概要

小型船舶操縦免許は、船舶職員及び小型船舶操縦者法に基づく国家資格。

日本国内の海、川、湖でエンジン付き小型船(プレジャーボート、モーターボート、ホバークラフト、エンジン付きヨット、水上オートバイ)を操縦するために必要な免許です。免許は操縦できる船の大きさや航行区域に応じて、一級、二級、特殊の3種類に区分されています。

 

(出典:国土交通省)

 

【一級小型船舶操縦士】

総トン数20トン未満または特定の条件を満たす全長24m未満の船舶を操縦できます。

航行区域に制限はありません。

 

【二級小型船舶操縦士】

操縦できる船舶は一級と変わりませんが、航行区域が制限されます。

平水区域および海岸から5海里(約9km)以内で航行できます。

 

【特殊小型船舶操縦士】

水上オートバイを操縦できます。航行区域は海岸から2海里(約3.7km)以内と定められています。

一級、二級の免許を持っていても、特殊の免許が無ければ水上オートバイは操縦できません。自動車運転免許でも四輪車と二輪車(バイク)は別の扱いになっていますが、それに似ていますね。

 

受験の経緯

去年、海事代理士試験を受けたときに海や船について勉強したのをきっかけに、小型船舶操縦免許を取りたいと思うようになりました。

まずは二級を取ってから一級にステップアップ…と考えましたが、一級は二級と比べて学科試験の科目が増えるだけで、実技試験は同じとのこと。それならいきなり一級でもいいのではと思い、一級に挑戦することにしました。

 

さて、一級免許を取得するには3通りの方法があります。

 

①登録小型船舶教習所に通う

登録小型船舶教習所で4~5日にわたり所定の学科や実技の教習を受けます。

修了試験に合格することで学科、実技とも試験が免除されます。

費用は大体10万円~15万円ほど。

時間とお金はかかりますが、一番確実なコースです。

 

②免許スクールに通う

免許スクールの講習を受講し、国家試験を受験するコースです。

免許スクールとは予備校のようなもので、試験合格に向けて独自の講習を行います。

講習日程や講習料は様々です。費用の相場は大体5万円~10万円ほどでしょうか。

免許取得のルートとしては、これが一番オーソドックスみたいです。

 

③完全独学

学科も実技も完全独学で突破を目指すコースです。

費用は受験料3万円ほど(+教材費)で済むため、一番安上がりです。

 

…うーむ。

ただの趣味なのであまりお金はかけられないし、かと言って完全独学は不安すぎる…

独学の場合、学科は何とかなるにしても実技がカギなんですよね。

操船なんか一度もやったことないのに、ぶっつけ本番で受けるのは無謀だろっていう。

 

ただ、私は今まで準中型免許(限定解除)や大特二種免許の一発試験を突破してきた自称猛者。

小型船舶も完全独学で挑戦することにしました。

 

出願

まずはJMRA(日本海洋レジャー安全・振興協会)から願書を取り寄せます。

試験の日程はJMRAのページで公表されているので、都合の良い日程を選びます。

試験はどこかしらで毎週のように実施されているみたいですね。

 

受験料は郵便局の「普通為替」という方法で払い込みます。

一級で現有免許なしの場合、受験料は28,950円です。

ちょっと高いですが、教習所等に通うよりは格段に安いので我慢です。

 

受験料を払ったら、必要書類を揃えてJMRAに郵送で出願します。

出願の翌々日、受験案内、受験票、預り証(レシート)がレターパックで送られてきました。

JMRAさん、仕事が早い!

