開運童子のブログ -27ページ目

雨のあとに虹・Part2 その22

「いつまでも情けない声を出していてはみっともないぞ。」

矢島は言って国分の腕をとってひねりあげると

「うわー!」

国分はさらに大きな声で言った。

「間接を元に戻しただけだよ。」

矢島は言った。

「それにしては痛いぞ。」

国分が言うと陽子は矢島と国分を見ていたのである。

「俺は情報堂の社員だぞ!」

国分が言うと

「あの一流企業といわれる情報堂か?」

矢島は言った。

「こんな事をしてただで済むと思うなよ。」

国分が言うと

「いくら情報堂の社員でも何をしても良いと言う事はないはずだ。」

矢島は国分を睨みつけて言った。

「覚えていろ!」

国分が言うと

「お前みたいな雑魚はすぐに忘れるよ。」

矢島は言い返すと交差点の信号が青に変わっていた。

「くそ!」

国分は言うと急に走り出して横断歩道を渡って逃げていったのであった。

「ありがとうございます。」

陽子が矢島に言うと

「あんな社員がいるようでは情報堂もたいした事はないな。」

矢島は笑いながら言ったのである。

「高村さんが来てくださるのは久しぶりですね。」

ひとみが言うと

「最近は総武の事で新聞に載ったりテレビに出たり雑誌の取材を受けたからね。」

俊之は席に座って珈琲を口に運んでから言うと

「顔が売れてきたので外を歩きにくいでしょ?」

ひとみは言った。

「そうでもないと思うけれどねよ。」

俊之が言うと

「そうかしら?」

ひとみは言った。

「みんな気づいてないのかな?」

俊之が言うと

「ここのお客さんは全員高村さんに気づいていますよ。」

ひとみは言った。

そうなのかな?」

俊之が言うと

「ミートソースお待ちどうさまでした。」

小百合が言って俊之のテーブルにミートソースが入った皿を置いた。

「ありがとう!」

俊之が言うと

「総武グループのトップになると忙しいですか?」

小百合が大きな声で言った。

「高村さんに失礼よ。」

ひとみが言うよ

「カウンターへ戻ります。」

小百合は言ってカウンターに戻って行った。

「あとでお話があります。」

ひとみが言うと

「僕も話があるのでよかったよ。」

俊之は言った。

「ゆっくりしてください。」

ひとみは言うと持ち場に戻って行った。

「俊さんが来たらお客さんが俊さんを意識しているみたい。」

久美子が俊之の傍に来て言うと

「そうかな?」

俊之は平然として言った。

「総武のグループのトップは影響力があるみたいですね。」

久美子は俊之を見て言った。

もうひとつの物語・6月の雨

 梅雨入りして雨の日が続いていてシトシトと降る雨は梅雨独特の雨であった。そんな梅雨の谷間とも言える晴れた日に私はいつものようにその珈琲ショップに行ってみた。いつものように気分が向いて立寄ってみたのである。

「いらっしゃいませ。」

若い女性店員さんが言って対応してくれると

「ブレンドをひとつね。」

私は言って注文をすると少し時間だけ待っていた。

「お待たせいたしました。」

若い女性店員さんはハキハキした声で元気よく対応してくれていた。私は今日も不思議な事にいつもと同じ席に座っていた。私は周囲を見回して大きくい息を吸い込んでいた。私が初めてこの店に来てからかなりの月日が流れていた。店長さんや彼女の事も昨日あった出来事のように思っていたのが時間は私の心とは裏腹に早く過ぎていくものである。少しだけ寂しさを感じながら私は珈琲を含んでいた。

