え上がってるだけの自己完結。
人間の「熱心/ハマス」は神にも他者にも関心がない。
ハマスは自分ひとりだけの熱心といえそうです。
 
おそらく現代パレスチナの過激派ハマスもそうなのでしょう。
神と自分との関係が断絶しているから、
神との関係において自分の在り方を顧みることがなく、

自分本位の狂信にのぼせた勢いで爆弾を投げるしかできない……

 

 

過激派ハマスだけでなく、

自分本位の独善に熱心な人々は、

まず何より神様との正しい関係を回復することが第一ですね。

 

イエス・キリストを信じて救われたキリスト者も、

油断すると自分本位の熱心/ハマスな宗教家になるリスクがある。

 

 

主イエス・キリストは、自分本位のハマスな私たちを救うために、

私たちの代わりに十字架刑で殺されました。

それによって私たちの罪も赦され、神様との関係が回復されました。

 

そして主イエス・キリストは3日目に復活されました。

罪を償って死んで終わりではなく。

父なる神から新しい命を与えられて蘇られた。

 

復活の主イエス・キリストは今も生きて働いておられます。

 

かつてハマスだったパウロが主イエス・キリストに救われ、

まことの神様にお従いするキリスト者へと変えられたように。

 

私たちも、自分の熱心/ハマスによって生きるのではなく。
復活の主イエス・キリストによって生きる者とさせてもらえますように。
 
 
 
 

※ 記事中の聖句引用元/日本聖書協会『聖書 聖書協会共同訳』

 

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