受験料の内訳です。

身体検査が3,450円、学科試験が6,600円、実技試験が18,900円。

 

これで受験申請は全て終わり。

試験日まであと約2週間、ひたすら勉強あるのみです。

 

対策

まずは学科試験について。

学科は過去に出された問題がほぼそのまま出題されるようです。

学科教本を1冊と、一級用、二級用の問題集を買いました。

学科教本はざっと眺める程度に読み、あとはひたすら問題集に取り掛かりました。

問題集は解説が無いので、分からない箇所は学科教本か、ネットで調べました。

 

ちなみに、画像の「学科教本Ⅰ」は二級の範囲しか網羅していないため、一級受験者は普通「学科教本Ⅱ」も使います。

ただ、どうせ過去問の焼き直ししか出題されないので、過去問さえ暗記すれば大丈夫だろうと思い買いませんでした。

一級では燃費の計算や潮汐表の読み方などが出題されますが、ネットで調べれば解き方も出てきますしね…

 

あと、一級は製図の問題が3問出題されます。

解くのにコンパスと三角定規を使うのですが、三角定規は大きめのものが必要です。

試験で使用する海図がかなり大きいので、普通の三角定規では長さが足りないんですね。

私は丸善で18cm版のものを買いました。600円くらいでした。

 

製図問題については上記の問題集に解き方が載っています。

パターンが決まってるので、そこまで難しくないはずです。

 

次に実技試験について。

実技では以下のような課題が課せられます。

(出典:国土交通省)

 

独学受験者に必須なのは舵社の「いまから取るボート免許」(写真左)。

実技試験の対策DVDがついていて、価格も1,600円(税別)と非常に良心的。

どのような要領で実技試験が進むのか、流れを理解するには最高の教材です。

何度も見返してイメージトレーニングしておきましょう。

 

また、実技ではロープワークが出題されます。

巻き結び、もやい結び、いかり結び、クリート止め、一重つなぎ、二重つなぎ、本結びの7種類の中から出題されます。

どれが出題されても対処できるよう、全て確実にできるようにしておきましょう。

私はダイソーで綿ロープを買って練習しました(写真右)。

どうせなら長いものを買おうと思って7mのものを買いましたが、長さは1mもあれば十分です。

 

ロープワークはYoutubeが参考になります。

実際に手を動かして何度も練習しましょう。

 

 

さて、そんなこんなで試験前日。

これまでテキスト「学科教本」を1周、問題集2冊をそれぞれ2周し、舵社のDVDは3回見ました。

製図問題は前日まで全く手が付けられず、結局比較的簡単な1問目だけ解けるようにしてあとの2問は捨てることに。

ロープワークの練習に費やした時間は1時間くらい。いかり結びは上手くできるか微妙…って感じです。

 

もっと時間を取って対策するつもりだったのですが、仕事が忙しかったり体調を崩したりで時間が取れず、不十分なコンディションで受けることになってしまいました。こんな体たらくで受かるのか不安です。

 

試験当日(2018.01.27)

さあ、いよいよ試験当日です。

東京メトロ東西線の浦安駅から歩くこと15分、会場のニューポート江戸川に到着。

 

まずは受付で身体検査。

身体検査といっても身長や体重を測定するわけではありません。

視力が両目とも0.5見えていて、赤と緑が識別できるか検査して終わりです。

 

学科試験

身体検査を済ませたら次は学科試験です。

試験室内には一級と二級合わせて15人ほどの受験者がいました。

スクール出身者が大多数だとは思いますが、私以外に独学受験者はいるんでしょうか。

見た感じでは判別できませんでした。

 

試験官から諸注意を聞かされた後、9:30に試験開始。

問題集で見た問題がそのまま出題されるので楽勝です。

海図の問題は殆ど勉強していなかったので1問目しか分からず、2・3問目は適当にマークしました。

ざっと見直してから、10:30に途中退室。

 

試験室の外に出たら解答が貼りだされているため、すぐ自己採点できます。

一般科目は50問中45問正解(90%)、

上級科目は14問中12問正解(85%)でした。

一般科目と上級科目それぞれ65%正解で合格なので、余裕で突破です。

 

一般科目では、動力船の船尾から曳航物件の後端までの距離や、短音・長音を鳴らす時間など、数字を問う問題で間違えてしまいました。

これらは頻出問題ではありますが、何しろうろ覚えだったもので…

また、上級科目では製図の2・3問目を間違えました。これはもとから捨てていたので仕方ないです。

 

あとは実技試験ですが、私は15:00からとのことなので、4時間以上待機しなければなりません。

これだけ待たされるのは保育士の実技試験以来です。

 