いつの間にか横に人の気配を感じると

「こんにちは。」

先ほどの女性店員さんが言って横に立っていた。

「こんにちは。」

私は短く言った。

「今日は店長がお休みですみません。」

彼女は言った。私は週に一度は定休日があるのは解っていたが珍しくその定休日に私が来た事をしった。

「最近では店長さんが休みの日に来るのは初めてかもしれないね。」

私は言うと少し間があった。

「いつも店長と何をお話されているのですか?」

彼女が不思議そうに私を見て言った。

「普通の世間話だよ。」

私が言うと

「本当にそれだけですか?」

彼女は言った。

「そうだよ。」

私が言うと。

「それだけではないような気がします。」

彼女は言った。

「どんな話をしているように見えたの?」

私が言うと

「何となく意味深な表情でしたよ。」

彼女は言った。

「意味深に見えたの?」

私が言うと

「何か事情でもあるのかと思いました。」

彼女は言った。彼女が誤解をするのも無理のない事である。確かに私たちの話は意味深であった。

「世間話でも話が弾むと意味深に見えるのかも知れないよ。」

私が言うと

「そうでしょうか?」

彼女は言った。

「僕には何とも言えないよ。」

私が言うと店内が少し混んできていた。

「失礼します。」

彼女は言ってカウンターへ戻って行った。

 時間はゆっくり静かに流れて珈琲カップの中が空になると現実に私はすぐに戻されていた。私はゆっくり立ち上がって珈琲カップを戻しに行った。

「ありがとうございました。」

彼女が言うと

「ごちそうさま。」

私は言った。

「今度は私にも聞かせてください。」

彼女が言った。

「何の話が聞きたいの?」

私が言うと

「世間話ですよ。」

彼女は言った。

「僕でよければ良いですよ。」

私は言った。

「店長とだけ面白い話をしてずるいですよ。」

彼女が大きな声で言った。

「良い話題があったら話すよ。」

私は言った。

「楽しみにしていますね。」

彼女が言った。私は彼女の声を背に店の外に出てエスカレーに乗ると周囲にざわめきを感じていた。外は雨が降っているだろうか?それとも少し太陽が顔を出しているかも知れない?そんな事を考えて外に出ると少しだけ薄日が差していた。

雨のあとに虹・Part2 その21

「来週にはポスターが出来るから直子さんもいろいろな雑誌に写真が載るわよ。」

春香が言うと

「1年前にはぜんぜん売れていなかったから想像に出来ませんでしたよ。」

直子は言った。

「人の運なんてそんなものよ。」

春香はミルクティを口にして言った。高級な雰囲気の喫茶店も今の直子なら自然に溶け込んでいた。

「すべては高村さんのおかげです。」

直子が言うと

「高村さんも総武のトップらしくなってきたからもっと活躍をしてもらわないとね。」

春香が微笑んで言った。

「300万円ですか!」

直子の横では泰子が驚いた声で言った。

「驚くのも無理はないね。」

湧本が言うと

「大金ですよ。」

泰子が言うと

「株式投資で今月末になるとまとまったお金が手に入るけれど当面の運転資金がなくてどうしようかと思ってね。」

涌本は悪びれずに言った。

「そんな大金は私も持っていないですよ。」

泰子が言うと

「泰子さんは銀行に勤めているよね?」

湧本は言った。

「はい。」

泰子は小声で言うと

「泰子さんの力で何とかならないかな?」

涌本は言った。

「良くない話ね。」

春香が湧本の声を聞いて直子に言った。

「でも融資の決定は課長が権限を持っているので私にはどうにも出来ないです。」

泰子が言うと

「わずかな間だけだですぐに返すからさ。」

涌本は言った。春香は湧本に焦りが出ているのを感じていたのであった。

「陽子!」

国分源太の声を聞いて陽子はその方向を見ると国分が陽子を見ていたのであった。

「あっ!」

陽子は言ったが次の言葉が出なかったのである。陽子が総武企画から総武ホテルの支配人に必要事項の確認をするために移動していた時であった。本来なら支配人が総武企画に来るべきであるが陽子もホテルの様子を知っておいた方が良いと思って出向いたのであった。

「久しぶりにだな。」

国分が言うと

「そうね。」

陽子は素っ気なく言った。

「あれから2年経つがげんそうだな。」

国分は相変わらず横柄な口調で言った。

「私は元気にしているわ。」

陽子にしては精彩がない言い方で言った。

「今度ゆっくり会おうよ。」

国分が言うと

「忙しいから無理よ。」

陽子は困った顔をして言った。

「そんなに格好をつけなくても良いだろう。」

国分は言うと陽子の腕を掴んでいたのであった。

「やめてよ。」

陽子が言っても国分は腕に力を込めて陽子を放そうとしなかった。

「そんなに冷たくするなよ。」

国分が言うと

「話してよ。」

陽子は大きな声で言った。

「俺の彼女だったくせに冷たい態度をとるなよ。」

国分が言うと

「いや!」

陽子が言うと誰かが国分の腕を掴んでいた。

「痛い!」

国分が悲鳴のように言うと陽子の腕を掴んでいた手の力が消えていたた。

「このお嬢さんが嫌だと言っているぞ。」

矢島正一が国分の腕を引っ張ったまま言った。

「痛い!」

国分がさらに悲鳴に近い声で言うと

「あたり前だ。」

矢島は言った。

「矢島さん。」

陽子は驚いたように矢島を見て言った。

「お前の腕の関節を外しているからな。」

矢島が言うと

「痛い!」

国分は情けないほど惨めな声で言った。

「いらっしゃいませ。」

久美子が言うと

「ブレンド珈琲とミートソースをお願いします。」

俊之が微笑んで言った。久美子は自然に俊之を見ると俊之と視線があって小百合がそのれを見逃さなかった。

「いらっしゃいませ。」

ひとみも俊之を見て言った。

「彼氏が来たね。」

小百合が小声で久美子に言うと久美子の顔が少しだけ赤くなったのであった。