自然石に仏頭が乗ってる系石仏の話 | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

私が惹かれる石仏の魅力のひとつに

『表現の幅広さ』というのがあります。

どういうことかと言うと、

「これが石なのか!」と驚くほど精巧な石仏もあれば、

素朴だったり稚拙だったりと、簡略化された石仏もある。

その幅がめちゃめちゃ広いのが石仏の魅力だと思っているわけです。

 

個人的には精巧な石仏も素朴な石仏も、どちらも好き。

強いて言うなら、

そのどちらかに大きく振れてる石仏と出会うと

「おおっ!!」とテンションが上がります。

 

素朴系石仏の中でも私が特に注目しているのが、

『自然石に仏頭が乗ってる系石仏』です。

(あくまで私が勝手にそう呼んでいるだけです)

 

具体例をあげると、

長野県諏訪市の万治の石仏が比較的知られていると思います。

 

 

こちらが万治の石仏です。

ご覧いただければわかる通り、

『自然石に仏頭が乗ってる石仏』そのまんま。

大きな自然石の表面にレリーフのように身体を彫り込み、

頭部をその上に乗せるという。

平面的表現と立体的表現をミックスさせたファンキーなスタイルです。

 

芸術家の岡本太郎氏が

「これはおもしろい!」

と絶賛したことから広く知られるようになったという逸話があります。

 

万治の石仏に関しては以前ご紹介しています。

10年ほど前の記事ですので…お恥ずかしいのですがご紹介しておきます。

 

 

 

さて、この万治の石仏に代表される

『自然石に仏頭が乗ってる系石仏』

長野県のお隣、山梨県にたくさんあるんです。

中でも飛び抜けて大きく迫力があるのが、

甲府市の東光寺地域の大地蔵です。

 

これ、なんとなくブログに書いた記憶があるのですが、

ブログ内検索しても出て来ないので、もう一回書くことにします。

(実際には書いていないのかもしれません…夢で見たのか…?)

 

最初は東光寺というお寺にある地蔵尊だと思っていて、

東光寺を参拝したのですが、それらしき地蔵尊は見付からず。

周辺をしばらく散策しました。

 

東光寺の後方に国道6号線かな?大きな道路があるのですが、

その道路の下、坂道の脇にに大地蔵を見付けました。

大地蔵と言っても、最初は地蔵だと気付かないかもしれません。

 

 

上の写真にお地蔵さまが写っているんです。

どこだか分かりますか?

 

クローズアップします。

 

 

比較対象になる人などが写っていないため伝わりづらいのですが、

それはまさに『地蔵』の概念を覆す大きさ

高さ5.68メートルの巨石!

その上に仏頭が乗っているのです!

 

 

こちらが東光寺地域の大地蔵と呼ばれる、石地蔵です。

 

側にある説明看板によれば1707(宝永4)年の建立。

身の丈は約8メートル70センチとのことですから、

5.68メートルの巨石の上に3メートルの仏頭が乗っているということ?

いやぁ…さすがに3メートルはないんじゃないでしょうか。

どちらかの数値が間違っているかもしれません。

とは言え、確かに7、8メートルはありそうな大きさです。

 

 

真下から見上げるとこんな感じですから、

それがお地蔵様だと気付かず、巨石か岩だと思って通過する人も多いと思います。

見上げて顔があってビックリ!!みたいな。

そしてよくみれば端正なお顔立ち。

 

万治の石仏とは違い、胴体の巨石部分に手が加えられていないため、

よりプリミティブと言いますか、自然のまま感があります。

これは気付かない。

 

 

このような『自然石に仏頭が乗ってる系石仏』

少なくとも甲府市に4体、笛吹市と山梨市に1体ずつの計6体存在していて、

私はおそらくその全てを参拝しています。

まだまだ私の知らないものもあるでしょう。

 

全てをご紹介したいところですが長くなりますので…

気になる方は拙著『道ばた仏さんぽ』をご覧ください。

6体のうち4体の地蔵尊を掲載させていただいています。

図らずも最後は宣伝になってしまいました…すみません。

いつかブログでも書くかもしれません。

 

 

次回は関東で出会った

『自然石に仏頭が乗ってる系石仏』をご紹介する予定です。

これはまだ本にもどこにも書いていません。

どうか気長にお待ちください。