待機時間では点検箇所の復習をしたり、持ってきたロープでロープワークの練習をしたりしました。

時間がたっぷりあるおかげで、不安だったいかり結びも完璧になりました(笑)

 

実技試験

さて、15:00になり試験官に呼ばれます。

まずライフジャケットを着て、船着場に移動します。

試験艇は対策DVDで使われている船と同じ涼風でした。

 

試「船体の点検をしてください」

私「はい!(DVDでやってたやつだ…)」

船首・左舷・船尾・デッキを指をさしながら見ていき、船に乗って反対側(右舷)も異常が無いことを確認し、「船体の点検、終わりました」

 

試「ワイパーの点検をしてください」

私「はい!(えーと…操縦席付近にあるはずだけど、どのボタンだ?)」

ボタンを探すのに手間取っていると試験官が位置を教えてくれました。

ボタンを押してワイパーが正常に動くことを確認し、「ワイパーよし!」

 

その他、エンジンの点検では「メインスイッチ」と「燃料コック」、

法定備品の点検では「信号紅炎」と「消火器」を指定されました。

 

信号紅炎がどこにあるのか分からず手間取っていると、

試験官から「宝探しの試験ではないので、場所が分からなかったら言ってくださいね。タイムオーバーになると減点されちゃうので」とのお言葉が。

問われているのはどこにあるかではなく、どのように点検するかということなんですね。

 

さあ、暖機運転をしていよいよ発進です。

シフトレバーを前に倒し、徐々に増速していきます。

おおっ、これは楽しい…

 

船の操縦なんてしたことないですが、操縦してみると簡単でした。

右にハンドルを切れば右に曲がるし、原理は車と同じですもんね。

 

試「直進している時、前だけ見るのではなく左右も見渡してくださいね~」

私「はいっ!(ん、そういうものなのか…気を付けよう)」

 

こんな感じで、試験中に何度かご指摘を頂きました。

注意ではなくアドバイスといった感じで、減点はされてなさそう。

自動車の一発試験だと何も言わずにビシビシ減点してくるんですけどね。

小型船舶の場合、試験ではありますが、教習を受けているかのような感じでした。

 

連続旋回、人命救助、係留等もDVDのおかげで難なくこなせました。

方位測定も、プリズムを手にするのは初めてですが何とか使えました。

 

全ての課題を終えて船着場に戻り、解散。

致命的なミスはしなかったと思うので、多分合格だろうという感触です。

 

合格発表(2018.02.01)

さて、待ちに待った合格発表です。

朝10時にJMRAのサイトで検索すると…無事に合格でした。

 

合格後の手続きですが、JMRAで操縦試験合格証明書を発行してもらい、運輸局で免許証の交付申請をすると免許証を取得できます。

この合格証明書は直接JMRAで受け取るか、または郵送で送ってもらいます。

私は郵送で送ってもらいました。JMRAは遠いので…

 

これが操縦試験合格証明書です。

A5サイズにモノクロ印刷なのでショボいですが、よく見ると「複写厳禁」の文字。

どうやらコピー防止の加工がされているようです。

 

ちなみにこの証明書、スクール等を経由すると発行から免許証申請まで海事代理士が代行してしまうため、受験者の手には渡りません。

独学受験者しか手にすることのできないレアな証明書です(だから何だって話ですが)。

 

これを運輸局に持参または郵送で申請すれば免許証が発行されます。

ただ、一級を取ったらついでに特殊も取りたくなるのが人の性(さが)。

 

免許証交付手数料をケチるためにも、特殊を取ってから同時に交付申請することにしました。

一級は独学で取れたのだから、特殊も独学で一発合格を目指します。

 

→「特殊編」に続く!

