慢性前立腺炎の治療の為に通っている"はり治療"の先生から、不要な血を抜く治療方法があると聞き、気になったので、少し調べてみました。
血を抜く治療は、中世から18世紀末頃にかけて始まったそうで、この治療のことを瀉血(しゃけつ)と言うそうです。
主に欧米(西洋医学)から始まったようですが、当時は「風邪や腹痛」でも血を抜いていたらしく、医学的根拠もなく、治療していた医者も多かったようで、段々とおこなわれなくなりました。
なお、切開して皮下にたまった血液を排出させる現在の外科に通じる治療もこの頃から研究が進み、こちらは現代医学の基礎になってます。
一方、中国(東洋医学)では、19世紀初頭ころから、患部に小さな傷をつけ、そこからガラス製の小さな壷により血を吸い出す「刺絡(しらく)」という療法がおこなわれたそうです。
これは、瘀血(おけつ)に対する治療とされ、うっ血している箇所から血を抜くことで、体内にたまった不要物や有害物を血液と共に外部に排出させ、身体の免疫力を高めるというもの。
ちなみに、瘀血(おけつ)とは、中国(東洋医学)において、うっ血や血行障害など、血の流れの滞り、またはそれによって起きる様々な症状や疾病を指します。
なお、西洋医学で瘀血(おけつ)に近い概念は、微小循環障害で、抗凝固剤(血栓を溶かす薬です)を使った治療法がおこなわれてます。
結局、共通しているのは、血液の流れをよくするということか・・・。
[補足]
“刺絡(しらく)”という言葉は、医学書『傷寒雑病論』にも記載されており、約2千年前から伝わっていた治療だと思われます。