めだか屋で奮闘しまっせ(フィクションです。)
第二十五話 めだかも空を飛ぶの巻(1)
二日目は空港近くにある観賞魚協同組合の施設を訪れていた。
電話をくれた、めだか展の企画担当リーダーが出迎えてくれた。
「ようこそ鹿児島へ、長旅お疲れでしたでしょ。」
「そんなことおまへんで、快適な旅さして貰ろて喜んでおりま。」と答える召田輔(めだすけ)の後ろで、あかねはまだ笑いを必死にこらえていた。
企画担当リーダーは学生かと思うほど若い青年で、「その若さでリーダーしてはんのでっか。」と聞くと、観賞魚事業者から若手が集まってボランティアで企画を考えて業界を盛り上げるために結成されたグループで、メンバーは二十代が中心との事であった。
打ち合わせまで時間があったので、リーダーの青年が施設を案内してくれた。
建物の周りは南方の植物が植えられていて公園の様に広々としており、建物は事務所と研究所があるという二階建てのビルに続けて大型のハウスが複数並んでいた。
ハウスの中はコンクリートで仕切られた池が並んでいて、色とりどりの熱帯魚や錦鯉、金魚と、それにめだかも細かく仕切られた中に品種別に飼育されていた。
ここではビルの二階にある研究所で品種開発されている魚を育成しているとの事であった。
建物へ入ると、二階の研究室も見学させてくれて、特に力を入れているという希少な熱帯魚の交配の様子など興味深々の召田輔はしがみついて見ており、動こうとしないのを、あかねが見てまた笑っていた。
「きりがありませんので、そろそろ食事を済ませて打ち合わせをさせてください。」とリーダーの青年に言われ、召田輔はあかねに背中を押される様に近くの食堂へ向かった。
食堂の個室へ案内されると、めだか展の企画メンバーが揃っていた。
企画メンバーはリーダーを含めて十名との事で、今日は一名欠席のため九名がそれぞれ自己紹介をしてくれた。
召田輔も「大阪であかねちゃんとめだか屋をやってましてな。」と自己紹介を始めると「知ってまっせ。」と誰からとも無く大阪弁で返事が返って来て和やかな雰囲気にすぐに打ち解けた二人だった。
少しすると食事が運び込まれ、雑談をしながら昼食を済ませると、企画メンバーはそれぞれ持ち寄った企画書を壁に貼り始めた。
「此処で打ち合わせしまんのかいな。」と召田輔が聞くと、リーダーの青年が「そうです。夕方まで貸し切りにしてますので。」との事で、皆が壁に向かって座り、各自、自分が担当している企画を説明していった。
企画は、めだかメリーゴーラウンドや滝登りレース、めだか玉掬い、めだかの島冒険クルーズ、めだかを探せ、めだかの名前当てクイズなど、どれもユーモア溢れる楽しそうな企画で、実現できるかどうかや、こう工夫したらどうかと言った意見が多数出て、若者たちの発想の凄さに圧倒される二人だった。
その中でも特に召田輔が興味を持った企画は、空飛ぶめだかという企画で、薄型の水槽にめだかを入れてドローンで飛ばそうとするものであった。
召田輔は「あかねのあいをぎょうさん入れて飛ばしまっしゃろ、光が当たった時に茜色に輝いて綺麗でっしゃろな。」と、想像を膨らませていた。
欠席者の企画をリーダーが代わりに説明し、意見が出揃った所で召田輔に感想を聞かれ、「わいが想像しとった品評会や展示会とは違ごて、アトラクションみたいにめだかと一緒に楽しめそうな企画ばっかしで驚きましたがな。ぜひ、成功する様に期待してまっせ。」と述べて、お開きとなったのだった。
(つづく)
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