概要

商業経済検定とは、(公財)全国商業高等学校協会が実施する民間の資格試験。

企業経営の基本原則や、我が国の法体系の基礎を学び、国内問題や国際情勢を正しく理解することができる能力を身につけることを目的としています。

試験は例年2月の第1日曜日に実施されています。

 

「ビジネス基礎」に合格すると3級、「マーケティング」「経済活動と法」「ビジネス経済A」「ビジネス経済B」のうち1つ合格すると2級、2つ合格すると1級の合格証書が交付されます。

受験料は1科目につき1,300円です。

 

対象は基本的に商業高校の在校生ですが、それ以外の学生や社会人も受験することができます。

社会人が受けるケースとしては、商業高校在学中に取得できなかったのが心残りで卒業後に受験するケースや、販売士検定の科目免除狙いで受験するケースが考えられます。

私は既に社会人ですし商業高校出身でもないのですが、どんな試験なのか気になって受けてみることにしました。

出願

高校生を対象としているため、どこで受けられるのか、どのように申し込めばいいのかなどは公表されていません。

実施協会に問い合わせたところ、「お近くの商業高校に直接連絡して出願してください」とのことでした。

商業高校であれば基本的にどこでも受けられるみたいです。

 

そこで最寄りの商業高校(学校名は伏せます)に問い合わせると、平日であれば一般受験も受け付けているとのこと。

次の日に早速来校し、願書を書き、その場で受験料を払いました。

受験票は受験案内とともに後日郵送してくださるとのことでした。

 

傾向と対策

(公財)全国商業高等学校協会のサイトで過去問と解答が公開されています。

出題傾向は毎年殆ど同じなので、過去問だけやれば合格点は軽く取れると思います。

対策問題集も市販されていますが、買う必要はありません。

 

私の場合、過去問を見た感じ一番簡単そうだった「マーケティング」と「経済活動と法」の2科目を受験することにしました。

それぞれ3回分の過去問をざっと見て傾向を確認し、試験に臨みます。

 

試験当日

受験票と筆記用具、それにスリッパを持って、試験校に向かいます。

他の受験生は学生服でしょうから、浮かないように服装はスーツ姿で…

 

当日の試験時間は以下の通り。

①ビジネス基礎 9:00~9:40

②マーケティング 10:00~11:00

③経済活動と法 11:20~12:20

④ビジネス経済A 13:10~14:10

⑤ビジネス経済B 14:30~15:30

 

私は「マーケティング」と「経済活動と法」を受験するので、2限目と3限目を続けて受験することになります。

 

試験開始15分前に校舎に到着。

周囲を見渡しましたが、社会人は私だけでした。

 

さて、試験開始。

「マーケティング」、「経済活動と法」とも過去問と同じような問題ばかり。

ゆっくり解いていき、30分ほどで解答を終えました。

以前は途中退室ができたようですが、今年からできなくなったとのことです。

 

問題冊子は試験後に回収されてしまうため自己採点はできませんが、合格点は超えた感触。

2科目終えた後、出願時にお世話になった先生に一言ご挨拶して帰ります。

合格だった場合、合格証書は郵送してくださるとのことでした。

 

合格発表

約1か月後、試験校から郵便物が届きました。

2科目合格なら1級、どちらか1科目合格なら2級の証書が入っているはず。

 

開けてみると…

1級の合格証書でした。

合格証書とともに試験終了時に回収された問題冊子も送られてきました。

せっかくなので自己採点してみると、マーケティングは82点、経済活動と法は92点でした。

合格ラインが70点なので、まずまずの成績と言えそうです。

 

高校生の中に大人が一人交じって受験するというのは恥ずかしかったですが、無事に合格していて良かったです。

これで落ちていたら目も当てられないので…(笑)

 

商業高校では商業経済検定の他にも珠算・電卓、簿記、会計、情報処理など数多くの検定制度があり、殆どの学生が受けるみたいです。

在学中に全検定制覇すると表彰されるのだとか。

 

3年間でこれだけ多くのことを勉強するのは凄いなぁ…

この試験を通じて商業高校の学生さんへの考え方が少し変わりました。

概要

防火・防災管理新規講習は、防火管理者、防災管理者の資格を保有していない人が新規に資格を取得するための講習。

2日間の講習を終え、効果測定に合格することで甲種防火管理者防災管理者の2つの国家資格が手に入ります。

 

