自然石に仏頭が乗ってる系石仏 関東編 | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

今回のブログは前回ご紹介した
『自然石に仏頭が乗ってる系石仏』と関東で出会ったお話です。

できれば前回からつづけてお読みください↓

 

 

 

私は一般的な観光ガイドには載らないような旅ばかりしているので、

「こういうマニアックな情報はどこで手に入れるんですか?」

とよく聞かれます。

基本的には足で稼いだ情報と言えますが、

きっかけはネット、ということが多いと思います。

 

特にグーグルマップでは定期的に石仏探しをしています。

マップ上で『石仏』と検索し出てくるポイントを

ひとつひとつチェックしていくという地道な作業。

ストリートビューで歩き回りグーグルマップ酔いしたこともあります。

(やりすぎると本当に気持ち悪くなります。注意!)

 

そんな地道な作業で見付けた石仏がありました。

それが『真行寺廃寺跡からの山武の石仏』です。

自然石の上に素朴そのものの仏頭が乗っている。

マップ上で見る限り、まさに前回ご紹介した

『自然石に仏頭が乗ってる系石仏』のように見えました。

関連性はないだろうけど、単独でも充分に魅力的だと思いました。

 

これは実際に会いに行きたい!

と思いつつ行けないまま時が過ぎていましたが、先日やっと行って来たんです。

 

 

千葉県某所(詳細はグーグルマップで探してみてください)、

最寄りの駅からは徒歩30分というところ。

車で近くまで行けますが駐車する場所がありません。

 

県道かな?車がすれ違える広い道から、

農道のような細い道へと折れる分岐点に看板が設置されています。

 

 

山武市指定文化財 石仏』

 

立派な看板が立ってる!これは楽勝だな、

と思うじゃないですか。

そうは行かないんですよね…

日々これ修行です。

 

 

鬱蒼とした木々の間を進んで行くと突然開けた場所に出ます。

畑が広がる、ひときわ明るくのどかな光景。

 

さらに歩いて行くと左手に、

 

 

『真行寺廃寺跡』

という立派な看板が設置されているのを発見!

ここに石仏が!?

と草を分け入ってみるも石仏の姿はありません。

 

ちなみに看板の内容は

『この場所は昭和56〜58年に発掘調査が行われた廃寺跡で、

創建は7世紀末〜8世紀前半と推定される』

というようなことでした。

 

この看板以外に目印になるものはなし。

 

 

少し先に人が歩いたっぽい跡がある…ここかな…?

と行ってみるも、そこに広がるのはただの森。

いや、林か。

どちらでもいい。

とにかく木々があるのみです。

完全に道を失った感。

うーん、そもそもこっちじゃないのかも。

 

グーグルマップをよく見てみると、

『真行寺廃寺跡からの山武の石仏』

のポイントがあるのは、この『真行寺廃寺跡』の看板がある位置。

そこから少し離れた場所に

『山武の石仏』というもうひとつのポイントが打ってある。

こちらが正しい石仏の位置なのかもしれない。

ただ、マップ上にそこまでの道は表示されていません。

看板もない。

こうなると頼れるのはおのれの勘のみとなります。

 

 

こっちなんじゃないかな…

と、勘に従い進んで行きます。

しばらくうろうろ彷徨っていると…

 

 

看板発見!!

合ってた、ここまでの道、合ってた!

ここ曲がるのね。

でも、ここを曲がっても何の看板もないんです。

 

唯一の目印、

これ絶対、見逃さないでください!!

 

 

分かりますかね?

木の枝にビニールみたいなものが結んであるんですよ。

とっても有り難いんですけど、もう少し目立つものにして欲しかった。

ビニールの袋か何かを結んでくださったんだと思いますが、これは見逃します。

これを見逃すと石仏とは出会えないことになります。

 

台風が来たらこの目印、なくなってしまいそう…

そのぐらいに難易度高めの最後のターン。

この目印のある木の手前を曲がり数十メートル歩くと!

 

 

生い茂る木々の向こうに…

 

 

探していた石仏の姿が…

 

 

見えてくるんです!

間違いない、

『山武の石仏』です。

 

まるで木の影からこちらを覗いているよう!

いや、思い過ごしではないと思います、

完全に石仏と目が合いました!!

 

その直後、私は足を取られてコケました。

あまりの衝撃的な出会いに仏さまに手も合わせず、

いきなりシャッターを切ったもんだから、

瞬時にバチがあたったんだと思いました。

脱帽してすぐさま手を合わせたのは言うまでもありません。

 

 

改めて正面から拝ませていただきます。

石仏のサイズは1メートルほど。

万治の石仏に代表される長野や山梨の石地蔵とは少し違いますが、

素朴、まさに素朴な仏頭が、自然石の上にピタッとフィットしています。

 

二重まぶたのように見えるところが劇画タッチの主人公風な印象をあたえ、

ジッとこちらを見返してくるような…

妙に引き込まれる、そんな魅力を持っていると思いました。

 

近くにある説明看板によると、

『ここは真行寺廃寺から300メートル離れた古墳群の中腹。

石仏の作者や造立年代は不明。

廃寺との関連性が指摘されるものの判然としない』

とのこと。

 

結局、何も分からないということですね…

でも謎もまた魅力的です。

とにかく辿り着くまでの難易度がかなり高く、

これまでに会ったことがない素朴さで、

ここ最近で一番テンションが上がりました。

 

ブログもここ最近で一番の長文になってしまったので、

このへんで終わりにします。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

これを読んで行ってみたいと思った方はどうぞお気を付けて。

たぶん迷います。

そしてバチがあたらぬよう、脱帽し合掌し、ご参拝ください。