めだか屋で奮闘しまっせ（２５－５）

めだか屋で奮闘しまっせ（フィクションです。）

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第二十五話めだかも空を飛ぶの巻（２）　＜＝＝以前はこちら

第二十五話めだかも空を飛ぶの巻（３）　＜＝＝以前はこちら

第二十五話めだかも空を飛ぶの巻（４）　＜＝＝前編はこちら

第二十五話　めだかも空を飛ぶの巻（５）

　結局、３月までは進捗と課題解決・調整のために月二回、現地へ赴く事とし、３月１５日から一カ月間はめだかブースの監督役を行うために滞在する事になり、それまでめだかの家にいる間は元の生活に戻っていた。

月二回の進捗会議に一泊で出掛ける二人は、行く度に計画が進んでいるのを実感して楽しみが膨らんでいた。

召田輔（めだすけ）は進捗会議をしながら不足しているめだかの確保や作業者の日程調整、資材の調達と短い時間の間に仕事をこなしていた。それを見て「やっぱし召田輔さんやったら出来るやん。」と喜ぶあかねに「当たり前でんがな。」と、満足そうであった。

そうこうしている間に３月１５日になり、めだかの家は店長に任せて、召田輔とあかねは現地入りしていた。

アリーナには広告の垂れ幕もぶら下げられ、熱帯魚、日本産魚類、めだかと、メインインフォメーションの四つのブースに分けられた館内は、さらに小間分けされて、装飾や展示物の搬入が始まっていた。

二人がめだかのブースへ近付くと、各コーナーの担当者が待ち構えていて、挨拶もそこそこに課題を投げ掛けてくるのだった。

めだかレースでは「此処へめだかを流そうと思うんですが、めだかが団子状態になってしまうんです。」と説明されると、召田輔は「ほんまでんなあ、みな一緒くたになって泳いで行きよりまんがな。」と、呑気そうに言うので、あかねは「どうすんの。」と言いながら少し考えて、「ここ、少しずつ細くしていって傾斜を付けて、一匹ずつしか出られんようにしたら。」とアドバイスしていた。

めだか玉掬いへ行くと、「この丸いケースにめだかを入れてポイで掬おうと思うんですが、水を入れると思ったより重くて。」との説明を聞いて、「そんなとこへめだかを入れたら死んでしまいまっせ。」と言う召田輔に、「せやったら、ケースには写真を入れて浮かせるでしょ、ほんで、掬った写真と同じめだかを袋に入れてあげたらどう。」と、あかねがアドバイス。

めだかを探せでは「この中にいるめだかが何匹かを当てて貰おうと思うのですが、めだかが全部潜り込んでしまって。」と、色々な模型が入った水槽を見て嘆いているので、「そら、しゃーないわ、めだかは隠れるもんやさかい。」と言う召田輔に、あかねが「模型に釣り糸を付けて、引っ張って持ち上げられる様にしたらどう。」と、ことごとくアドバイスするので、負けん気を出した召田輔は「次は、わいがアドバイスしますさかい。」と言うと、あかねは「御免、黙っとくわ。」と答えて、空飛ぶめだかのコーナーへ来ていた。

そこで担当者が「この薄型水槽にめだかを入れて、ドローンを二台繋いだのですけど、水を減らしても重くて持ち上げられなくて。」と困っていた。見渡して、水槽が３個とドローンが６台あるのに気付いた召田輔は「水槽を２個にして、ドローン３台で１個を持ち上げたら。」と、アドバイスして満足気だったが、「３台でも持ち上がらなかったんです。」と返されて、「せやったら、６台で１個の水槽にしたら。」と答えると、「そんなの操作出来ません。」と返してきた。

「これは、あかんがな。」と、召田輔は空飛ぶめだかのコーナーに居座ってしまった。

他のコーナーから来ている担当者に、召田輔は「待っとくなはれ。」と断っているので、「あたいが行くよって。」と、あかねが行っては解決して戻って来るのを繰り返していた。

結局、色々とやって見ても上手く行かず「諦めまひょか。」と言う召田輔に、あかねが「そんな訳に行かないでしょ。」と言って、担当者に色々と聞き始めたのだった。

（つづく）

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