防火管理者、防災管理者は消防法に基づく国家資格。

建物の規模や収容人数に応じて防火管理者、防災管理者を選任しなければなりません。

取っておけば職場でも重宝されること間違いなしの資格です。

 

講習内容

防火・防災の2冊のテキストに沿って講義が行われます。

講習内容は防火管理者の選任要件や消防設備の使い方など多岐に渡り、サクサク進んでいきます。

「説明するのはさわりだけなので、詳しいことはテキストで復習してくださいね~」という感じでした。

 

受講者の性別や年齢はバラバラで、熱心に聞いている人、居眠りしている人、スマホをいじっている人など受講姿勢も様々でした。

私にとっては結構退屈でした… 危険物取扱者と消防設備士の免状持ちの私には既習事項ばかりだったので。

受講科目を一部免除してくれればいいんですけどねアセアセ

 

効果測定

2日目の受講の後には理解度をチェックするための効果測定が行われます。

3択の問題が10問出題され、6問正解で合格となります。

 

効果測定で不合格だと1時間ほど補講を受けた後に再試験を受けてもらうとのこと。

ただ、効果測定はテキスト参照可のうえ、採点も自己採点のため、落ちる人はいないと思います。

(自治体によって異なる場合があります)

 

余談ですが、私の父も20年ほど前に防火管理者の講習を受けており、その時は効果測定の後に何人か残されて補講を受けさせられたようです。

「〇〇番と××番さんは残ってください」って感じで。

これは恥ずかしいですねぇ…

 

幸い、私が受けたときは全員合格でした。

合格確認後、数分で修了証が交付されます。

 

カードタイプの修了証でした。

 

自治体によっては手帳タイプやA4の賞状タイプの修了証もあるようですが、今はこのカードタイプが最も一般的かと思います。

 

受講を終えて

長い長い2日間でした。

座って話を聞いているだけで国家資格が2つ貰えるというのは嬉しいのですが、

ただ座っているだけなのにだいぶ疲れました。もう年でしょうか。

 

さて、これで資格は取得したので、いつでも管理者として選任されることができるようになりました。

いつか管理者に選任されたときに職務を全うできるよう、引き続き消防関係の知識の習得に励んで参ります。

【注意】
この体験記は2017年に受験した当時のものです。
2019年には筆記試験に「領海等における外国船舶の航行に関する法律」、「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律」が追加され計20科目になるなど、試験内容に一部変更がありますのでご注意ください。

 

概要

海事代理士は海事代理士法に基づく国家資格。

海事代理士になると、他人の委託により、国土交通省や都道府県等の行政機関に対して、船舶安全法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法などの海事関係諸法令の規定に基づく申請、届出、登記その他の手続きをし、またはこれらの手続きに関する書類の作成をすることができます。

業務の性質上、海の司法書士海の行政書士海の社会保険労務士などと呼ばれることがあります。

 

海事代理士になるには、海事代理士試験に合格し、海事代理士として登録する必要があります。

試験は年1回の実施で、筆記試験と口述試験に通ると合格となります。

 

筆記試験

筆記試験は18科目が課されます。

1日かけて以下の18科目を解答します。

 

1時限目

①憲法

②民法

③商法(「海商」のみ)

④国土交通省設置法

 

2時限目

⑤船員法

⑥船員職業安定法

⑦船舶職員及び小型船舶操縦者法

 

3時限目

⑧海上運送法

⑨港湾運送事業法

⑩内航海運業法

⑪港則法

⑫海上交通安全法

⑬海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律

 

4時限目

⑭船舶法

⑮船舶安全法

⑯船舶のトン数の測度に関する法律

⑰造船法

⑱国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律

 

…いやぁ、並べてみると凄いですね。

行政書士は6科目、司法書士でも11科目であることを考えると、18科目というのは物凄いボリュームのように感じます。

でも大丈夫。海事代理士は内容の薄い科目が殆どで、過去問の焼き直しのような問題が多いのです。

 

