長野県北部の主に大仏をめぐる旅の記録を書いています。
今回ご紹介する大仏は、私がこの旅で一番楽しみにしていた大仏さまです。
旅のメインイベントと言ってもいいかもしれません。
これまでの旅の記録は以下のアドレスからお読みください。
長いこと大仏めぐりをしていますから、
初見の大仏さまというのは少なくなっていくもので。
初めて出会う大仏さまにはおのずと胸が高鳴ってしまいます。
そうです、今回ご紹介するのは最近できたばかりの初見の大仏さまです。
ドキドキしますね。
目的の大仏さまがいらっしゃるのは長野県長野市。
ですが長野市とは言っても中心部からはかなり離れた山間の町。
平地のほぼない急傾斜地体で、東京では見ることのできない壮大な風景がつづきます。
特に向かっている途中に見えた北アルプスが衝撃的に美しく、
思わずシャッターを切りました。
こんな美しくも壮大な風景の中、
山間の農村地帯に何の前触れもなく突如として現れるのが、
私が今回、もっともお会いしたかった大仏さまです!
覆屋に囲まれ、お顔に直接光は当たっていなかったため、
遠目にはそれとは気づかず、
「カラフルな建物があるな」ぐらいの印象なのですが、
少し近づくとそれが紛れもない大仏さまだと気づき、時が止まります。
私はこの辺りに大仏さまがいらっしゃる、
という事実を知っていたから気づけましたが、
知らなかったら確実にスルーしてしまうでしょう。
というか、まずもってこんなところに大仏がある(しかもこんな形で)とは、
普通は想像できません(私はするけど)。
この、のどか過ぎる風景とカラフルな覆屋の中の大仏さまのギャップたるや‥‥!
そして思っていたよりもかなり大きい!
これは素晴らしい!!
初見の驚きも相まって心を鷲掴みにされました。
こちらの大仏さまは左手に薬壺を持つ
薬師如来像で、像高は5.4メートル。
木造で寄木造り。複数の木材を継ぎ合わせ作られています。
この敷地にお住まいで農業を営む男性が2020年から作りはじめ、
今から2年前の2024年にやっと完成しました。
完成の際には地元のテレビ局などが取材にきており、
私もその映像を見て「これは行かねば!」と思っていたわけです。
車でここまで入ってくると、
「見物人が来たか?」と思ったのか、
敷地の所有者であり大仏の制作者でもある男性が出ていらっしゃいました。
「薬師如来像を参拝させていただけますか?」
と声をかけると、快くOKいただき、農作業の手を止めご案内くださいました。
お気づきの方もいると思いますが、
先ほどから正確な場所を明らかにしていないのは、ここが個人の方のお宅だからです。
ニュースなどで詳細な場所も制作者のお名前も明らかになっていますから、調べれば出てきます。
ですがこのブログは私個人の活動です。
撮影の許可は得ていますが、ここでは詳細は伏せます。
製作者のお名前も‥仮に『Nさん』とさせていただこうと思います。
最初にNさんがご案内くださったのが、こちらの仁王像。
高さは3メートルほどあるでしょうか、充分に見上げる大きさ。
表情にも迫力があります。
この仁王像は一本の木から掘り出したそうで、Nさんのオリジナル仁王。
というのも仁王像は通常、阿吽二体でお寺の門にいるガードマン的な存在です。
しかしこの仁王さんは一体。
しかも左手には悪魔を握りつぶし、右手には赤ちゃん(無垢な天使の象徴)を抱えている。
仏像のルールからは逸脱していますが、そこにはご本人の想いが反映されています。
発注を受けているわけじゃないんですから、好きにつくったらいいと思います。
プロの仏師ではない‥‥確かにそうですが、
とはいえあまりに本格的じゃないでしょうか。
Nさんは本職は農家をされています。
仏像に興味を持ち、最初はチェーンソーで木を彫出すなどしていたそうですが、
徐々に仏像制作にハマっていき、とうとうここまでの大仏さまを作るに至りました。
ハマったっていっても、普通はここまで行きつきませんよ。
趣味の延長というにはあまりにも本格的。
かなりの勉強もされていると思います。
この薬師如来像の表面は乾漆造に習っていて、
麻100%の昔の蚊帳をかき集め、漆と合わせて仕上げたそうです。
基本的には廃材を利用するサステナブルな手法がNさんのポリシー。
本来は大仏の背後に後背を作りたかったそうですが、そこまではできず、
廃材の襖などを集めてきて、現在のような形にしたとのこと。
襖に描かれているのは先ほどこちらに向かう途中で見た北アルプスの風景でしょう。
地元を守る大仏さま感が出ていて、非常に素敵だと思いました。
お座敷で大仏さまがくつろいでいるみたいです。
繰り返しますが、前述したように個人のお宅です。
ですが、Nさんご本人としては「見ていただきたい」
という想いはあるように感じました。
ですから、ご迷惑にならぬよう礼儀を持って参拝させていただく分には大丈夫だと思います。
ただ‥ここまで行くのは結構大変です。
それなりの準備をしてお出かけください。
私は『作らずにはいられない』という方々を何人も見てきましたが、
その最新が今回更新されました。
現在進行形の熱量を感じとても感動した、というのが私の素直な感想です。
Nさん有難うございました!
どうぞお身体に気をつけながら、これからもつくり続けてください!!











































