めだか屋で奮闘しまっせ(フィクションです。)

 

 

第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(1) <==以前はこちら

 

第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(2) <==以前はこちら

 

第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(3) <==以前はこちら

 

第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(4) <==以前はこちら

 

第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(5) <==前編はこちら

 

第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(6)

 

 あかねは、「つまり、半分の重さの水槽やったら1台で持ち上げられるけど、倍の重さがあるこの水槽を2台で持ち上げようとするとバランスが難しくて持ち上げられないってこと。せやったら、もっと小さい水槽に一匹ずつ入れて、いっぱい飛ばしたらどう。」と閃いたが、召田輔(めだすけ)は、「それも考えたけど、ドローンをいっぱい飛ばすやなんて、そんなん操作出来まへんがな。」と笑った。

ところが、担当者は「単独で飛ばすのでしたらコンピューターで操作出来ますので、100台まで飛ばすことが出来ます。」と言った。

「それ、早よ言うてえな。」と嘆く召田輔に、「けど、6台では寂しいのとちゃう。」と、あかねが言うと、また負けん気を出した召田輔は「よっしゃ、ドローンをいっぱい用意しまっせ。」と言い切ってしまった。

それからというもの他の展示の確認は、あかねに任せて、召田輔はドローン探しに集中することになった。

館内の人間に片っ端から持っていないかを聞きまわり、地の利の悪い鹿児島で模型屋を探して回ったりで、朝にホテルを出て行って夜にホテルへ戻る日々が続き、やっとの事で20台を提げて会場へ戻った時には開幕前日の夕方になっていた。

「もう6台でやるしかないと思っていたのですけど。」と、担当者にも企画のリーダーにも感激され、早速、たくさん用意してあった小さな水槽に あかねのあい を一匹ずつ入れて、26個の水槽をドローンで飛ばした。

等間隔で飛ぶように制御されたドローンに乗って、丸く、四角く、変化して飛び回る あかねのあい は、照明が当たるとバックに描かれた空の青に映えて茜色に輝いて見えた。

召田輔とあかねは手をしっかりと繋ぎ、そして、めだかブースの全員が手を止めて見入っていたのだった。

(つづく)

 

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