筆記試験突破のために必要な参考書は1冊だけ。

日本海事法務研究機構というところが出している「海事代理士厳選過去問題集」がオススメです。

価格は4,000円と少し高めですが、過去10年超の問題と解答・解説が収録されており、1冊仕上げれば筆記試験は余裕で通ります。

この問題集さえあればテキストは不要です。

 

海事代理士はマイナー資格ゆえに参考書が殆どありません。

成山堂書店の「海事代理士合格マニュアル」という本を使う受験生が多いのですが、これはおすすめできません。

合格マニュアルは5年分の過去問しか収録されておらず、解説も不十分です。

 

厳選過去問題集も合格マニュアルも値段はほぼ同じなので、問題収録数の多い厳選過去問題集の方を買いましょう。

 

なお、国土交通省のページに過去の問題と解答がアップされていますが、ここはケチらず厳選過去問題集を買いましょう。

国交省の過去問は解説が無いうえに、海事法令は割と頻繁に法改正があるので…

(例えば国土交通省設置法なら組織の名称、港則法なら特定港の数など。最近ではライフジャケットの着用基準が変わりました)

 

さて、勉強方法としては上記の厳選過去問題集をひたすら読み進めていくだけ。

読み進めていくうちに、科目によって難易度に差があることに気づくはずです。

 

海上運送法、港湾運送事業法、内航海運業法、船舶のトン数の測度に関する法律、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律などは過去問の焼き直し率が高く、満点近く狙える科目です。

逆に、港則法や造船法は出題パターンが定まらず、高得点は難しい科目です。

民法も範囲が膨大過ぎるため一般に捨て科目とされます。

 

このように科目によって難易度に差があります。

簡単な科目は満点を狙い、難しい科目は半分取れれば御の字としましょう。

 

筆記試験の合格率は例年50%程度。

筆記試験は6割取れれば合格ですが、受験者の平均正答率が6割を超えた場合(つまり、問題が簡単だった年)は、その正答率がボーダーラインになります。

 

筆記試験の約1か月後に合格発表があり、合格者には口述試験の案内が郵送されます。

 

口述試験

口述試験は霞が関の国土交通省本省で実施されます。

試験は船舶法、船舶安全法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法の4科目。

この4科目から、それぞれ5~7問出題されます。

10点ずつの配点で、40点のうち6割(24点)で合格です。

 

口述試験も筆記試験と同様、過去問の焼き直しが殆どです。

国土交通省のページから過去問を印刷してひたすら覚えましょう。

10年分を5周もすれば大抵の問題には答えられるようになります。

 

口述試験は4人1組で行い、1科目3分ずつ、計12分間で行われます。

1科目3分で5~7問が出題されるので、スラスラと答えなければなりません。

 

中にはド忘れして出てこなかったり、聞いたことのない新問が出されたりしますが、

そこで時間をかけるのはもったいないので「パスでお願いします」と言って後回しにしてもらいましょう。

また、一度聞いて分からない問題には「もう一度お願いします」と言えば応じてくれます。

 

口述試験は毎年8割程度の人が受かる試験なので、リラックスしていきましょう。

 

合格発表

口述試験の約3週間後、合格発表があります。

合格発表日は口述試験の受験時に案内されるので、メモしておきましょう。

 

合格者には合格証書が簡易書留で届きます。

12月22日に合格発表があり、合格証書が届いたのは12月25日でした。

国土交通大臣からのクリスマスプレゼント…🎅🎁

 

さて、海事代理士を名乗って仕事をするには登録手続きをしなければなりません。

登録にかかる費用は3万円(登録免許税)です。

 

税理士や行政書士など、他の士業資格は登録のほかに士会に入会することが義務付けられており、入会費や年会費で何万円も取られるのですが、海事代理士は士会(日本海事代理士会)への入会は任意となっています。

つまり、一度3万円を払って登録してしまえば、生涯海事代理士として仕事ができるということです。

 

入会しないと海事代理士バッジの貸与が受けられないとか、職務上請求書が使えないといった不都合はあります。

ただ、海事代理士として仕事自体はできるので、とりあえず登録だけしておいて、必要があれば入会するというのでもいいと思います。

 

私も年明けに関東運輸局に登録申請に行きたいと思います。

それまでに職印を用意しておかねば…!

概要

ビジネス電話検定とは、実務技能検定協会が主催する民間の検定試験。

試験の内容はビジネスシーンでの電話のかけ方の専門性を問うものとなっています。

 

一般的に「ビジネス電話検定」と呼ばれていますが、正式名称は「ビジネス電話実務検定」となっています。

 

電話に関する資格試験では(公財)日本電信電話ユーザ協会が実施する「電話応対技能検定」(通称:もしもし検定)というものもありますが、それとは別物です。

 

試験の級は実践級、知識A級、知識B級の3つに分かれています。

知識A級と知識B級は筆記のみ。実践級は実技のみの試験です。

 

受験までの経緯

実務技能検定協会主催のビジネス系検定は次の5種類あります。

秘書検定、ビジネス文書検定、ビジネス実務マナー検定、サービス接遇検定、そしてビジネス電話検定。

今までに秘書検定準1級、ビジ文1級、ビジマナ1級、サビ接1級と取得してきたのですが、ビジ電は既に取得した検定で内容がカバーできるので、あまり受ける気にならなかったんですね。

ただ、どうせなら全5種類を制覇するのもいいかと思い、今になって受けることにしました。

 

例年の合格率は以下の通り。

・実践級:約95%

・知識A級:約80%

・知識B級:約85%

 

どの級も合格率がかなり高いです。

いきなり最上位の実践級を受けたいところですが、実践級は知識A級を取得していないと受けられません。

そのため、仕方なく知識A級を受験することにしました。

 

受験対策

早稲田教育出版からテキストと過去問題集が出ています。

ただ、前述の通り例年の合格率は約80%とかなり簡単で、私は他のビジネス系検定をひと通り取得していることから、今回は特に対策せずに受けることにしました。

 

とはいえ、どのような問題が出るのか分からず受けるのはさすがに怖い…

書店で過去問を10分ほど立ち読みしました。

 

パラパラと読んでみたところ、出題はどれも基本的なことばかり。

…うーむ、これなら合格ラインの6割は問題なく取れそうかな?

 

試験当日

試験会場は田端の中央工学校。

ビジネス系検定では毎度おなじみの校舎です。

 

試験開始30分前に着席。

教室内を見回すと受験者の8割ほどが女性でした。

 

普通、試験直前は参考書で最終チェックをするものですが、周りに勉強している人は殆どおらず、スマホをいじったりボーっとしていたり…

やはり合格率80%となるとあまり緊張もしないのでしょうかね。

 

さて、試験官から受験の諸注意を聞かされた後、試験開始です。

敬語や言葉遣いに関する基本的な問題が中心で、解きやすい問題ばかり。

 

あとは「それ言ったらお客さん怒らせちゃうだろ(笑)」みたいに、常識で答えられるような問題が多かったです。

一般常識クイズのような感じで、解いていて楽しかったです。

 

最後に記述問題が3つ出題されます。

会話文の一節が挙げられ、適切な敬語に直すものや、冗長な説明はなぜいけないのか、箇条書きで理由を答えるものなど。

 

結構のんびり解き進めていったので、解き終えるのに一時間半くらいかかりました。

ざっと見直して途中退室。

 

仕事で電話応対の経験がある方や秘書検定2級レベルの知識がある方であれば、特に勉強しなくても難なく解ける難易度だと思いました。

 

試験結果

試験から3週間後、協会から封筒が到着。

封筒を触った感触でカード状のものが入っているのを確認。

 

開けてみると…

合格証が入っていました!(^^)

得点については記載が無く不明です。

 

合格証とともに実践級の受験案内も同封されていました。

どうせなら最上位の実践級まで取りたい気もしますが、合格率95%の試験を受けるのも何だか躊躇してしまいます。

「それ、受験料を払ってまで取る意味あるのか?」って感じで…

 

実践級の受験はひとまず保留にしますが、これからも仕事で社会人として恥ずかしくない電話対応ができるように頑張ります。